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上記見通しは、見解に過ぎず、相場展開を保証するものではありません。最終的な投資決定は、投資家ご自身の判断で行われますようお願いします。

お疲れ様です。

 

 

ドルが買い戻されています。ユーロ/ドルでは1.6000手前でファンド筋の利食いが入っているとも聞いているのですが。ドルの買い戻しの理由付けはやはり金利の話からの方が入りやすいようで、いろいろと話が昨日から出てきているようです。ハーバード大学のフェルドスタイン教授から「これ以上の利下げは商品高によるインフレで実質賃金が減るなど悪影響の方が大きい。」との指摘があります。ドルキャリートレードによるバブルはどこかの通貨の二の舞を指摘しているようです。また、ある米コンサルティングレポート(例のワシントン・ベースの会社か?)が出回っているようで、内容としては、FRB(米連邦準備理事会)は利下げのサイクルの終着点として2%を考えている。2%以下はインフレを回避したいとの考えに基づくとしている。スタグフレーション(stagflation不景気とインフレが同時に進行することを指します。)の回避とこれもフェルドスタイン先生の考えと同じです。29/30日のFOMC(米連邦公開市場委員会)での利下げ幅の予測がどんどん縮まってきているような雰囲気です。これはドルの買い戻し材料(対円)となっているようです。ヘッジファンドの思う壺のようです。ドルショート(売り持ち)を利食えるうちに利食いたい。そして記事を色々読んでいたら、私と同じようにもっと日本の円売り材料に注目すべきだと言うエコノミストも出てきているようです。円以外のドルの通貨ペアは反対の国のファンダメンタルズに忠実に反応しています。インフレ率だとか議事録だとか、金融当局の発言に対して。円だけが無視されているのですが、これからはそろそろ円の悪材料にも反応する時期に来ているのではと私も同じです。今日は日本の2月の鉱工業生産が発表されたのですが、前年比で+5.1%と良い数字のようですが、円高には振れず。為替のセオリーとは矛盾しています。それだけ、需給とか米国の要因にドル/円は過剰反応していると言えます。

 

記事として面白いなと思ったのは、前米財務長官ポール・オニール氏の発言です。「Strong dollar is a vacuous notion.(強いドルは空虚な考えである。)」とのことです。さんざん強いドルは米国の利益にかなうと繰り返していた人の発言とは思えません。ポールソン現財務長官も本音で前任者のようなことを腹の底で思われたらこれは恐ろしい。これはバーナンキ氏が学者時代に日本のデフレ不況に対して、ヘリコプターで金ばら撒けば良いとの発言に似ています。

 

 

今晩の予定は昨日ほど重要なものはありません。欧州時間帯では2月のユーロ圏の貿易収支が出ます。前月が107億ユーロの赤字に対して、市場では35億ユーロ前後の赤字を予想しています。ユーロ高による輸出が振るわないようですと、赤字幅が予想よりも増えると思われます。米国時間帯では3月の景気先行指数(予想+0.2%)と4月のフィラデルフィア連銀製造業指数(予想-15.0)が出ます。特にフィラデルフィアの数字に意外と反応するかもしれません。火曜日のNY州の製造業業況指数がマイナス予想のところがプラス予想で金融市場が大きく反応しました。各通貨ペアによって米国のファンダメンタルズの及ぼす比率が違いますから注意が必要です。良い数字に対してはドル/円でのドル買い戻し材料に。悪い数字が出るとユーロ/ドルでのユーロ買いの材料にされてしまうのではと思います。それと最後に今日はメリルリンチの決算発表です。6080億ドル(約6,0008,000億円)の第1四半期決算での損失計上される予定です。

 

 

為替の話に戻りましょう。まず金は945ドル台とまだ1000ドルには距離がありますが、再び買われ始めました。これはユーロ/ドルでのドル売りの理由付けとされそうです。ドル/円は102.00を上回ってきました。当レポートの最初の部分の尊重かなというところです。上の103.50が節目です。テクニカル的に見てみました。日足の移動平均線を見てみました。21日線が101.04 そして9日線が101.83となっており、よく見ると21日線が最近サポート(支持線)になっているように見えます。9日と21日が平行して距離を保ちつつ上昇しているように見えます。もう少しドルブル(強気)のように見えます。下は101.00

