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上記見通しは、見解に過ぎず、相場展開を保証するものではありません。最終的な投資決定は、投資家ご自身の判断で行われますようお願いします。
おはようございます。
ドルが買い戻された昨晩の海外市場のようでした。ポンドの予想通りの下落と、ドル/円はちょっとひやりとしましたがデイレバレッジ効果で予定通り102円台ミドルと、そして予想外に早くオージー(豪ドル)/ドルの0.93台といったところです。(こちらはドル売りのオージー買い)
昨晩を振り返ってみましょう。夕方英国の3月の住宅価格指数が発表され-2.5%(前月比)と予想よりもかなり悪い数字が出ました。木曜日のBOE(イングランド銀行)での利下げ観測が強まっています。私は0.25%の利下げかなとおもっていますが、市場では0.50%まで見込まれているようだ。(現行5.25%)私が注目していたポンド/ドルの1.9700を割ってきました。シカゴもポンドショートに転換していますから、もう少しポンド売りの仕掛けがあってもよさそうです。次の節目は1.9000ですが、そこまではもう少し時間がかかりそうです。中間の1.9350あたりが当面の目標となりそうだ。
FOMC(米連邦公開市場委員会)の議事録の話をする前にIMFの数字とヘッジファンドの話をしましょう。
IMF(国際通貨基金)が8日発表した報告によるとサブプライム関連での世界の金融機関が損失は9450億ドル(約97兆円)となるとのことです。これは昨年11月の報告の約4倍です。サブプライムローン関連だけではなく、商業不動産担保融資に拡大したためとのことです。サブプライムだけでなくオルトAやプライムローンそして商業不動産担保ローン証券(CMBS Commercial Mortgage Backed Security)そしてRMBS 住宅ローン担保証券(Residential Mortgage Backed Security)を束ねたMBS(資産担保証券Mortgage Backed Security)までに損失が及んでいるということです。取引所があってポジションをカバーできる金融商品ではないので、理論上の価格で日々値荒いをすることとなり、住宅価格、不動産価格下落とともに損失計上することとなるのです。そして金融機関の中身をみると、保険会社、年金基金、そしてヘッジファンドの損失も指摘されています。ヘッジファンドは1,100~2,000億ドル(約11兆2200億円~20兆4000億円)の損失が出るとの報告です。ディレバレッジが効いてきそうですね。
FRB(米連邦準備理事会)とECB(欧州中央銀行)が昨日と一昨日の資金供給の内容を明らかにしました。FRBがFRBNY(NY連邦銀行)で7日実施のTAF(Treasury Auction Facility)で期間28日の500億ドル資金供給です。応札倍率が1.83%で最低応札倍率が2.82%と意外と資金の逼迫観はないようですね。またECBも昨日期間28日で150億ドルの資金を供給しています。中央銀行が綿密に資金供給していることが、金融市場に安心感を与えているようです。このあたりを理解できる為替ディーラーは少ない。皆さん資金供給の動きは重要ですから注意しましょう。
それではFOMC議事録(先月18日分)について話しましょう。ざっとメディアの話を総合すると、今年前半のマイナス成長の予想と景気減速を深刻に受け取っているとの内容です。二人の理事が大幅利下げには反対したとのことで、サブプライム問題とファンダメンタルズの悪化について認識が一致ということです。9ページに渡っていますので、これからじっくり読んで何か今後のヒントがないか探してみます。
それでは金融市場について話しましょう。金は現在917ドル(1オンス)の取引と若干下げ、米債券は小動きですが、10年と2年のスプレッドが168ポイントに広がり、リスク回避志向か手前の短い債券が買われ(利回り低下)、その他金融商品から戻っていているようです。それがドル買いを若干促した要素もあったと思います。
