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上記見通しは、見解に過ぎず、相場展開を保証するものではありません。最終的な投資決定は、投資家ご自身の判断で行われますようお願いします。
おはようございます。
予定通りのBOE(イングランド銀行)とECB(欧州中央銀行)の金融政策発表でした。BOEが政策金利を0.25%引き下げて5.00%、そしてECBは現行の4.00%に据え置きです。
BOEは声明の中で今年のインフレ率は一段と上昇すると判断している。ただし信用収縮の悪化と金融機関の与信に問題が出てきているとしています。(要は貸し渋りです。専門的な用語ではクレジットラインをカットするということです。)またポンド安は輸出を支えるとしています。私は引き続き利下げの可能性が次回以降あると読みます。そしてポンド安を。
ECBは政策金利据え置きですが、トリシェ総裁がこれまでの主張を繰り返されていますが、ひとつ景気減速の話をされたのは注意しないといけません。従来どおりインフレ率の高止まりのタカ派的政策の継続は変らず、そして為替変動の懸念です。「Excessive volatility of exchange rate.」と。金利高止まりということでユーロが1.59台へ進む。
米国市場に入ると債券市場・短期金融市場に為替動向を読むヒントがありました。例のMBS(資産担保証券)を担保に国債を28日間貸し出す制度 これをTSLF(Treasury Security Lending Facility)と言います。プライマリー・ディーラー(米政府証券公認ディーラー)が借りた国債を担保に資金を最終的に調達できる制度です。10日実施のTSLFで500億ドル(約5兆1000億円)の入札に対してわずか339億5000千万ドル(約3兆4600億円と応札倍率が0.68倍です。と言うことは、主要金融機関は資金繰りに不安感を感じていないと言うことを意味します。また、大手投資銀行ゴールドマン・サックスのCEO(Chief Executive Officer)が信用市場の混乱は始まりというよりは終わりに近いとコメント、モルガン・スタンレーのECOも同様のコメントを発表し、こちらも資金繰り不安を緩和したようです。資金が債券から株式市場に向かったようです。金も現在928ドル(1オンス)と売りに転じています。週間の失業保険申請件数が予想(19,000件減)よりも大幅減少の53,000件とこれもウォール街を含めて活況だったようです。特に短期債の売りが膨らんだところが注目です。イールドスプレッドは変らずとスプレッドディーラーには余り妙味なしです。2月の貿易収支は前月比5.7%増でしたが為替市場はその時点での水準以上にはドル売りには反応しませんでした。信用不安緩和がドル買い戻しの要因です。そして今日のG7(先進7カ国財務相・中央銀行総裁会議)待ちの動きでした。
G7では世界経済がサブプライム問題で混乱し、信用収縮の進行と流動性リスクからくる金融機関の資金繰り状態の当局の監視による金融市場の安定がメインの討議材料となりそうだ。すでに、新聞紙上には共同声明の原案がでており為替についての内容は含まれていません。ただユンケル・ユーロ圏財務相会合議長がユーロ高について議題にすると明言されていましたから、注意しないといけません。また個別の記者会見も要注意です。2月のトリシェ総裁の記者会見は本当に為替相場動向を読むヒントとなりました。
為替市場は上下に大きく変動しました。ドルが昨日夕方売られましたが、最終的にはG7を控えてポジション調整のドル買い戻しとなったようです。ドル/円は101.00がやはり重要な節目でした。101.00を割ればファンダメンタルズ重視のドル売り。101.00から買われればディレバレッジのドル買い戻しという動きが鮮明です。こうした場面を経験することが重要です。例えば101.00がギブン(given 買いのプライスがヒットされ売られることです。)されたら次のビッド例えば100.99をたたいてドル売りポジションを作り、100.50あたりで利食う。反対に101.00がテイクン(taken 売りのレートを買いたたくこと。)されたら次のオファー(offer)をたたいて、例えば101.01を買う。そして101.50で利食う、といったスタンスです。これは積極的なトレーディング方法です。現状101.00と103.50のレンジ取引です。ユーロ/ドルも最高値を目指しましたが、最終的には戻ってきて私が重視する1.5700近くまで戻しています。1.5700が監視レベルでこれもG7次第の動きかと思います。ポンド/ドルも最終的にこれも私が注目する1.9700近くまできて、昨日の私のレポート近くに来ており、安心しました。オージー(豪ドル)/ドルは安心レンジの0.9100~0.9600です。0.9600方向を読みます。
解説:ディレバレッジ:レバレッジの反対です。リスク許容度を資金調達の多様化で高めることをレバレッジと言います。その反対の動きつまりリスクをもう取らなくそして、ポジションを解消することとなります。
それでは今日も仲良く為替相場と対話しましょう。