 

ユーロ/ドルも同じく移動平均線で見てみました。9日線が1.5808, 21日線が1.5720とこちらは9日線がサポートとなっています。もう一度1.6000を市場は試しにいく雰囲気があります。

 

ポンド/ドルは同じ欧州通貨のユーロとは別の動きです。9日線が1.9728, 21日線が1.9837で二つの線が平行して下落しています。ポンド下落する方向に読めます。大きく振れるものの21日線をレジスタンス(抵抗線)にして下方向と読めます。これは英国ファンダメンタルズ観測と一致です。

 

クロス円でワークしているオージー(豪ドル)/円を見てみましょう。いびつなゴールデンクロスが継続中のようです。9日線94.76, 21日線93.00です。9日線がサポートになっていくように見えます。ドル/円がもっと買い戻されればオージーブルトレンドが続くのですが。オージー/ドルは左団扇の展開ですから、今日はコメントなしです。

 

 

英語の格言をひとつ。

It is never a sin to take profits. (どんな小さな)利益を取ることは罪ではありません。カッコ内は私の追加です。がまんして何とか利食うことは本当に努力の賜物です。小さな利益でも価値は大です。

 

 

それでは、Have a nice afternoon!

PS: 「為替ケ・セラ・セラ」更新しました。笑ってください。らくだに乗った商人が主人公です。
http://fx-blog.jp/mizutani/

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上記見通しは、見解に過ぎず、相場展開を保証するものではありません。最終的な投資決定は、投資家ご自身の判断で行われますようお願いします。

おはようございます。

 

 

各通貨ばらばらな動きをしています。それぞれの国のファンダメンタルズと各国金融当局の金利調整スタンスの違いが如実に為替レートに反映されています。解りやすいと言えば解りやすいのですが、各通貨ペアで組み合わせると本当に複雑です。かなりの深いところまで研究しないといけない為替市場です。

 

 

まずは私が個人的に思った注目記事。トヨタ自動車の今期営業利益が2割減になるとの報道です。円高と米景気減速の影響が出てきているようです。そしてその横で日野自動車の米工場閉鎖の報道とこれまで日本経済を引っ張ってきた基幹産業に陰りが出ています。裾野の広い産業ですから、これからじわりじわりと景気の足を引っ張ってきそうな予感がします。円売り材料か。

 

 

さて、昨晩は経済指標発表のクライマックスということで金融市場が大きく変動しました。まずは3月のユーロ圏CPI(消費者物価指数)の発表です。予想を少し上回る前年比3.6%と前月よりも0.1%の上昇です。コア(除く食品+エネルギー)では2.0%(前年比)です。ユーロが大きく買われ最高値をつけました。米国市場では米国の3月のCPIの発表です。前年比4.0%、前月比0.3%です。コアでは前年比2.4%、前月比0.2%とこちらはほぼ予想通りです。そしてその他指標では、3月の住宅着工件数が予想を下回り94.7万件と引き続き悪い数字、反対に3月の鉱工業生産は+0.3%(前月比)とこちらは良い数字です。そしてベージュ・ブック(Beige Book:FOMC(米連邦公開市場委員会)のたたき台資料)の発表と米金融機関の決算発表と続きました。

 

 

ベージュ・ブックは予想通り悪い内容の地区連銀報告となりました。米経済は2月以降悪化が進む。住宅市場の落ち込み、雇用の横ばいもしくは悪化、ただ賃金上昇圧力あり。またドル安が貢献しているのか輸出は堅調です。インフレ圧力との兼ね合いのようで、429/30日開催のFOMCでの利下げは確実視されますが、利下げ幅が焦点となります。イエレン・サンフランシスコ連銀総裁が、「政策金利を必要以上に長期に過剰に低い水準に維持しないように注意が必要。」とのコメントには注意。投票権はないものの、そうした考えの委員がいるということです。ますます利下げ幅に注目です。企業決算ではJPモルガンがサプブライム関連での投資を2007年から控えていたせいか減益ながら予想よりも良い数字、そして西海岸の大手金融機関ウェルズファーゴーがまずまずの決算発表となりました。結果的に金融市場では株式市場が大幅上昇の、長期債の売りが進みました。ドルでの反応はまちまちでした。