為替市場は昨日と変わりません。ドル/円はディレバレッジ効果でドルが買い戻され102円台ミドルで103.50方向と読みます。ポンドは私が以前から指摘していたように、前回の議事録内容、キング総裁、ビーン委員の発言を読んでいたところで、実際に住宅価格の悪い数字にやっぱりかと市場参加者の乗ってしまった形です。ポンド/ドルで1.9700を割ってきています。ポンド/円ではドル/円での戻して一見ブルトレンド(強気)に見えますが、ポンド要因を重視すると逆にポンド下落リスクが高いのでポンド売りがベッターと思います。ユーロ/ドルは依然1.5700を挟んでこう着状態です。オージー(豪ドル)/ドルは最初に指摘しました通り、意外と早く0.93台に乗ってしまったなという印象です。利食いも一考と昨日述べましたが、それも良いでしょう。またポジション残して0.9600までを目指しても良さそうです。一番安心できる通貨です。オージー/円もロング継続です。
余談:ブローカーさんからの贈り物:昔はお中元とお歳暮を頂きました。銀行のディーラーとの良好な関係を続けるためにとのことでした。紀州の梅干を年二回もらって重宝しました。薄味の美味しい梅干を樽一杯も。ブローカーさんとディーラーの癒着が当時問題となりました。そしてダイレクトディール(銀行間での直接取引)が進むとブローカーさんの収益の悪化が急速に進みました。そんな時に盆と暮れの贈り物は時代にそぐわないし、業界の浄化のためにもとある年からは廃止されました。そのほうが、後腐れなく、いつも中立の立場でブローカーさんと取引ができます。ディーラーも人間、同じレートであれば、ボタンがひとつ違う、T社に行くかU社に行くかは、ディーラーの判断です。どうしても情が入ってしまうと、ついU社のボタンを押したりして。人間というのは弱いものですね。でも、ある時から月次の収益と各ブローカーさんのブローカレッジが表になって出されると、何と収益に対してブローカレッジの占める割合が高いのかを実感しました。(例えばある月の収益1000万円、ブローカレッジ500万円 ネット収益500万円)それからは、とにかく中立、なるべくブローカーさんは使わないで DD(Direct Deal)ということになりました。これでブローカーさんは干上がってしまったとも聞いています。
そういえば、Mブローカーさんから何かの記念日に配られたドイツ製の鼻毛切り、まだ使っています。本当に重宝しています。
それでは今日も仲良く為替市場と対話しましょう。
上記見通しは、見解に過ぎず、相場展開を保証するものではありません。最終的な投資決定は、投資家ご自身の判断で行われますようお願いします。
お疲れ様です。
朝方ユーロ/ドルが買われて何かあったのかなと思い巡らす一日でした。最終的には落着くところにきていますが、これから欧州勢のアーリーバード(Early birdと言って早出のディーラーを指します。)が入ってきますからどんな反応を示すのか興味深いですね。
白川副総裁が国会で所信聴取をされています。まだ総裁として信任されたのかは定かではありません。日銀政策決定会合が開催されていると言うのにどういうことですかね。中央銀行の権威を政治家はないがしろにしていて、この国はこんな政治家に我々の将来を託してよいのか本当に疑問を持ちます。さて、白川総裁候補の所信聴取はまるで新任総裁の記者会見のようです。「世界の金融市場が動揺している中、予断を持つことなく上下両方向のリスク要因を注意深く点検し、必要かつ政策を機動的に実施することだ。」と述べられている。日銀出身だけあられて、福井前総裁がたびたび使われた文言を踏襲されています。福井路線であれば、現在の金利水準を通常の水準に戻すのが基本です。でも、今回の聴取では上下のリスクと上手くかわされている。金融市場が利下げを観測する中で日銀マンの面目躍如といったところです。明日は会合後記者会見されるのですね?また渡辺元財務官の副総裁任命については民主党が不信任のようです。どうなってるのと言いたいですね。
