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上記見通しは、見解に過ぎず、相場展開を保証するものではありません。最終的な投資決定は、投資家ご自身の判断で行われますようお願いします。
おはようございます。
昨晩の為替相場をみていると対ドルでのすべての通貨で上下100ポイントくらいの動きでそして最終的にその変動幅の中間の位置に戻ってきてしまいます。旗振り役とか先導役がいない状態です。ヘッジファンドも監視の目が今後強くなるのか動きづらくなりそうな分陰気もあります。
中国株が下落しています。最高値から50%弱の下落とのことです。そこで用語としてディカップリング(decoupling 非連動)なのかリカップリング(recoupling 再連動)かが論議の的となります。ドルの方向性にも材料を提供することとなりそうだ。私はリカップリングに反応するのではと思うにですが。株式が下落すると言うことはバランスシート上の負債サイド(資金調達サイドと思えばよい。)の資本の部門が株式下落によって圧縮されると言うことです。ということはその資本を利用して設備投資とか、営業活動拡大といったそもそもの計画を圧縮せざるをえないということです。これは100%自由主義資本経済ではない中国と言えど、中期的には影響が出てくるのではと思います。リカップリング派の私としては、世界株式への相対的な低迷要因の提供と、世界の工場としての地位は保つものの対米貿易に影響がでてくるのではと思います。
それと今日から日本経済新聞の金融面が刷新されましたが、外国為替部門が随分圧縮され、低迷する株式市場が張り出してきている印象です。金利と商品先物が並んでわかりやすくなりました。これは好印象です。商品の中に金相場が入っていないのは残念です。金、原油、為替、金利は常に為替にタッチするものとしては見ないといけない部門です。それと、Jパワー株に対する日本政府の規制論議は面白かったですね。海外では国防関連では規制があるが、電力分野では網はかからない、ましてや20%くらいのシェアーでは。羽田空港会社の問題といい、日本政府には柔軟性が欠けているような気がします。構造改革を進めることが全世界で求められていることを認識してほしい。日本買いとはならないですね。
昨晩は欧州の経済指標は概ね予想通り。米国ではワコビアの資本増強の話と予想より良かった2月の小売売上高(+0.2%前月比)で上下しましたが変動幅の中間点に軟着陸です。相場観がないということです。米債券市場では2年債と10年債とのスプレッドが175bpsと広がりつつあります。長い債券が売られてリスク志向商品に向かうステープニング方向ですが、株式市場はワコビアと前週のGEショックからは立ち直っていません。為替市場だけ騒いでも動きません。
為替市場を見てみましょう。ECB(欧州中央銀行)メンバーのメルシュ(Yves Mersch)ルクセンブルグ中央銀行総裁が、今年中の利下げの余地はないとの見解を示されました。そしてその後のニュアンスがメディアによって違います。あるメディアはインフレ率が上方修正される可能性があるとの報道があるのですが本当かなと疑問符。「with inflation likely breach the bank’s 2 percent preferred limit in 2009.」との表現がありましたから、IMF報告書から総合するとインフレ率は落ち着いてくると解釈したほうが良さそうだ。誤った報道をするメディアは退場ですね。メルケル独首相がドルに対するユーロ相場上昇はやや頭痛の種だとの発言がありました。ユーロの上昇に対しては、警戒を強めたほうが良さそうだ。ユーロ/ドルの最高値が1.5910だから、やはり1.6000以上での実弾介入があるかどうかといったところです。私はG7での声明内容は尊重すべきだと思います。ヘッジファンドもディレバレッジを進めざるを得ない状況で、一度市場がユーロ高を試して、そしてドルの買い戻し理由をつける方向を読めばシナリオが出来上がるのですが。現状は誰もついて来ません。