 

 

それでは為替市場に移ります。ユーロ圏CPIの数字を受けてECB(欧州中央銀行)は現状の政策金利(4%)を当面維持することとなります。米国が月末に利下げをする方向ですから金利差拡大に素直に反応です。ユーロ/ドルで最高値1.5977をつけました。上の重要な節目1.6000が見えてきました。口先介入はあるものの、実弾介入があるかどうかのレンジに入ってきます。1.6000の上の重要な節目は1.6300です。これはガンスクエアでは1.6000以上に重要な節目です。一度市場は当局の動きを試す動きになるかもしれません。

 

ポンドもトリッキーな動きです。通貨全体のドル売りに最初はついてゆくのですが、やはりBOE(イングランド銀行)のポンド下落リスクと金利引き下げ継続の動きを察してかポンド売へと最終的には向ったようです。ポンド/ドルでの重要な節目1.9700前後にもどってきました。(私の読みどおり。)ここからまた綱引きです。シカゴ筋はポンドショート(売り持ち)で進めるように思うのですが。1.9700を注視です。

 

ドル/円は101.00を海外でタッチしましたが、ドル買い戻しに動きました。何度も101.00を割っていますが、戻ってくるところをみるとヘッジファンドもドル/円でのドル売り余力がないのではと思ってしまいます。ユーロとオージー(豪ドル)に集中しているのでしょうか。ディレバレッジの利食いのポジション落としのドル買い戻しが若干強いのかと思います。101.00103.50のレンジの動きを予想します。

 

オージー(豪ドル)/ドルは一番安心している通貨で0.9300を大きく上回ってきています。そのままポジション維持か少し利食いたいかたは利食いでよいでしょう。

 

 

思い出:チューリッヒの昼飯:外国為替セミナーが2週間チューリッヒの銀行内の会議室で行われました。世界中から50名ほど集められました。中にはドイツ連邦銀行からのスタッフも。そして昼飯です。銀行の建物から歩いて5分ほどの距離のところに銀行専用の社員食堂の大きな建物があります。毎日こちらに出向いて昼食を頂きます。カフェテリア形式なのですが、びっくりです。チューリッヒはドイツ語圏ということでドイツ式の昼食です。即ち、一日3食の中で一番しっかりと食べるのが昼食です。(夜はあっさりサンドイッチくらいのところがドイツ語圏では多い。)メニューがあるのですが、どれもボリューム満点です。大きなお皿にお肉がどっさりです。魚にしても一匹どっさりと皿からはみ出しそうです。イタ飯のパスタも私には超大盛りです。そして付け合せのポテトと。サラダまで付きます。しかし正直これは食べたいなというメニューは私にはありません。これでは2週間で相当体重が増えることは間違いありません。周りを見渡すとどなたもすごいボリュームの昼食を食べています。これではパワーが違うと遠く極東の地から来た私には実感です。食事もゆったりとしたもので、ゆうに1時間はしっかりと取ります。(スペインではもっと長い。)アルコールは流石にありませんでしたが、役員クラスの食堂では絶対に置いてあるはずです。日本人はとかく昼食は仕事の合間に早く食べる習慣が身についていますが、欧州では、生活の重要な一部です。ましてや、最も3食の中で一番大切な食事です。郷に入れば郷に従えとは言いますが、私にはついて行けませんでした。そばが食べたい!

 

 

それでは今日も為替相場と仲良く対話しましょう。

上記見通しは、見解に過ぎず、相場展開を保証するものではありません。最終的な投資決定は、投資家ご自身の判断で行われますようお願いします。

お疲れ様です。

 

アジア時間帯は嵐の前の静かさのようです。今晩は経済指標が目白押しです。

 

 

昨日も触れましたが、Jパワー株に対して英国投資ファンド、ザ・チルドレンズ・インベストメント・ファンドが株の買い増しを進めていましたが、日本政府は中止・変更を勧告するとのことです。現在の保有比率は9.9%ですが、20%まで買い進めたいとの意向があったようです。電力産業は確かに国の存亡に関わる重要な産業です。でも、だからと言って、電力企業の株を買い占めたからといって、その供給される電力が、経営権を握ることによってその電力が海外に提供されることになるのでもない。国土防衛の危機に直面するということでもない。羽田空港株の件とあわせて、どうも国際化が遅れていくように思えてなりません。電力供給が技術の発達によって容易に国外に提供されるようになれば、その時に政府は規制を掛ければよいのではと思うのですが。日本への投資という良い例を提供することで、昔の日本の投資対象としての魅力を取り戻せる良い機会ではと思うのですが。どうも私には理解ができません。

