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上記見通しは、見解に過ぎず、相場展開を保証するものではありません。最終的な投資決定は、投資家ご自身の判断で行われますようお願いします。
お疲れ様です。
重大イベントの後の東京市場の典型的な動きとなりました。誰も相場の主導権を取ろうとせず、実需市場となっています。本格的な為替相場観に基づいた取引は欧州市場、米国市場で始まります。
オーストラリアの2月の住宅ローンについての統計が発表されました。マイナス5.9%(前月比)と市場予想のプラス0.5%とは全く反対の極めて悪い数字が出たためにオージー(豪ドル)が売られました。オージー(豪ドル)/ドルで0.9210近辺まで下落しましたが、やはりと言うか他の先進諸国と比べればまだ良いファンダメンタルズで高金利の通貨として魅力があるようで、下で拾う投資家がいるようです。0.92台は維持されています。下のサポート(支持線)は0.9100ですから、まだまだ余裕です。シカゴの数字から分るとおり、ここ1週間で一番ロング(買い持ち)が増えた通貨です。0.9600あたりが目標です。
米金融機関の決算発表が相次ぐ中、米金融機関大手のワコビア(Wachovia)が60~70億ドル(約6,000億円~7,000億円)の資本増強を発表しました。理由はやはり第1四半期決算での損失計上のようです。資本増強の出し手としてはファンド筋とのことですが、高い投資利回りを要求されることでしょう。2月にシティなどが政府系ファンドから増資の資本を受け入れましたが、利回りは15%との噂でした。控えめな本邦みずほフィナンシャルは11%との噂。どこも大変な負担覚悟での資本増強のようだ。将来の銀行経営を圧迫しないかと半分心配になります。ワコビアについては私は個人的に不動産ファンドの関係で内情を知っていた関係で、かなりリスクの高い部門での投資も積極姿勢を示していたので、結果的にそうした積極姿勢が審査を甘くしてしまい、最終的に損失計上となってしまったのではと想像します。後発組のサガのような気がします。
G7について追記しますが、金融安定化フォーラム(FSF Financial Stability Forum)の内容をみますと、市場原理型から金融機関への規制と監督の強化に今後重点を置かれるとのことです。100日以内の実施策には特に目立ったものはないのですが、2008年度中に実施の項目は注目です。監督当局が金融機関ごとに監視組織を折衷ということは、例えば、日銀もしくは金融庁がみずほフィナンシャル内に常駐のスタッフを置いて、常に取引を監視したり、新しい金融商品投資に対しては企画部とかコンプライアンス部の意見を同時的にモニターするということでしょうか。米国金融機関で言えば、融資先がヘッジファンドであったりするから、何かと自由度を阻害されそうだ。また一般の債券とその他複雑な金融商品との格付けの違いを設けるとの話ですが、裏を返せば、同じ例えばシングルA格付けの不動産関連投資債券と一般社債が同様に扱われていたとはあきれてしまいます。どうも数学が得意な人たちに審査基準を任せてしまうと数字自体の判断から同等になってしまうのですね。不動産投資と社債と見ればリスクの違いは一目なのですが。結論として、足かせされた金融機関から資金を調達しているファンド筋にはやっかいな状況になりそうです。ということで今後のファンド筋の動き方に微妙に影響が出てくるかもしれません。ディレバレッジが続く可能性が高いと思います。
為替市場に戻りましょう。兜町はウォール街のGEショックを受け継いで大幅下落です。そして金は現在921ドルの取引で上昇気味です。フランスのラザルデ(Lagarde)大蔵相が、協調しての文言はドルの下落を寄り戻す助けとなろうと語っています。これまで発言されない政府高官の発言には注意しないといけません。ユーロ高への不快感を示唆されたものと解釈してよいのでしょう。欧州金融当局者の思惑通りG7声明ではユーロ/ドルが一番標的にされそうです。1.57台には戻りましたが、再び1.5700を割る方向に動くのではと思うのですが。今週は米国の金融機関の業績発表、経済市場が発表と米ファンダメンタルズを見ながらの動きですが、悪い数字が出たからといって素直に大幅なドル売りとはならないと思います。ドル/円も注目の101.00を割ってきています。101.00を私はファンダメンタルズとディレバレッジの分水嶺と思っています。ただしG7に敬意を表して直ぐに100円割れをトライするとは思えません。割るとすれば「円キャリートレード」の損切りです。101.00より上はディレバレッジの世界です。シカゴの数字を見ても利食い・損切りでポジションが少なくなってきています。ドル/円は現在はどちらに振られてもおかしくなく見えない通貨です。その意味で見えるのはポンドとオージー(豪ドル)は見えてきていると読みます。皆さん見える通貨でのポジション取りに専念しましょう。
解説:ディレバレッジ:レバレッジの反対です。リスク許容度を資金調達の多様化で高めることをレバレッジと言います。その反対の動き つまりリスクをもうとることなく、ポジションを解消する動きを指します。
それでは Have a nice afternoon!
上記見通しは、見解に過ぎず、相場展開を保証するものではありません。最終的な投資決定は、投資家ご自身の判断で行われますようお願いします。
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国際金融市場をやさしく解説して、為替の世界のおもしろさを皆さんに広めたいと意気込んでいます。