ドル/円はまたしてもファンダメンタルズとディレバレッジの分水嶺101.00に落着いています。土俵で両者睨み合っている状況です。どちらに振れてもおかしくありません。短期売買目的であれば30~50銭狙いの短期トレーディングに徹するべきであると思います。ユーロ/ドルは1.5700~1.6000のレンジに入っています。米欧の金利差拡大観測で上値トライ方向のようです。ポンド/ドルは1.9700を注視で、割ればポンド下落スピードが増すものと予想するのですが、動きが鈍すぎます。現在は一番解りやすいオージー(豪ドル)/ドルでのロングポジション(買い持ち)が一番安心できるようです。昨日も悪い経済指標が出ても結果的に0.92台前半ではオージー買いが入っています。見える通貨で頑張りましょう。そして休むも相場です。
解説:カスタマーディーラーとインターバンクディーラー
相対的に両者は仲が悪い。カスタマーディーラーはそれぞれ受け持ちの顧客に対して情報提供することで取引を行い顧客から手数料を受け取るのが業務です。どうしても顧客側に立って物事を考えます。反対にインターバンクディーラーは日中それぞれの判断でポジションを取り収益をあげるように努力します。そんな最中に突然カスタマーディーラーからの対顧客向けのプライス要求があります。その場合は市場のベストプライスを出すのが原則です。ただし顧客が自動車さんであった場合にはドル売りと分ります。もしも自己ポジションがありドルショートであれば少し右にプライスをずらして顧客に市場レートよりも良い数字が出せます。でもそんなにインターバンクディーラーはお人好しではありません。とんでもない大きな玉を当てられた沈没してしまうこともあります。でもほとんども場合顧客は玉の大きさをあらかじめ言う場合がほとんどです。インターバンクディーラーは顧客玉で必ずしも儲けられるとはかぎりませんから、カスタマーディーラーとは仲が悪いのです。何か事が起こるとディーリングルームの総責任者から呼び出しを受けるのですが、だいたいインターバンクの方に責任を押し付けられる場合が多い。またポジションを専門に取る部隊がおり、これをポジションテイカー(position taker)とはプロプライエタリートレーダー(proprietary trader)と呼ばれています。独自の相場観でポジションを取って収益をあげる部隊です。ディーリングルームの人間関係は皆さん想像するよりも本当に複雑です。
それでは今日も為替相場と仲良く対話しましょう。
上記見通しは、見解に過ぎず、相場展開を保証するものではありません。最終的な投資決定は、投資家ご自身の判断で行われますようお願いします。
お疲れ様です。
重大イベントの後の東京市場の典型的な動きとなりました。誰も相場の主導権を取ろうとせず、実需市場となっています。本格的な為替相場観に基づいた取引は欧州市場、米国市場で始まります。
オーストラリアの2月の住宅ローンについての統計が発表されました。マイナス5.9%(前月比)と市場予想のプラス0.5%とは全く反対の極めて悪い数字が出たためにオージー(豪ドル)が売られました。オージー(豪ドル)/ドルで0.9210近辺まで下落しましたが、やはりと言うか他の先進諸国と比べればまだ良いファンダメンタルズで高金利の通貨として魅力があるようで、下で拾う投資家がいるようです。0.92台は維持されています。下のサポート(支持線)は0.9100ですから、まだまだ余裕です。シカゴの数字から分るとおり、ここ1週間で一番ロング(買い持ち)が増えた通貨です。0.9600あたりが目標です。
米金融機関の決算発表が相次ぐ中、米金融機関大手のワコビア(Wachovia)が60~70億ドル(約6,000億円~7,000億円)の資本増強を発表しました。理由はやはり第1四半期決算での損失計上のようです。資本増強の出し手としてはファンド筋とのことですが、高い投資利回りを要求されることでしょう。2月にシティなどが政府系ファンドから増資の資本を受け入れましたが、利回りは15%との噂でした。控えめな本邦みずほフィナンシャルは11%との噂。どこも大変な負担覚悟での資本増強のようだ。将来の銀行経営を圧迫しないかと半分心配になります。ワコビアについては私は個人的に不動産ファンドの関係で内情を知っていた関係で、かなりリスクの高い部門での投資も積極姿勢を示していたので、結果的にそうした積極姿勢が審査を甘くしてしまい、最終的に損失計上となってしまったのではと想像します。後発組のサガのような気がします。