 

 

米メリルリンチが第1四半期に6080億ドル(6,0008,000億円)の損失計上をするとの報道を目にしました。相対取引でポジションを消せる金融商品ですから、現状の相場の数字をベースにした理論値にての値荒い(英語ではMark to Marketと言います。)となるわけですから、住宅市場、証券化商品市場が回復してこないことには損失の打ち止め感がでてきません。他社も似たり寄ったりですから、今後も損失計上発表の金融機関が出てきそうです。出てきても驚かないほうが良いと思います。しかし、金融市場ではかなり消化されつつあるようです。後は損失計上金融機関の増資をどうするかと言ったところです。海外政府系ファンドにお願いするのか(かなりの高い利回り(15パーセント)を要求されます。)、どこかプライベート・イクイティー(私募での投資家)を探してくるか、最終的にFRB (米連邦準備理事会)もしくは財務省に公的資金の導入をお願いすることになります。日本のバブル清算の時の状況に似てきています。

 

 

白川日銀総裁が国会で答弁されています。一般論として、為替相場は経済のファンダメンタルズを反映すべきである。円キャリー取引について、いったん積み上がった後、縮小したのは事実だが、足元でまだ積み上がったものもある。として為替市場と現在の投資家のスタンスを説明されました。私は現在は円キャリー取引は限られた通貨以外はもうすべきではないとの見解です。欧州通貨は今後はどちらかと言えば下落方向にあります。その認識が個人投資家にはまだまだ浸透していないようです。資源国通貨でまだ健全で高金利が続くオージー(豪ドル)などは対象として組み入れておいてもよいと思います。その他 ニュージーランドドルそしてカナダドルも良いのではと思います。健全な経済状況、資源保有国といったところが最低条件です。

 

 

モーニングレポートでも取り上げましたが、今晩が今週為替相場に一番敏感に反応する経済指標が欧州、米国と出てきます。

 

 

欧州時間帯:3月ユーロ圏CPI(消費者物価指数)予想+3.5%(前年比)、+0.9%(前月比)です。ECB(欧州中央銀行)のインフレ目標ターゲットは2.0%前後です。高い数字が出ればECBによる現状の政策金利(4%)の維持がますます強まりますから、ユーロ高方向に反応します。逆に悪い数字が出れば、利下げの話は出ないものの、景況感の陰りかとの憶測からユーロ売りに反応です。ユーロ/ドルでは1.5700の節目を注視しましょう。この節目が分水嶺となります。現在は既にドイツの3月のCPIが発表され、予想通りの+3.1%(前年比)ですが、思惑が走っているようで、ユーロが強めに1.58台で推移していますが。

 

米国時間帯:いろいろと出ます。最も注目すべきは3月のCPIです。予想は+4.1%(前年比)、+0.3%(前月比)です。コア(除く食品+エネルギー)で+2.4%(前年比)、+0.2%(前月比)です。もう実質マイナス金利となっているところでのインフレ率に注目です。高い数字が出ると、月末のFOMC(米連邦公開市場委員会)での利下げ幅の縮小観測となります。これは当然ドルの買戻しとなります。(ディレバレッジ) 低い数字が出れば、ファンダメンタルズに焦点が当てられドル売りとなります。その他注目経済指標は3月の住宅着工件数です。市場予想は101.8万件です。サブプライム関連で住宅関連産業の業況の判断材料となります。経済指標以外ではベージュブック(Beige Book 地区連銀経済報告書でFOMC(米連邦公開市場委員会)の討議資料となります。)の内容です。利下げ幅の判断材料として注意です。

 

 

為替で述べていない通貨について話します。ドル/円は毎度の繰り返しですが、101.00が分水嶺で、下がファンダメンタルズ重視、上がディレバレッジが進む領域です。経済指標次第の動きを予想します。オージー(豪ドル)/ドルは0.9100がサポート(支持線)となっており、0.91000.9600のレンジ内取引で、ブルトレンド(強気)と読みます。

 

 

英語の格言です。

If you have a position, forget your emotion.」 ポジションを持ったら、感情は忘れろ。

ポジションに対して期待を抱いたりしてはいけません。戻ってきてほしいとの感情が入っているときはだいたいやられます。冷静にまずいと思ったらポジションを切ることです。

 

 

それでは今晩は荒波が押し寄せそうですが、相場の波と仲良くしましょう。

 

Have a nice afternoon!