今日はグリーンスパン前FRB(連邦準備理事会)議長の発言がいろいろと漏れてきました。ブルーンバーグとドイツ銀行の共同コンファレンスが東京で開催されているようで、衛星回線でのスピーチであったようです。「信用危機は過去50年で最も厳しく、それ以上の可能性がある。サブプライム問題の影響の程度は今後数ヶ月は分らない。インフレについては現在の景気後退局面では抑制されているが、景気回復とともにインフレ懸念が出てくる。」との主旨です。(10万ドルの出演料か?)グリーンスパン関連のニュースを探していたら、ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)の中に辛らつな記事を見つけました。現在の住宅ローン関連での金融危機の種をまいたのはグリーンスパン氏であって、低金利と放任主義的な規制がそれを助長したとのことです。グリーンスパン氏は稀代の名議長です。それを批判するとは。数字を丹念に読み取り、そして景気を常に柔軟に操作して、株式・債券市場が大暴落したときでも冷静に対応されました。結果論からして、低金利政策、放任主義がサブプライム問題の原因と言われればそうなってしまうが。完璧な大統領、金融当局者などは存在しません。氏は「一度たりとも決断で後悔をしたことはない。」とも自信のコメントです。私は素晴らしいFRB議長であったと評価します。白川新総裁にも、氏の最後の言葉を胸に刻み、立派にその職責を果たしてほしいものです。
ユンケル・ユーロ圏財務相会合議長が欧州議会報告の中で、ユーロ圏経済の減速感と2008年の1.8%成長の下方修正の可能性を示唆されました。またインフレについては当初の見込み以上の物価上昇懸念があるとして、トリシェECB(欧州中央銀行)総裁と同一の意見を述べられました。また為替については、ユーロ高懸念とドル安の米国による是正を述べられた。明確な口先介入です。9日にブッシュ大統領と会って話をするとのことでどんな内容か今から楽しみです。11日のG7(先進7カ国財務相・中央銀行総裁会議)でも物言うとのことで、声明の中での為替の表現に注意です。金曜日ですから、NY取引時間帯で全ての声明が出て市場が反応すればよいのですが、ひょっとして夕方以降だされれば、来週月曜日のアジア時間帯に為替の変動が出てくることになります。注意のこと。
今晩の注目点は先月18日に行われたFOMC(米連邦公開市場委員会)の議事録の内容です。30ページくらいあるのですが、議決までのプロセスが読める。そして今月末のFOMCでの会議の内容を察することができます。要点はメディアが流すので頼りますが、日中じっくりと読んでみようと思います。思わぬヒントが隠されているかもしれません。
為替市場を見てみましょう。朝方ユーロ/ドルが1.5800近くまで上昇したので、一瞬何があったのかと思いました。プログラム売買系のユーロ買いとか、グリーンスパン発言でのユーロ買いとか言われましたが、また1.57台前半まで落ちてきました。1.5700は重要です。G7でのユンケル氏とトリシェ氏の発言によっては下落リスクがあると意識したほうが良さそうだ。確かに今後の米欧の金利差を考えれば必然的にユーロ高との発想だが、市場はそんなに単純ではなさそうだ。ドル/円はやはり102~103の間のレンジに終始しました。私はディレバレッジ効果で103.50までのリスクを見たほうが良いと思います。下は当然101.00を注視。ポンドについては10日のBOE(イングランド銀行)の利下げ観測とポンド下落リスクの明言で下方リスクを読みます。ポンド/ドルで1.9700~2.0400のレンジ内の動きで、1.9700方向を読みます。円クロスもポンドショート(売り持ち)の方と読みます。オージー(豪ドル)/ドルは予想通りブルトレンド(強気)継続です。0.9300では利食いの一考です。クロス円もこちらはオージーロングがワークしそうだ。
ひとこと英語での格言を紹介します。
When in doubt, get out. (疑問に思った、抜け出すこと。)
相場と対していて何かおかしいなと思ったら、とにかくポジションを切ることです。ちっちゃな疑問が大きな損失につながることを私はよく経験しました。これで失敗した一番の男はニック・リーソンです。阪神大震災後、日本は経済復興をするものだと一途に思って全く疑問を感ずることなく日本株式先物を買い続けました。結果的にベアリングブラザーズ倒産です。私が昔インドネシアのバタム島で彼とゴルフをした話は2月5日のイーブニングレポートをご覧ください。小柄でやさしそうな男でしたが。
宣伝:「為替ケ・セラ・セラ」更新しましたのでごらんください。スペインの祭りと花見の写真を載せています.
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それでは Have a nice afternoon!