G7について追記しますが、金融安定化フォーラム(FSF Financial Stability Forum)の内容をみますと、市場原理型から金融機関への規制と監督の強化に今後重点を置かれるとのことです。100日以内の実施策には特に目立ったものはないのですが、2008年度中に実施の項目は注目です。監督当局が金融機関ごとに監視組織を折衷ということは、例えば、日銀もしくは金融庁がみずほフィナンシャル内に常駐のスタッフを置いて、常に取引を監視したり、新しい金融商品投資に対しては企画部とかコンプライアンス部の意見を同時的にモニターするということでしょうか。米国金融機関で言えば、融資先がヘッジファンドであったりするから、何かと自由度を阻害されそうだ。また一般の債券とその他複雑な金融商品との格付けの違いを設けるとの話ですが、裏を返せば、同じ例えばシングルA格付けの不動産関連投資債券と一般社債が同様に扱われていたとはあきれてしまいます。どうも数学が得意な人たちに審査基準を任せてしまうと数字自体の判断から同等になってしまうのですね。不動産投資と社債と見ればリスクの違いは一目なのですが。結論として、足かせされた金融機関から資金を調達しているファンド筋にはやっかいな状況になりそうです。ということで今後のファンド筋の動き方に微妙に影響が出てくるかもしれません。ディレバレッジが続く可能性が高いと思います。
為替市場に戻りましょう。兜町はウォール街のGEショックを受け継いで大幅下落です。そして金は現在921ドルの取引で上昇気味です。フランスのラザルデ(Lagarde)大蔵相が、協調しての文言はドルの下落を寄り戻す助けとなろうと語っています。これまで発言されない政府高官の発言には注意しないといけません。ユーロ高への不快感を示唆されたものと解釈してよいのでしょう。欧州金融当局者の思惑通りG7声明ではユーロ/ドルが一番標的にされそうです。1.57台には戻りましたが、再び1.5700を割る方向に動くのではと思うのですが。今週は米国の金融機関の業績発表、経済市場が発表と米ファンダメンタルズを見ながらの動きですが、悪い数字が出たからといって素直に大幅なドル売りとはならないと思います。ドル/円も注目の101.00を割ってきています。101.00を私はファンダメンタルズとディレバレッジの分水嶺と思っています。ただしG7に敬意を表して直ぐに100円割れをトライするとは思えません。割るとすれば「円キャリートレード」の損切りです。101.00より上はディレバレッジの世界です。シカゴの数字を見ても利食い・損切りでポジションが少なくなってきています。ドル/円は現在はどちらに振られてもおかしくなく見えない通貨です。その意味で見えるのはポンドとオージー(豪ドル)は見えてきていると読みます。皆さん見える通貨でのポジション取りに専念しましょう。
解説:ディレバレッジ:レバレッジの反対です。リスク許容度を資金調達の多様化で高めることをレバレッジと言います。その反対の動き つまりリスクをもうとることなく、ポジションを解消する動きを指します。
それでは Have a nice afternoon!
上記見通しは、見解に過ぎず、相場展開を保証するものではありません。最終的な投資決定は、投資家ご自身の判断で行われますようお願いします。
おはようございます。
先週金曜日にG7(先進7カ国財務相・中央銀行総裁会議)が行なわれました。主要議題は混乱する金融市場の安定ですが、為替市場についても注目の内容でした。4年ぶりに内容が変更されました。「前回の会議以来、主要通貨において時として急激な変動があり、われわれはこれらが経済および金融の安定に与える影響を懸念している。」との文言が入っています。懸念表明は2000年9月以来です。原文では「Since our last meeting, there have been at times sharp fluctuations in major currencies, and we are concerned about their possible implication for economic and financial stability.」となっています。額賀財務長官はG7での為替についての言及を示唆されていました。また欧州からはユンケル・ユーロ圏財務相会合議長が事前にワシントンに乗り込みブッシュ大統領と会見、そしてトリシェECB(欧州中央銀行)が為替の変動についての懸念を表明していました。