上記見通しは、見解に過ぎず、相場展開を保証するものではありません。最終的な投資決定は、投資家ご自身の判断で行われますようお願いします。
お疲れ様です。
ドル/円ではファンダメンタルズがディレバレッジに押され気味の展開ですが、101.00を割りました。バリア系のオプションがあるらしいとの話です。101.00~103.00内でのレンジの勝負で、もしもどちらかへ振れれば損切りというオプション取引です。必死に101.00を割らないようにドルを買いまくっていたようですが。これでひとつのポジションが消えたわけです。
今朝方2月の日本の貿易収支と経常収支が発表されましたが、相場には反応なしの様相です。昔は日本の貿易収支も米国の貿易収支もスリリングな時間を過ごしたのですが、今は昔です。そしてオーストラリアの3月の雇用統計は発表となりこちらは為替に反応しました。失業率は4.1%と前月の4.0%から悪化しました。しかし新規雇用者数が14,800人と市場予想よりも良い数字のようでした。オージー(豪ドル)ブル(強気に反応しました。)投資人気が衰えない希望の通貨です。
モーニングレポートでIMF(国際通貨基金)報告書について若干コメントしましたが詳しい内容を調べるためにIMFのホームページに入って調べてみました。いろいろと面白い事実が分りこれは為替相場を読む上での宝庫でした。確かに2009年度のドイツのGDP(国内総生産)は1.0%予想でした。そして面白いデータとして2009年のCPI(消費者物価指数)と失業率の予想が出ていてこれは本当に興味深いです。そしてもちろん米国の数字も出ています。まずはドイツの数字ですが、CPIは1.6% ユーロ圏全体では1.9%です。見事にユーロ圏の目標インフレ率の2.0%前後に収まっています。スペインも3.0%予想です。そしてテキストを読んでみましたら、これも本当にお宝に遭遇です。「(ユーロ圏は)2009年にはインフレ率が2%を下回ると予測され、(経済)活動がネガティブな見通しが増す内容の中で、ECB(欧州中央銀行)は金融スタンスを幾分緩和的に出来る余裕がうまれる。」原文では「However, given that headline inflation is projected to moderate back below 2 percent during 2009, in the context of an increasing negative outlook for activity, the ECB can afford some easing of the policy stance.」明確に利下げの予測が出ています。これは重要なヒントです。またポンドについても引き続き緩和の金融政策がとられると明確に出ています。ある時点でユーロ高が必然的に是正されると読みます。しかしいつかはまだ分りません。米国の数字を見てみました。2009年のCPI予測2.0% そして失業率6.3%予測です。3月の失業率が5.1%でしたから、えらい高い悪くなる予測です。原文でじっくり読みたい方はIMFのホームページhttp://www.imf.org/external/pubs/ft/survey/so/2008/
RES040908A.htm
に入り、Read Report のコーナーに入ってください。全体のデータは66ページ、ユーロ圏の分析テキストは77ページに論ざれています。
今晩は重大イベントが控えています。まず日本時間午後8時にBOE(イングランド銀行)の政策決定委員会での政策金利について発表があります。現行5.25%から0.25%利下げの予想です。場合によっては0.50%の利下げもあるかもしれません。ポンド下落要因。前回の議事録に明確に書かれており、間接的にキング総裁、ビーン委員がヒントを市場に送っていました。1.9700が重要な節目です。1.9350~1.9700あたりに収まるのではと読みます。ドルの要因で現在は1.97台ミドルですが。ECB(欧州中央銀行)は定例理事会も行います。現行4.0%の政策金利は据え置きよそうです。日本時間午後9時半くらいにトリシェ総裁が記者会見をします。これは要注意です。ユーロ高に対する見解に注目です。ドル安方向でのユーロ/ドルは1.58台ですが、これも記者会見次第の動きかと思います。ユンケル・ユーロ圏財務相会合議長が米国入りされており、ブッシュ大統領と会見されました。「世界経済の成長にとって為替の過度の変動は好ましくない。G7では金融市場に対する懸念が示めされるであろう。」と語られ、トリシェ総裁の露払い的な動きをされています。G7にも注目です。オージーは変らない見解です。オージー(豪ドル)/ドルは0.9100~0.9600のレンジで0.9600方向と読みます。
さてドル/円はどうでしょう。ファンダメンタルズがディレバレッジに勝っているようです。素直に為替相場と対話しないといけないですね。101.00は重要な節目です。101.00の下はファンダメンタルズの領域、101.00以上はディレバレッジが支配しているのではとの印象です。中立に見て対応しましょう。
英語の格言ですが、「When in doubt, get out.」疑問に思ったらまずは逃げることです。
それでは Have a nice afternoon!