上記見通しは、見解に過ぎず、相場展開を保証するものではありません。最終的な投資決定は、投資家ご自身の判断で行われますようお願いします。
おはようございます。
外はひどい天候ですが、外為市場は凪の状態です。重要イベントを控えて様子見のようですね。ただし、ディレバレッジ効果だけは効いているようです。
日本銀行の総裁に白川副総裁が昇格する方向で、何とか11日開催のG7(先進7カ国財務相・中央銀行総裁会議)出席に間に合わせたようです。民主党の頑なな財務省出身者の拒否によって大きく混乱してしまいました。副総裁候補の渡辺氏は元財務官だから拒否の姿勢です。福田総理のリーダーシップが問われ始めています。どこのメディアも内閣支持率が30%以下と死体同然のようです。ねじれ国会で予算も決められない状況では潜在的な円売り材料に今後なっていくような気がします。予算も決められないから最終的には解散総選挙の方向とどうも世界から見れば政局混迷、景気が低迷、株価低迷と悲観的材料ばかりです。(ユーロとかポンドはこのあたりの材料に忠実に反応するのですが。)今日の日銀政策決定会合は9日に正式に国会で白川総裁が承認される方向ですから、総裁代行として会議を進められることになりそうです。明日までですが、現在の政策金利の0.5%の変更はなさそうです。
日本のファンダメンタルズが悪いとの数字が出ています。2月の景気動向指数で、景気の現状を閉める一致指数が44.4%と2ヶ月連続の50%割れです。現在為替市場では特にドル/円では米国のファンダメンタルズの悪さに市場が目を向けていますが、ある時から日本のファンダメンタルズに焦点が当てられるかもしれませんので、日本のファンダメンタルズもしっかりと把握しておきましょう。ある時きっと役に立ちます。
昨晩の記事のなかでは、中国の銀行が適格国内機関投資家制度の下で、顧客資金を米国の株式や投資信託ファンドに投資できる方向で認可するとの見通しであるとの記事を目にしました。中国マネーの投資先として米国に向かう可能性があります。
昨晩の金融市場を振り返ると金曜日の雇用統計発表で悪い数字が出たものの、どの金融商品も落着いた動きをしています。米国経済凋落との話が出てきません。リスク志向へと徐々に向かっているとも見えます。長期金利が上昇し、株価が堅調、しかし金とか原油は依然高水準です。ただ根底に流れるディレバレッジには注意を。
為替市場は本当に静かですが、ドル/円は堅調と言えます。シカゴ筋の円ロング(ドル売り持ち/円買い持ち)ポジションが依然積みあがっています。また新年度入りでの日本の年金基金が海外資産への投資を始めたとの報道が流れており、ドル堅調を支えているようです。東京の日中はこうした新年度入りによる海外投資マネーと本邦輸出企業による先物ドル売りが交錯する展開ではなかろうかと思います。102.00~103.00の範囲で終始するでしょう。
例のユンケル・ユーロ圏財務相会合議長が、ブッシュ大統領と9日に為替レートについて協議するとの派手は記事を見ました。G7での前宣伝を狙った発言ではなかろうかと思います。木曜日の定例理事会での政策金利(4%)の据え置き予想と、G7でのユーロ高懸念の討議とユーロの頭は今週は押さえられそうだ。ユーロ/ドルの注目の節目1.5700を注視です。オージー(豪ドル)/ドルはやはりというか強いですね。0.9600方向と読みます。オージー/円での日足がゴールデンクロスとなりました。ドル/円でのディレバレッジからしてブルトレンドが続きそうだ。
余談:ブローカーさんとディーラー:テレビで丸い机を囲んで外国為替市場の様子がテレビで映されることがあります。銀行間取引の仲介をする場です。登場しているのはディーラーではなくて、ブローカーさんです。よくブローカーさんとディーラーとが混同されることがあります。ディーラーは銀行のディーリングルームにへばりついています。昨今情報漏れなど、うるさくなってきているようで、なかなか銀行のディーリングルームの様子がテレビでは映し出されません。立場的には、どうしてもディーラーが注文を出す立場ですから強いように思われます。ローターディーリングと呼ばれる電子取引が普及したことから、ブローカーさん経由での取引が減ったとも聞いているのですが、最近やはり生の情報が聞き取れるとのことで再び脚光を浴び始めてきているとも聞きます。スクリーン上での取引はなんとも機械的です。確かに確実にレートを思う存分ヒットできるのですが、所詮コンピューターゲームのようです。でも実際に膨大な資金が取引によって動くので実際には大変なことがおこなわれているのですが。ボイスボックス(専用線でブローカーさんと銀行のディーラーとの間で結ばれています。)から流れてくる昔ながらの取引形態には人間が行っているとの市場を実感させ、また隠語が飛び交うことで、なんとなくどこが買ったり売ったりしているのかが伝わり、体で外国為替取引をしていることを実感させます。個人的にブローカーさん経由の取引増大を願いたいものです。