そんな圧力が今回の声明文に新たな為替変動の懸念明記となったようです。ポールソン米財務長官が強いドル望むとのコメントが出ました。欧州からはユンケル氏が通貨の最近の動向を好まず。アルムニア欧州委員会委員は、ユーロは過大評価されていると。金利関係では、ウェーバー・ドイツ連銀総裁が、ECBは利下げの余地はない。ユーロ圏インフレは2008年通して上昇する。しかし年末には3%割れを予想すると。(IMF報告と整合性があります。)また為替関連では人民元の上昇について早いペースでの増価を促すとする文言がこれまで通り入っています。これは貿易黒字国への間接的なプレッシャーとなりますから、同じアジアの通貨円の円高要因緩和とは簡単にゆきません。
それではこれから為替相場はどのように動くのでしょうか。私はひとつの一連のドル売り要因が緩和してきているのではと思います。それは信用収縮問題です。今回のG7では各国の金融当局が協調して金融機関の監督を強化する方向に動いています。一つの要因緩和方向とポジティブに解釈しても良いのではと思うのですが。確かに金融機関とファンド筋の損失は全く確定していません。しかしそれに網を掛けようとの努力は評価すべきではないのでしょうか。そうすると残るのは米ファンダメンタルズとそれに対する国々のファンダメンタルズをどのように比較評価するということです。米国前半の2四半期はマイナス成長と予想されます。ただ、前回の議事録でインフレ懸念により急激な利下げに2人のメンバーが反対していました。利下げ幅をこれから急激に下げるスタンスは弱まるのではないのでしょうか。これまではファンダメンタルズの悪化というよりは信用収縮から発した資金繰り悪化を緩和するために大幅に利下げが行なわれました。ドル安によりインフレが助長されています。
米国については前述の通りですが、日本はどうでしょうか。やっと日銀総裁が決まりました。しかしガソリン税と道路特定財源の問題、福田内閣の決断力のなさ、小沢民主党の政権奪取目的の法案徹底拒否が続き政治不信が続きます。そして経済自体も日銀短観から分かるとおり落ち込んでいます。円売り状況ではありませんか。米国のファンダメンタルズ悪さに助けられています。2期連続のマイナス成長後の回復兆しが出てくるとドルの反転が本格的に始まります。しかしまだその時期は確認されません。米ファンダメンタルズの悪さからドルのセリングクライマックスがあってもドル/円で95円程度ではないのでしょうか。ファンド筋の最近の懐具合からして大きく仕掛ける余力があるかと言えばちょっと疑問です。それはシカゴのポジション具合を見れば分ります。分りやすい通貨に集中し、効率よく利益をあげようとしていることが伺えます。
欧州についてはどうでしょうか。ユーロ圏のインフレ率は高い。しかし年末にかけて落ちてきます。しかし当面は政策金利4%からは下がりません。金利差拡大からしてユーロに資金が流れるのが自然に思われます。しかし欧州金融当局はG7でユーロ高懸念を明確に声明に盛り込ませたことからして、今後も口先介入などでのユーロ高を牽制するはずです。もう少し我慢・我慢とユーロ圏金融当局は読んでいます。年後半になれば自然にユーロ高が解消されると当局は読んでいると思います。(IMF報告書からヒント)市場参加者が当局を試す局面が来るかもしれません。ユーロ/ドルでの1.6000近辺での実弾介入があるかどうかを見たいものです。ディレバレッジからして1.5700が重要な節目となります。ポンドについてはイングランド銀行のポンド下落リスクと利下げ示唆からして、ポンドは更なる下落が予想されます。1.9700は重要な節目です。1.9700が明確に壁となりレジスタンス(抵抗線)となれば1.9000方向へ向うと読みます。ポンド/ユーロでの下落は続きそうだ。
大きな流れは上述のようではと思うのですが、今日はどうでしょうか。米国株が大幅下落で兜町もお付き合いで下げるでしょう。金は現在920ドル台(1オンス)と先週末のNY終値を下回って取引です。これはディレバレッジを想像させます。ドル/円はディレバレッジとファンダメンタルズの分水嶺となる101.00は重要ですから注意しましょう。どちらかに進むと動きは早いと読みます。ユーロ/ドルは1.5700、ポンド/ドルは1.9700が需要名節目です。オージー(豪ドル)/ドルはシカゴのポジションが一番週間では積みあがっています。更なるオージー高を読んでいるようです。