上記見通しは、見解に過ぎず、相場展開を保証するものではありません。最終的な投資決定は、投資家ご自身の判断で行われますようお願いします。
おはようございます。
ドルが相対的に売られているようです。IMF(国際通貨基金)が発表した2008年の世界経済見通しで米国は0.5%成長との報告が出されました。今年前半はマイナス成長予測が固まってきているので、まずは予想通りかとは思うのですが、金融市場・為替市場は理由付けをほしがっています。分りきったことですが、何か数字が出るとそれで動くのが金融市場です。往々にしてポジション調整の場面が多いとこれは私の経験です。IMF報告書で私がぎょっとした数字はドイツの2009年の成長率です。ミスプリントかと思いましたが、確かに1.0%ですね。今年予想の1.4%から大幅下落です。フランスも1.2%とこちらも若干減速気味。日本の2009年は1.5%と2008年の1.4%から上昇です。低金利政策が効果を発揮するということでしょうか。経済と政治は分離して考えたほうがよいのでしょうか。ということで、ユーロ圏最大の経済国であるドイツの景気後退の可能性があるということです。これはIMFの分析内容を調べてみる価値はあると思います。今年後半にECB(欧州中央銀行)が金融スタンスをタカ派からハト派に変ってくるかもしれませんので注意しましょう。現状ではユーロ圏のインフレ率3.5%に対して、目標インフレ率が2.0%ですから、到底利下げなどはありえません。
昨晩何があったか振り返りましょう。まずは英国。2月の鉱工業生産(+0.3%前月比)、2月の製造業生産(+0.4%前月比)と市場予想よりも高かったことからポンドも買戻しが進んだようです。しかしこれは交通事故みたいなもので、大きな流れのポンド安方向は変っていません。今日のBOE(イングランド銀行)の政策決定委員会に注目です。0.25%の利上げが予想されます。(現行5.25%) ユーロ圏の第4四半期GDP(域内総生産)確定値は+0.4%(前期比)と前回の改定値と同じで反応なしの過去の数字ですから市場は無視。米国では2月の卸売在庫が発表されましたが、+1.1%(前月比)とこれはIMF報告書や昨日発表のFOMC(米連邦公開市場委員会)の内容をしっかり読んだ市場参加者からのドル売りで、無視された形です。バーナンキFRB(米連邦準備理事会)議長の講演があるはずですが、まだ内容が出ていませんので気になるところですが。
金融市場をみると金が現在933ドル(1オンス)で取引と一見ドル安の安全志向・逃避先とのイメージが出るところですが、これは米国内の原油在庫が大幅減少というとこで原油価格が史上最高値(WTI:112.21ドル(1バーレル))をつけたことによります。債券市場をみると短期債が買われています。これも一時的な資金の逃避とも見えます。したがって10年債と2年債のスプレッドが私の計算では171bps(basis points)と拡大しつつあります。これはイールドカーブのステーブニングの兆候と言えます。米ファンダメンタルズを嫌気した資金の安全志向が出ていると思われます。(2月6日付け特別レポート:イールドカーブのスティプニング参照ください。)
ユーロ/ドルでは両通貨の金利差拡大をむりやり理由付けしたような為替相場でした。重要な節目の1.5700を上回ってきていますので敬意をひょうしないといけないようです。今日のECB(欧州中央銀行)の定例理事会ではタカ派が強く、インフレ懸念抑制が最重要課題として金利据え置き(現行4.0%)の予想です。いつものことながら理事会後の記者会見の内容は注視しましょう。1.5700~1.6000のレンジの動きではと思います。ドル/円はユーロ/ドルのユーロ買いトレンドからの影響からか若干ドル売りが進んでいるようですが、私の重視する101.00までは至っていません。101.00~103.50のレンジでポジション調整の範囲内で大きな仕掛けはないと思います。ポンド/ドルは一見昨日の良い経済指標でポンド買いが進んで重要な節目1.9700を上回ってきていますが、大きく突き進む勢いはありません。今日のBOEの政策金利発表そしてポンド下落リスクの話からして1.9700を再び割ってきて1.9350方向と読みます。オージー(豪ドル)の見方は全く変っていません。
