[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
上記見通しは、見解に過ぎず、相場展開を保証するものではありません。最終的な投資決定は、投資家ご自身の判断で行われますようお願いします。
少し硬い話をしますが、為替にも関連してくると思いますので、読み流してください。
ドル金利について話してみたいと思います。債券投資でイールドカーブ(yield curve利回り曲線)の理論があります。金利水準で足元の金利(日々資金繰り金利)で調達して、長期の国債に投資する機会を金利ディーラーは探します。米国債券市場でその兆しが出てきています。具体的な数字を拾い出してみましょう。昨年の12月20日の10年債の利回りは4.03%、そしてフェッドファンドレート(FF rate)が4.25%でしたから長短金利差はマイナス0.22%となります。短期の金利が長期の金利より高くなっている状態のイールドカーブを、インバーティッド・イールドカーブ(inverted yield curve)と呼び、短期で資金を調達して長期で運用するには悪い市場環境と言えます。それでは、その後の数字を追ってみましょう。FRB(米連邦準備理事会)が緊急利下げ(0.75%)を実施後の1月23日には、10年債が3.41%、FF rateが3.5%の金利差はこの時点でもマイナス0.09%となりました。まだインバーティッド・イールドカーブです。そして1月30日の利下げ(0.5%)後はどうでしょう。10年債が3.56%で、FF rateが3%となりました。金利差がプラスの0.56%となりました。この状態を順イールドカーブとかノーマル・イールドカーブ(normal yield curve)と言います。この状況では、短期資金で調達して長期債に投資する妙味が出てきました。それでは今後はどうでしょうか。確かに債券市場に逃避資金が流れ、債券価格が上昇して利回りは低下しています。しかしここにきて大きく利回りが下がりにくくなってきています。短期の先物を買って長期の債券先物を同時に売る動きがあるからです。そして仮に3月18日FOMC(米連邦公開市場委員会)にて0.5%利下げが行なわれたとします。すると仮の話ですが、10年債が3.5%として、FF rate が2.5%とすると、金利差がプラス1.0%となり、更に短期で調達して長期で運用する妙味が増えてきます。債券ディーラーはこのような状態のことを、イールドカーブのスティープニング(steepening)と言い、利回り曲線が立ってくることを期待します。債券ディーラーは積極的にポジションを取りに行き、投資環境が良くなります。参考までに、逆に平坦になることをフラットニング(flattening)と呼びます。具体的に、どんな手法でポジショニングをするかというと、1.単純に短期資金を借りて、長期・中期債で運用するというクラシカルな方法、2.デリバティブ例えば、短期の金利先物を買って、長期の金利先物又は債券先物例えばトレジャリー・フューチャーを売る手法、3.金利スワップ・金利オプションでのポジショニングなどがあります。
現在利回り曲線が順イールドカーブでスティープニングの方向にきています。ファンド筋、投機筋の中には、債券に一部投資資金を振り向けようとします。確実に収益を上げるには、長短の金利予測に基づいたポジショニングをします。そして何よりも米投資家にとっては、為替リスクが全く発生しません。ファンド筋、投機筋はどんな金融相場にも非常に目敏いです。金、原油などは、かなり荒っぽい展開となっています。株価も不安定です。金は手仕舞い始めているとも聞いています。今週あたりから、どうもこのイールドカーブのスティープニングを狙ったポジショニングを米債券トレーダーは始めたようです。これを、為替市場との関連で見れば、海外での利食い損切りで回収した資金を、為替リスクを受けない債券投資にその比重を向ける可能性が増えてくるのではと思います。その意味で、潜在的なドル買いが出て、ある時気がつくと、為替市場でドルブルトレンド(ドル強気の流れ)が既に出来上がってしまっていたということになっているのではと思います。今年のどこかでドルが底を打ち、上昇トレンドに入ってくるということは、米債券相場の動きを読むと十分に可能性があると私は読みます。そろそろドルの底打ち時期を研究しないといけない時期にきているようです。
堅い話でしたが、今後の為替相場の参考になるかと思います。
上記見通しは、見解に過ぎず、相場展開を保証するものではありません。最終的な投資決定は、投資家ご自身の判断で行われますようお願いします。
03 | 2025/04 | 05 |
S | M | T | W | T | F | S |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | ||
6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
13 | 14 | 15 | 16 | 17 | 18 | 19 |
20 | 21 | 22 | 23 | 24 | 25 | 26 |
27 | 28 | 29 | 30 |
国際金融市場をやさしく解説して、為替の世界のおもしろさを皆さんに広めたいと意気込んでいます。