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おはようございます。

 

 

金融市場は発表される経済指標に素直に反応しています。そこには現在のポジションと思惑が反映されています。金融市場とか為替市場は血の通った生き物です。どんどん変化してゆきますので、皆さん注意しましょう。

 

 

昨晩を振り返ってみると、まずは英国の指標。3月のCPI(消費者物価指数)が発表され2.5%(前年比)とこれは予想の範囲内でしたが、アジア時間帯に出されていたRICS(英王立不動産鑑定士協会)発表の3月の住宅価格がマイナス78.5と非常に悪い数字であったことから、英経済の悲観論を後押ししました。ファンド筋は既にポンドショート(売り持ち)を作り始めています。そしてドイツのZEW景況感調査指数の発表。こちらはマイナス40.7と市場予想よりもかなり悪い数字です。ユーロ売りの理由付けとなりました。

 

 

そして米国市場に移ってからは米経済にポジティブな数字が出てドルが買い戻されています。3月のPPI(卸売物価指数)が+1.1%(前月比)と市場予想の+0.4%のほぼ3倍の高い数字が出ました。コアは+0.2%です。また注意しないとと昨日述べました4月のNY州製造業景況指数が+0.63と市場予想のマイナス17.5とは正反対の数字が出ました。短期でドルをショート(売り持ち)にしていた市場参加者の買戻しが出たようです。興味深い数字として米財務省発表の2月の米長期証券への投資額がネット(買いと売りを相殺した数字)で725億ドル(約73,000億円)と意外と米国への投資が進んでいます。底と見ている海外投資家がいるようです。中東、アジア筋かもしれませんね。

 

 

金融市場を見てみましょう。ウォール街は若干の上げと債券市場はインフレ懸念からか売り先行で10年債は3.60%まで上昇です。イールドスプレッドは大して変りません。原油価格が上昇もインフレ懸念に油を文字通り注いでいます。史上最高値の113.93ドル(WTI 1バーレル当たり)で取引、そして金も若干の上昇で現在929ドル(1オンス)と堅調です。ただ一時の1000ドルからは相当下げたままですが。ドルの下落を逆に押しとどめているようです。

 

 

今晩が今週のメインイベントとなります。まずは欧州ではユーロ圏も3月のCPI(消費者物価指数)が発表となります。市場予想が+3.5(前年比)ECB(欧州中央銀行)のインフレ目標の2%からは遥かに高い数字です。そして米国の3CPIの発表と続きます。予想が年率4.1%そしてコア(除く食品+エネルギー)で2.4%です。現在のFRB(米連邦準備理事会)の政策金利2.25%ですから、コアで比較すると既に実質マイナス金利です。シカゴの先物市場ではFRB0.50%の利下げ確率が42%から24%に下がってきています。

 

 

為替市場は昨日の経済指標に素直に反応しています。ユーロ売り、ポンド売り そしてドル買い戻しです。ドル/円は私が注目していた101.00を上回ってきました。こちらサイドはディレバレッジの領域です。シカゴなどのファンド筋の利食いの買戻しが進みます。東京時間帯は様子見ですが、海外では米CPIの数字とベージュブック(FOMC(米連邦公開市場委員会)開催の2週間前に公表されFOMCのたたき台となります。)の内容で動きそうです。ドル買い戻しの動きのほうが強いかなという読みです。ユーロ/ドルも今日もCPIの数字次第です。ユーロ/ドルの1.5700を注視です。ポンド/ドルは例の1.9700がレジスタンス(抵抗線)になるかどうかがポイントです。ユーロはドリフト状態ですが、ポンドは下落方向と読みます。クロス円はユーロ/円とポンド/円で一見上昇しているように見えるのですが、これはドル/円での上昇の影響ですから、だまされないようにしてください。ドル/円が上昇する限りはクロス円が上昇していますが、特にポンドについては下落リスクがありますから、絶えず注意が必要です。私はむしろポンド/円はポンドショート(売り持ち)の方が正統派だと思います。クロス円でロング(買い持ち)でワークしそうなのがオージー(豪ドル)/円です。