BOEとECBの各重要会合についてはイーブニングレポートでも取り上げます。
余談:本当に美味しい食べ物がないロンドン(英国)のエビソード:ロンドンに2週間程出張しました。セミナー参加が目的ですが、最初の日のランチはロンドンの知り合いのディーラーのご馳走です。どこに連れてゆかれるのかなと思ったらセント・ポール大聖堂近くのインドレストランです。流石大英帝国の旧植民地でインドレストランが多くありました。美味しく頂きました。夜誘われました。パブにです。つまみがありません。延々とワンバインのジョッキでどんどんと飲みます。私も日本では強いほうだと思っていましたが、こちらでは土俵が違いました。私は3杯でもうふらふら。先に帰ると言ってロンドン名物の箱型タクシーを捕まえて帰りました。翌日からは別のディーラーがお誘い。どこに昨日行ったのかと聞かれてパブでビール飲んだと答えました。そこで美味しい店に連れてゆくといわれて行った所が今度は中華料理店です。こちらは日本で慣れ親しんだ味でちょっとほっとしました。その翌日は誘いを断って寿司屋で美味しくもない寿司で日本の味を賞味する。ある日ロンドン駐在で以前親しかった債券ディーラーの日本人女性に誘われて老舗デパートのハロッズ近くのイタリアレストランにご招待です。ここのイタリア料理が2週間の滞在で一番上手い夕食でした。パスタと魚料理そして美味しいワインに最後はデザートとやはり日本人女性の味覚は素晴らしいと感激して帰りました。2週間目に入りそろそろセミナーも終了モードとなりました。全員(世界中から30名程集められました。)で夕食会です。美味しい英国料理が食べられかなと思ったらタイ料理と中国料理が交じったわけの分らない料理です。美味いと思って食べるしかない。その後は例によってパブで飲み直しです。残すところ2日。最も親しい地元ディーラーに私は告げました。「2週間ロンドンにいますが、美味しい英国料理を全く食べていません。」と告白する。すると彼は分ったと言って私をタクシーに乗せ、とあるレストランに連れてゆかれました。ロンドンブリッジを渡ったテムズ川のほとりの眺めが最高のレストランです。何が名物かと尋ねたら「キドニーパイ(kidney pie)」え~!私臓物料理好きではありません。断ってステーキにしました。でもそのステーキはまずまずでした。このディーラーが日本に出張した際に「木曽路」のしゃぶしゃぶに連れてゆきましたら、これほど上手い牛肉は俺の人生で食べたことがないと言われ5皿も追加注文してしまいました。日本の牛肉は世界最高です。結論としてロンドンには美味しい食べ物がありません。だれかこれはお薦めがありましたら教えてください!ローストビーフは東京會舘が最高です。ポンドが注目ですのでつい愚痴が出ました。
それでは今日も為替相場と仲良く対話しましょう。
上記見通しは、見解に過ぎず、相場展開を保証するものではありません。最終的な投資決定は、投資家ご自身の判断で行われますようお願いします。
お疲れ様です。
静かな金融市場ですね。兜町は冴えなく、金は910ドル(1オンス)と下落方向にあります。
ニュージーランド準備銀行(RBNZ)から今朝メールが入りました。読むとボラード総裁がニュージーランド経済を総括されていました。経済が鈍化しており、労働市場がタイトになってきているとのことです。インフレ圧力は高いので、金融政策は引き締め気味にあるとのこと。住宅市場が弱く、ニュージーランド高が輸出を鈍化させる、夏の干ばつが酪農と食肉市場を直撃したとのことです。世界経済が低迷する中で、ニュージーランドはアジアとオーストラリアの強い成長に引っ張られているとしています。そして現在の状況は循環的な調整局面と理解しているとのことです。そして最後に面白い表現です。今回の経済成長鈍化は取るに足らない、つまり楽観的に見て良いとの表現です。それでは、「Because we have been so strong so long, some people have forgotten what a slow economy means.」我々は力強くしかもそんなにも長く経済成長を続けました。そしてある人は経済が鈍化するとの意味を忘れてしまいました。ほんとユーモアたっぷりの表現です。キューウィー(ニュージーランドドル)はそんなに悲観的に見なくても良さそうですね。