それでは今日も為替相場と仲良く対話しましょう。
上記見通しは、見解に過ぎず、相場展開を保証するものではありません。最終的な投資決定は、投資家ご自身の判断で行われますようお願いします。
お疲れ様です。
新年度入りということで新規の外貨投資信託を含めて本邦投資家の外貨買いの需要が強そうです。特にオージー(豪ドル)は人気が高い印象です。
今朝方、オーストラリアの2月の貿易収支が発表され、32.89億豪ドルの赤字となりました。この数字は予想よりも赤字幅が広がっています。また同時に2月の住宅許可件数も発表となり+0.1%(前月比)、-1.6%(前年比)と前月の数字(+1.9%前月比、+5.1%前年比)とは対照的に悪い数字が出ました。当然オージーの売りが出たようでした。オージー/ドルで0.9200を割り込みましたが、しばらくして回復です。全般的に好景気が維持されているオーストラリアに対する投資は衰えることがなさそうです。本邦からの豪ドル買いも相当あったような相場展開です。
朝のレポートでも触れましたが、金曜日の米雇用統計が悪かったにも関わらずドルの下落が散見されません。むしろ東京時間帯はドル買いが強まっています。これはディレバレッジの取引が入っているのではと思います。兜町はまあまあの上昇、そして金相場は915ドル(1オンス)と落着いておりNY市場の動きを見ないといけないようだ。ドイツのバーデン・ヴェルテンベルグ州立銀行がサプブライム問題関連で追加の損失計上をするとの記事を目にしました。ユーロ売りの材料にされているようです。まだまだ隠れた損失計上予定の金融機関はありそうです。グリーンスパンFRB(米連邦準備理事会)前議長が、米経済がリセッションに入る可能性は50%以上とのニュースもありました。米第1四半期のマイナス成長は次第に金融市場に浸透し始めてきています。
為替市場に話を戻します。私の思った以上にドル/円でのドル買いが強いのにはびっくりしています。本来今晩のNY市場でこのような展開になるのではと予想していたものですから。輸出企業の財務担当者には一時的にでも追い風が吹いています。さて何月先までドルの先物売り予約を入れようかというところだと思います。ただ、平均社内レートが105円ということですから、もう少しの吹上を期待している担当者の方も多いと思います。ディレバレッジが続いている間は少し粘っても良さそうだ。ガンチャートの101.00~106.00のレンジの中間点103.50が焦点ではと思います。ユーロ/ドルについては、注目している1.5700がレジスタンス(抵抗線)になるのか、反対にサポート(支持線)になるかの見極めです。今週木曜日のECB(欧州中央銀行)での定例理事会では現行の政策金利(4%)の据え置き予想です。その意味ではユーロ高なのですが、その翌日の金曜日にはワシントンでG7(先進7カ国財務相・中央銀行総裁会議)の席で、ユンケル・ユーロ圏財務相会合議長を中心にユーロ高懸念の話が出されそうですから、市場関係者の間には高値警戒感はあります。長期的に見てドルからユーロに資金を移動させる流れは継続しそうです。ただ短期的にはちょっと頭を押さえられるかもしれません。ポンド/ドルは、繰り返しになりますが、木曜日のBOE(イングランド銀行)政策決定委員会にて現行政策金利(5.25%)が引き下げられるのではとの観測が出ています。インフレ懸念もあることからもしも引き下げられて小幅の0.25%位かと思われます。利下げ観測とポンド下落リスクの明記からして、ポンド安方向と読みます。シカゴ筋のポジションがポンドショート(売り持ち)になってしまっていることに注意しましょう。1.9700~2.0400のレンジ内で、1.9700方向と読みます。クロス円はドル/円でのドルの買い戻しで一見ブル(強気)に見えますが、特にポンドについては、ポンドの下落リスクがありますから注意してください。この意味ではオージー(豪ドル)/円でのロングの方がワークするように思えます。
今晩は特に経済指標はないようですから、やはりディレバレッジ中心の動きになるのではと察します。
余談:異様な集団:最近都内の電車に乗ると、新入社員と思える一団をよく目にします。学生時代は個性豊かな学生であったと思われますが、ひとたび社会人になると全く揃って軍服のようですね。男性・女性とも誰だか区別が全くつかない、リクルートルックという服装です。これではこれからの社会、個性を伸ばして、つまり新しい発想で飛躍を遂げようとする会社の考えとは反比例するようですね。一時期のホリエモン的発想は影を潜めてしまったのか?企業によっては、入社式に私服で来るようにとのお達しでも出して、自由な空気を社内に吹き込んでほしいものです。また昔に戻ってしまうのかなと危惧しています。
それでは、Have a nice afternoon!