シカゴ筋(CME)情報:4月8日時点:
円 ネットロング 43,067枚(前週比-9,231枚)、ユーロ ネットロング 29,435枚(+363枚)、ポンド ネットショート 12,560枚(ショートが更に+9,800枚)、スイスフラン ネットロング 917枚(-7964枚)、オージー(豪ドル)ネットロング 51,689枚(+14,721枚)、キューウィー(NZドル)ネットロング 8,372枚(+918枚)
それぞれの通貨かなり上下に振れましたからポジション落としの動きのようです。円については100円以下でのポジションの損切りとディレバレッジが入っているようです。ポンドのショートが着実に増えています。更なるポンド下落を見越しているように思えます。そしてオージーの更なるポジションの増加です。一番見える通貨にヘッジファンドは資金を動かしています。皆さん参考にしましょう。
それでは今週も仲良く為替相場と対話しましょう。
上記見通しは、見解に過ぎず、相場展開を保証するものではありません。最終的な投資決定は、投資家ご自身の判断で行われますようお願いします。
お疲れ様です。
東京時間帯になるとぴたっと止まってしまう為替相場です。昨晩の大波小波の後の実需市場となりました。
今週はずいぶんと各中央銀行の議事録とか、金融政策決定会合の声明文、IMF(国際通貨基金)レポートと英語の資料ばかり読んでいたのではという気分です。来週はベージュブックを読むこととなりそうです。(FOMC(米連邦公開市場委員会)のたたき台となる資料で通常FOMC開催の2週間前に公開されます。)今日もBOE(イングランド銀行)とECB(欧州中央銀行)の声明文を読みました。BOEについては、メディア発表の記事で十分ですが、ECBについてはイントロダクトリー・ステートメント(Introductory Statement)を読んでみましたら、面白い内容でしたので、その部分だけ紹介します。尚、金融決定のステートメントは何と22の異なった言語で載せられています。やはりユーロは凄いですね。英語はenです。
インフレリスクが上昇しており、特に賃金交渉の成り行きに注目しているとのことです。(注:ドイツでは労働組合が強くIGメタルなど強力に経営陣と粘り強く交渉し、かなりの賃上げを成功させています。)ユーロ経済のファンダメンタルズは健全であるが、金融市場の混乱から生じる不確実性が高まっており、その緊張度が予想よりも長引く。ただし物価安定には一番の重点を置く。(次の部分が一番面白い部分でした。)非金融会社への貸出し額が2008年2月現在で14.8%(年率)と伸びている。金融市場の混乱の影響を受けているものの、域内民間部門への銀行貸し出しは過去2年間では年率11%と高い。(注:従って比較的高いGDP(域内総生産)を維持することができるということです。)最後には構造改革の必要性が強調されていました。このあたりはユーロが対ドルで簡単に下がらない根本的な要因と言えると、私は解釈します。ただIMFのレポートを読むと年後半からはちょっと見方を変えないといけないようです。週末もう一度IMFレポートをざっくり読む価値はあるかもしれませんね。約400ページもあります。但し意外と分りやすい英語で書いてあります。
今日のこれからの予定ですが、やはり焦点はG7(先進7カ国財務相・中央銀行総裁会議)です。その前にひとつだけ経済指標に注意です。4月のミシガン大学消費者信頼感指数の速報値が出されます。予想は69.0です。意外と予想外の数字が出ると反応することがありますので注意しましょう。そしてG7。 主たる議題が金融市場安定への監督見直しで、信用収縮に歯止めをかけようとしています。中央銀行間での連携(為替スワップの充実)と中央銀行内での金融機関の監視です。早め早めに手を打って未然に資金繰り悪化の倒産と言った危機から民間金融機関を救おうということです。これは基本的にはドルの安定つまりドル買い要因となります。為替について、額賀財務相が「当然為替の問題について話し合われる。」とのコメントが出ています。ユンケル・ユーロ圏財務相会合議長はわざわざブッシュ大統領ともドル安是正の話をされたかもしれませんし、G7でユーロ高懸念の話をすると明言されています。また定例理事会を終えたトリシェECB総裁も駆けつけ、為替の過度の変動は好ましくないとの見解ですから、声明文に出ないまでも、個別記者会見の場での発言があるかもしれませんので要注意です。2月の東京でのG7でのトリシェ総裁がわざわざ個別にメディアを集めて、インフレ抑制が最重要課題だと主張された場面が私には印象に残っています。この記者会見は本当にその後のユーロ相場を構築する上で影響力のあったものとなりました。トリシェ総裁は市場にヒントを送るのが上手いと私は思っています。