日本銀行で金融政策決定会合が開催されているのに、国会では白川総裁候補は同意、渡辺副総裁候補は不同意となんとも不思議な国の様相です。金融政策決定会合どうなってるの?現行の0.5%の政策金利は据え置きのようですが。今日発表された日銀月報によると足元・先行きとも景気を下方修正しました。これまでの「拡大」との表現は削除と日本の景気減速感が強まっています。政治も混迷で早く金融舵取りの正副キャプテンを決めて迅速にこの難局を乗り越えないといけないのに。やはり潜在的な円売りとなることとなるでしょう。あきれて物の言えないですね。バーナンキ議長やトリシェ総裁は昼夜、日曜出勤で頑張っておられるのに。
ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)に米国がクレジット市場に対して、新たな緊急対策を検討しているとの記事が出ています。最初だけ読んだのですが、まだ全体像がつかめません。信用収縮緩和の対策のようですから、これもドルブル(ドル買い)材料となりそうです。
今日はユンケル・ユーロ圏財務相会合議長がブッシュ大統領に一言物言う日です。ユーロ高牽制と米国にドル安是正の圧力をかける発言があるかもしれませんね。トリシェECB(欧州中央銀行)総裁とキングBOE(イングランド銀行)総裁は明日の重要会議を控えていますから、まずは露払いで先に米国に出かけられたようです。
ポンド/ドルについてテクニカル分析をしてみました。ファンダメンタルズは前回の政策決定委員会の議事録の内容、キング総裁、ビーン委員の発言からして、ポンドの下落リスクと利下げの観測です。そして昨日は悪い経済指標が出ました。日本時間午後5時30分に英国の2月の鉱工業生産(予想+0.1%)と2月の製造業生産(予想フラット)が発表されます。英経済が悪い方向に向かっているようです。それではテクニカル分析を。大きなところを最初見てみました。エリオットウエイブ(Elliott Wave)という手法があります。簡単に説明すると相場のひとサイクルは5つの上昇トレンドを形成する波と3つの下落を示す波からなり、上昇する山が3つ形成され、3つ目の山が天井となり、次の山は下降を意味する山となり、これでサイクルが一巡するということになります。月足でみると2001年6月から始まった1.45からの上昇波動で現在は3つ目の山で山の頂上が2.10近辺ということで現在は下落方向と読むと、まずは2005年1月近辺の1.90あたりを目指し、その後最後の小山を形成するのではと読めます。これはガンスクエアの重要な節目の1.90と符合します。移動平均線で見てみましょう。週足で見ると9週線が1.9870、21週線が1.9910とデッドクロスを示しそうです。デッドクロスは売りサインです。月足で見てみましょう。9カ月線が2.0120、21カ月線が1.9825とこちらも近くデッドクロスを示しそうです。ということでポンド/ドルはテクニカル的に見ても下落方向のようです。直近では1.9700と1.9000の中間点の1.9350近辺あたりが目標となるのではと読みます。しかし、これは1.9700がレジスタンス(抵抗線)となるのが前提条件ですから、なんかの拍子に1.9700を上回っていったら再考となります。明日の金融決定会合では0.25%の利下げが予想されます。現在は5.25%です。クロス円についても、ポンドショート(売り持ち)のほうが、ワークすると読みます。
今晩のその他予定は欧州時間ではユーロ圏の第四4四半期のGDPの改定値の発表です。前回の+0.4%(前期比)と大して変らなく、しかも去年の数字ですから、相場への影響は少ないと思います。問題は米国時間帯に行われるバーナンキFRB(米連邦準備理事会)議長の講演があります。学者肌からして昨今の発言でドルが売られ、金融市場を混乱させる可能性がありますから注意が必要です。過去の教訓を活かされれば金融市場は動かなく、明日のBOE, ECBの金融政策会合の結果待ちの金曜日のG7(先進7カ国財務相・中央銀行総裁会議)へと進むことになりそうです。白川新総裁は何とか間に合いそうですね。
その他通貨についてはモーニングレポートと同じですので参照してください。
それでは Have a nice afternoon!