上記見通しは、見解に過ぎず、相場展開を保証するものではありません。最終的な投資決定は、投資家ご自身の判断で行われますようお願いします。
おはようございます。
米国雇用統計の発表で、悪い数字が出ましたが、出た数字に対する為替相場の動きは私の読みどおりでした。ディレバレッジが効いていると思います。発表された数字は、3月の非農業部門の雇用者数は80,000人減と市場予想は50,000人減と比べて大きく悪い数字です。そして2月の数字も63,000人から76,000人へとこちらも悪い。また失業率自体も5.1%と悪化しています。それでは金融市場はどのように反応したのでしょうか?思ったほどドルは売られませんでした。これはシカゴ筋を中心にまだドルショート(ドル売り持ち)が溜まっているからです。そしてヘッジファンドを中心に資金繰り難があるからと想定されます。ポジションを解消する動きがまだ続いているからです。これは、先週金曜日のオーストラリア準備銀行(RBA)スティーブンス総裁の公聴会の中のオープニング・ステートメントの中に明確に書かれています。(先週金曜日の当イーブニングレポート参照)ドルを売りたいのはやまやまなのですが、それができないのです。お金が調達できない。資金調達源が絞られているからです。だから、本来の状況であれば、ドル/円は101.00を割って100.00をも割っていても不思議ではありません。逆に雇用統計で良い数字が出て、本来ドルがもっと下がる相場観で、ポジションを落とさざるを得ない状況にならなくてほっとしていると私は想像します。
その他の金融市場はどうであったのでしょうか。こちらもディレバレッジが効いています。ドルの売りが加速されず、金は913ドルと大きくは変われませんでした、原油もWTIで2.40ドル上昇のみの106.23ドルです。株式市場も小幅下落の、債券市場では、確かに10年債の金利は3.59%から3.46%に大きく下げており、一見安全志向かと思われますが、10年債と2年債のスプレッドが168から164のみに縮まったのみです。大きなフラットニング(Flattening: 全体のイールドカーブが下がってくることを言い、景気後退局面に資金ディーラーがとるポジションです。スティープニングの反対です。)とは進んでいません。金融市場は信用収縮を前提に取引を進めざるを得ない状況になっているような印象です。
スロベニアでユーロ圏財務相会合(15カ国)が金曜日に行なわれました。例のユンケル氏が議長です。ユンケル議長はインフレ懸念が全ての政府の共通の懸念と強調されました。スペインは4.4%もあります。外野席からは利下げもそのうちにとの話が出ていますが、当面有り得ません。現在の政策金利4%は維持されます。トリシェECB(欧州中央銀行)総裁も参加されていました。中期的な物価安定を実現するには、現在は賃金を抑制することは必要であると理解することは重要であるとコメントされました。ドイツを中心に賃金交渉の真っ只中、賃上げによるインフレ助長を心配されています。為替についての合意があり、注意しないといけません。トリシェ総裁は過剰な為替相場変動を懸念しており、米国の強いドル政策を評価すると述べられ、ユンケル議長は、今週金曜日ワシントンで開催されるG7(先進7カ国財務相・中央銀行総裁会議)で、為替問題討議の中で、ユーロ相場の急上昇について問題提議されると明言されました。これは注意しないといけません。
これからの流れを読むと金融機関の中にはまだまだ1~3月期での新たなサブプライム問題関連での損失計上をしそうなところが出てきそうだ。米国の地方銀行、欧州の英系、フランス系、ドイツ系金融機関、そして保険会社が危ない。英ノーザンロックは国有化されているから、英国政府の保護下ですから大丈夫のようです。そして米第1四半期のマイナス成長確認と同じ日(4月30日)に発表されるFOMC(米連邦公開市場委員会)での政策金利の発表です。0.50%の利下げを市場は観測しています。信用不安は安堵感があるのですが、後はどの程度の規模の損失が表に出るか、そしてマイナス成長の確認といったところがテーマです。