為替相場について話しましょう。まずは兜町。G7で金融機関の透明性を高め市場を安定化される対策がとられるとの期待感からNY株式市場に続き兜町も上昇しました。つられてドルも堅調といったところです。金相場は926ドル台(1オンス)での取引と戻し継続です。ドル/円はディレバレッジ領域です。G7を控え更にポジションを落す動きではと思います。101.00~103.50のレンジです。101.00を割れば米ファンダメンタルズ重視でのドル売りとなります。ユーロ/ドルは1.5700まで行きませんでした。ECBの金利据え置きとインフレ抑制重視の政策に敬意を表した形です。こちらは1.5700~1.6300のレンジでどちらかと言えば、1.5700方向を読みます。ポンド/ドルも私が読んでいる1.9700まではまだありますね。方向的には1.9700を破る方向です。ポンド下落リスクがあると金融当局が認めているのですから。オージー(豪ドル)/ドルは0.9100~0.9600のレンジでバイアスは0.9600と読みます。まだまだオージーへの投資人気は続くと予想します。
長年の知り合いが午後尋ねて来られたのでレポート遅れました。為替市場動いていませんのでご勘弁を。
それでは今週はこのあたりで。良い週末をお迎えください。TGIF
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経済指標のオンパレードの週です。
4月14日(月)英 3月生産者物価指数
ユーロ 2月鉱工業生産
(前月+0.9%前月比)
米☆3月小売売上高
(前月-0.6%前月比)
4月15日(火)英 3月RICS住宅価格
(前月-64.1%)
英☆3月CPI(消費者物価指数)
(前月+2.5%前年比)
独☆4月ZEW景況感調査
(前月-32.0)
米 3月PPI(卸売物価指数)
(前月+0.3%前月比)
コア(除食品+エネルギー)
(前月+0.5%)
米 4月NY州製造業業況指数
(前月-22.2)
4月16日(水)独 3月CPI(消費者物価指数)
(前月+2.8%前年比)
ユーロ☆3月CPI
(前月3.3%)
米☆3月CPI
(前月フラット前月比、+2.3%前年比)
米☆3月住宅着工件数
(前月106.5万件)
米 3月鉱工業生産
(前月-0.5%)
米☆3月設備稼働率
(前月80.9%)
4月17日(木)日 2月鉱工業生産
(前月-1.2%前月比)
ユーロ 2月貿易収支
(前月 107億ユーロ赤字)
米☆3月景気先行指数
(前月-0.3%)
米☆4月フィラデルフィア連銀
製造業指数 前月-17.5)
4月18日(金)独 3月生産者物価指数
(前月+3.8%前年比)
ユーロ 2月建設支出
(前月1.6%前月比)
重要事項には☆をつけました。
用語解説:ZEW景気調査
ZEW(Zentrum fur Europaische Wirtshaftsforschung ドイツの欧州経済センター)は景気判断調査として投資家、経済アナリストに対して向こう6ヶ月の景況感をヒアリングします。中立がゼロで、ゼロよりのプラスであれば、好況、マイナスであれば不況という指針となります。ドイツ経済だけでなく、欧州全体の景況感調査をしています。月の半ばにZEW, 後半にIFO経済研究所(information & Forschungドイツ・ミュンヘン拠点)の調査の数字が出るために、欧州経済の動向についての判断材料となります。
上記見通しは、見解に過ぎず、相場展開を保証するものではありません。最終的な投資決定は、投資家ご自身の判断で行われますようお願いします。
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国際金融市場をやさしく解説して、為替の世界のおもしろさを皆さんに広めたいと意気込んでいます。