 

 

解説:カスタマーディーラーとインターバンクディーラー:昨日の続きの話です。1980年代にはカスタマーディーラーとインターバンクディーラーの区別は大きな邦銀さんを除いて外資系銀行では大きな区別はありませんでした。しかし1990年代に入るとだんだんと明確になりました。最初はインターバンクディーラーの経験者がほとんどカスタマーディーラーに移ってゆきましたが、90年代に入るとインターバンクディーラーの経験が全くないカスタマーディーラーが出現し始めました。短期でインターバンクの研修を受けるのですが、あまり役にたちません。ディーリングの経験がなくて、顧客と相場観を交わす訳ですから、いささか説得力に欠けるのではと今でも思うのですが。しかし銀行の顔として前面に出ることとなります。メディアで銀行の名前でコメントされている方の多くがカスタマーディーラーであり、まったくディーリング経験のない方もいると思います。本当のディーリングの怖さを知らない人たちがコメントしてよいものかといつも疑問に思っています。そしていささかインターバンクディーラーよりも俺たちの方が偉いと思う者まで出てくる始末で私は「とほほ」と思っていましたが。また銀行によってはカスタマーデスク(カスタマーディーラーの部門を総称していいます。)で為替のオプション取引を行うところが多いようです。為替オプションはほとんどが顧客向けのサービスです。銀行によっては為替の変動の確率を取引するボラティリティー・トレーディング(Volatility Trading)をするところもあるようですが。

 

 

それでは今日も仲良く為替相場と対話しましょう。

 

 

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お疲れ様です。

 

 

4月1日にオーストラリア準備銀行(RBA)は政策金利(キャッシュレート)を7.25%に据え置きましたが、その時の議事録が公表されました。読んでみましたので、重要なポイントだけ論述してみます。ちょっと長くなりますが、読み流してください。

 

 

世界経済については減速感が出てきている。米国については、主要な成長部門はドル安によってもたらされた輸出である。中国は経済成長が緩やかになる兆候がある。日本についての記述は今回ありません。欧州については米国程ではないものの、経済活動の陰りが見られる。国内については、2007年は強いGDP(国内総生産)+3.9%が強い国内需要(+5.7%)によって支えられた。これは輸入の増加と国内生産能力の上昇寄与が大きい。小売についてはフラット。金融市場の混乱から消費者心理がここ数ヶ月急激に落ち込んでいる。住宅金融もここ数ヶ月落ち込んでいる。しかし投資部門については8%の伸びを示しており、特に鉱山投資は高水準を維持している。貿易は2008年半ばでは15%の伸びを示すであろう。これは石炭・鉄鉱石の輸出の伸びに支えられている。そしてこれはオーストラリア経済に大きな刺激を与えている。労働市場は雇用の伸びが緩やかになるとの兆候はない。CPI(消費者物価指数)は3月基準四半期では年率4%程度である。直近のCPIの数字から2010年までのインフレ見通しは以前の予想よりも幾分落ち込むとの見通しである。これは需要の伸びを著しく落とし、稼働能力に対する圧力を落す。需要とインフレの両面について委員のメンバーはかなりの不確実性が続くと認識した。金融政策について。金融市場の混乱はディレバレッジの進行の結果である。(the process of de-leverage)ディレバレッジの例として欧州域内でのドイツ国債と他の国々のイールドスプレッドが流動性の干上がりにより拡大した。(注:ドイツ国債は流動性があるが、他の国の流動性はないために、金融市場混乱でドイツ国債の買戻しに走り、他の国との利回り格差が大きくなったと想像されます。)オーストラリアドルについては、過去一ヶ月に貿易加重平均によると4%下落した。バスケット通貨のほとんどに対して、また特に円とスイスフランに対して。しかし年間を通してオーストラリアドルはTWI(Trade weighted Index)ベースで4%上昇している。国内短期金融市場では90日の手形レートが9%を付け、キャッシュレート(政策金利)とのスプレッドの広がりを見せたが、3月中旬には7.75%まで下がった。90180日の期間でRBAがバランス(資金供給)を増やした結果キャッシュレートとの偏差はなくなった。債券市場では旺盛な企業の資金調達からイールドカーブが上昇している。銀行の資金調達コストは高い金利として資金借り手に転嫁される。信用収縮があるものの、企業の資金調達意欲は強い。最後の締めくくりとして、2008年初期の段階で国内需要の減速感、企業と消費者の景況感に対する見方が弱まり、小売も弱まる。世界経済の減速感と金融引き締めにより経済拡大の推進力は弱まる。結果的に需要の伸びとインフレ圧力は弱まる。しかし短期的なインフレ圧力は比較的高く3月基準四半期ベースではインフレは年率では更に高まる予想である。印象としてまだまだ現状の政策金利は続けられますが、ある時点からは利下げ方向に向かいそうです。「recognize 」との表現であり「concern 」とは書いてありません。まだ楽観視しても良さそうです。とくに高め金利については。現状ではまだ投資対象国として妙味がありそうです。従って今日もオージー(豪ドル)/ドルで0.9300近辺まで上昇しており、買い優勢です。