為替相場に戻ります。最初に述べましたがディレバレッジ効果でドル安の流れがなだらかになりました。流れはドル安なのですが、動くに動けないヘッジファンド筋に支配されている為替市場です。ということでドル/円は101.00を割る勢いはありません。101.00~106.00内での動きを暫く予想します。日足でのゴールデンクロスの状態ということを考えると102円台から103.50あたりを目指す動きではと読みます。そろそろ日本にファンダメンタルズの悪さがテーマとなってくるのではと考えます。ユーロ/ドルは、今週のG7でユーロ高問題が討議されるとのことで頭が重いかもしれません。重要な節目1.5700がサポート(支持線)となるかがポイントです。ポンド/ドルはポンドの頭は重いと予想します。後でも述べますが、シカゴ筋は既にポンドショート(売り持ち)にポジションを転換しました。1.9700~2.0400のレンジ内ですが、議事録でのポンド下落リスク明記と木曜日のBOE(イングランド銀行)の政策決定委員会での一部利下げ観測もあることから、1.9700方向を読みます。オージー(豪ドル)/ドルは、RBAスティーブンス総裁の先週金曜日の公聴会内容からして、利上げはないものの利下げも遠い将来にしかないとの意味合いからして、オージーへの投資は進むと読みます。0.9100~0.9600のレンジ内で0.9600方向を読みます。クロス円では一番面白いロング(オージーの)でのポジションと思います。
シカゴ筋(CME)情報:4月1日時点
円 ネットロング 52,298枚(前週比-13,622枚)、ユーロ ネットロング 29,072枚(-13,699枚)、ポンド ネットショート 2,760枚(ロングからショートに転換し、ネットで22,488枚減少)、スイスフラン ネットロング 8,881枚(-1,900枚)、オージー(豪ドル) ネットロング 36,968枚(+1,348枚)、キューウィー(ニュージーランドドル)ネットロング 7,454枚(-1,997枚)
ディレバレッジが進んでいることが分かります。円は突出して円ロング(ドルショート)が溜まっています。これは重要なヒントです。ポンドでのポジションの転換が目立ちます。議事録の内容、キング総裁、ビーン委員からのメッセージで、ポンド下落の利下げ観測ですっかりはポンド売りへ傾きました。これは尊重しないといけません。ポンド/円ではポンドショートの方が良いと読めます。ドル要因での一見ポンド高は絶好のポンド売りのタイミングと言えます。オージーは相変わらず投資冥利があり主要通貨とは関係なく買われています。シカゴのポジションからはこれからの為替相場の流れのヒントが読み取れます。
解説:ディレバレッジ:レバレッジの反対です。リスク許容度を資金調達の多様化で高めることをレバレッジと言います。その反対の動きつまりリスクをもう取らなくそして、ポジションを解消することとなります。尚、用語としてデレバレッジ→ディレバレッジに統一します。
宣伝:今日の夕方全国主要駅の売店で販売されますNSJ日本証券新聞にて「水谷文雄の為替相場観」を寄稿します。(正確には火曜日8日付けなのですが。)外国為替のページのコラムに載っていますから是非購読お願いします。一部180円。写真はカメラマンの腕が良いことを証明しています。(月2回の第1と第3月曜日掲載です。)
それでは今週も宜しくお願いします。そして相場と仲良く対話しましょう。
上記見通しは、見解に過ぎず、相場展開を保証するものではありません。最終的な投資決定は、投資家ご自身の判断で行われますようお願いします。
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国際金融市場をやさしく解説して、為替の世界のおもしろさを皆さんに広めたいと意気込んでいます。