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FOMC(米連邦公開市場委員会)議事録(3月18日)の内容を重要な部分要約しました。
経済活動は全般的にここ数ヶ月落ち込んでいる。
世界的に第4四半期のGDP(国内総生産)の伸びの落ち込みが見られる。日本が先進国の中で例外的に強いGDPの伸びを示している。高い国内支出と輸出の伸びが支えている。但し、対米での輸出は落ちている。
TSLF(Treasury Security Lending Facility)とTAF(Treasury Auction Facility)での十分な資金供給を実施した。そしてベアースターズのJPMorganとの救済。
FRB(米連邦準備理事会)の調査によるGDPは年後半も緩やかな伸びにとどまり、2009年には回復する。最近の財政による景気刺激策により年後半での回復が期待されたが、2009年にずれ込む見通しである。
金融市場の脆弱性と信用収縮、原油などの商品価格の上昇、そして住宅部門の落ち込みから、経済活動の鈍化と直近でのインフレ状況が悪化させている。
FOMC参加者の多くが2008年前半での経済活動の収縮が起こることは明らかであると考えた。「Many participants thought some contraction in economic activity in the first half of 2008 now appeared likely.」注:年前半のマイナス成長示唆表現です。
年後半には金融緩和と財政刺激策によって回復が始まると期待する。参加者の一部には住宅価格の下落と金融市場のストレスにより経済がもっと深刻になり、悪化した状況になると指摘する。
FRBは多様な資金供給策を打ち出している。信用収縮による経済活動の落ち込みについての議論がされた。ある参加者からは。資産価値の下落、信用損失、脆弱な金融市場が引き続き起こり、信用市場及び経済活動を圧迫する。住宅市場の悪化が続き、住宅価格の低下が経済を見通すうえで一番の不安定な要素となっている。
ビジネスの支出は弱い。但し、穀物価格の上昇で農業機械への投資は強い。
ドル安の恩恵で輸出の伸びが続く。
最近のインフレデータには失望している。世界的需要で農産物の価格が上昇している。そしてドル安、原油高そして商品高が。
金融政策について:1月のFOMC以降も経済活動の見通しはかなり弱体化している。そして経済活動の下落リスクが高まっている。低位の短期金利が経済活動を浮揚し、市場の緊張材料を改善する。大半の参加者は全体的なインフレは今後四半期ベースではなだらかなものとなるものとみている。それはエネルギー価格と商品価格の水準訂正と設備稼働に低下の圧力がかかってくるからである。今回のFOMCでの0.75%の利下げ決定は、経済の鈍化、インフレ圧力、金融市場の混沌化の中では適切であると判断した。
声明に経済活動の更なる弱体化があることを明記することで合意した。インフレ率は上昇しているがなだらかになるとの見通しから、委員会は持続的な経済成長と物価安定の二つの目的を遂行するために、適時必要な策をとることで合意した。「The Committee agreed on the need to act in a timely manner to promote its dual objectives of sustainable economic growth and price stability.」
フィッシャー(Fisher)ダラス連銀総裁とプロッサー(Plosser)フィラデルフィア連銀総裁は今回の議決に反対した。理由はインフレ率が上昇していることからして、緩和(利下げ)のスピードを押えたほうが良いと考えるから。注:今後もこの二人の委員の発言は注意
コンファレンスコールが3月10日に行われ差し迫った資金繰り策について協議した。TSLFの実施を決定した。
私からのコメント:二人の委員からインフレ圧力が高まっているとして0.75%の利下げに反対されました。ただし、インフレ圧力はなだらかになるとのことで、今後のなだらかな景気刺激の利下げは了解されそうと思われます。2008年前半のマイナス成長が明示されてきており、これを金融市場はどのようにプライスに織り込んでゆくかが焦点となります。昨今の為替の戻しを読むと個人的にはだんだん織り込まれてきているのではとの印象を持ちます。
もっと詳しく読みたい方は、http://www.federalreserve.gov/monetarypolicy/fomc.htm
に入って、minutes部分をクリックし、March 18 のminutesをクリックしてください。
TSLFの内容紹介が最後の部分にありますから、参考になると思います。
それでは今後の為替相場の参考としてください。
上記見通しは、見解に過ぎず、相場展開を保証するものではありません。最終的な投資決定は、投資家ご自身の判断で行われますようお願いします。
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国際金融市場をやさしく解説して、為替の世界のおもしろさを皆さんに広めたいと意気込んでいます。