 

 

これからの海外市場では重要な経済市場が出されます。まずは英国の3月のCPI(消費し物価指数)です。市場予想は+2.6%(前年比)そしてコア(除食品+エネルギー)で1.2%です。今後のBOE(イングランド銀行)の金融政策に影響を与えますから注意です。方向は利下げです。悪い数字が出ればポンドが売られることとなります。そしてドイツのZEW景況感調査です。予想は-30.5となっています。ユーロ圏最大の経済圏ですから、全体の景況感を占う意味でヒントとなります。ウェーバー独連銀総裁、トリシェECB(欧州中央銀行)総裁も注視しています。そして米国市場では3月のPPI(卸売物価指数)です。予想は+0.4%。また先月注目された数字として4月のNY州製造業業況指数が発表されます。予想は-17.5です。マイナスの数字ですから、もともと悪い。仮に良い数字が出た場合はその反応が見物です。

 

 

為替の見通しはモーニングレポートと変りありません。そこで客観的な数字で見てみましょう。ドル/円はストカスティクでみるとファースト・スローが60を挟んで下向きです。弱い売りサインと見えます。101.00の分水嶺で下がってどこまで行くかがポイントではと思います。上に跳ねた場合は103.50あたりを目安に。ポンド/ドルは20でファースト・スローが交錯して短期的な買いサインのように見えます。短期的と思われますから、上値は限定的かと思うのですが。ファンダメンタルズからすると1.9700を下回れば下落スピードが加速するとは思うのですが。ポンドはいつも五里霧中です。ユーロ/ドルは70位で両線ともドリフト状態です。方向感は読めません。上値でECBFRB(米連邦準備理事会)を試す動きになるかもしれません。オージー(豪ドル)/ドルは80以上で交錯していますから売りサインと言えます。ただし下値に拾う動きではと思います。前述の議事録を参照ください。こちらは私の意に反したテクニカル分析の数字です。クロス円はドル/円次第の動きで正直読みづらいですね。(ひょっとして今一番読みづらいのがドル/円かもしれませんね。本音!)

 

 

解説:ストカスティック(stochastic)は90以上であれば買われすぎ(オーバーボウト(overbought))、10以下であれば売られすぎ(オーバーソールド(oversold))のサインと言われています。二つのラインが交差すると転換点と読めます。数字自体はパーセンと表示です。簡単な説明ですが、相場を読む上で参考になります。

 

 

それでは Have a nice afternoon!

 

PS: 為替ケ・セラ・セラ」更新しましたので、お楽しみください。写真は良く撮れたと思います。ベストシャッターチャンスでした!
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プロフィール
HN:
水谷 文雄
年齢:
72
性別:
男性
誕生日:
1953/03/09
職業:
スペイン研究家
趣味:
旅行、陶芸、料理
自己紹介:
スイス銀行(現UBS)などで、為替、金利ディーラーとして20年以上のキャリアを歩む。
国際金融市場をやさしく解説して、為替の世界のおもしろさを皆さんに広めたいと意気込んでいます。
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