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上記見通しは、見解に過ぎず、相場展開を保証するものではありません。最終的な投資決定は、投資家ご自身の判断で行われますようお願いします。

お疲れ様です。

 

 

4月1日にオーストラリア準備銀行(RBA)は政策金利(キャッシュレート)を7.25%に据え置きましたが、その時の議事録が公表されました。読んでみましたので、重要なポイントだけ論述してみます。ちょっと長くなりますが、読み流してください。

 

 

世界経済については減速感が出てきている。米国については、主要な成長部門はドル安によってもたらされた輸出である。中国は経済成長が緩やかになる兆候がある。日本についての記述は今回ありません。欧州については米国程ではないものの、経済活動の陰りが見られる。国内については、2007年は強いGDP(国内総生産)+3.9%が強い国内需要(+5.7%)によって支えられた。これは輸入の増加と国内生産能力の上昇寄与が大きい。小売についてはフラット。金融市場の混乱から消費者心理がここ数ヶ月急激に落ち込んでいる。住宅金融もここ数ヶ月落ち込んでいる。しかし投資部門については8%の伸びを示しており、特に鉱山投資は高水準を維持している。貿易は2008年半ばでは15%の伸びを示すであろう。これは石炭・鉄鉱石の輸出の伸びに支えられている。そしてこれはオーストラリア経済に大きな刺激を与えている。労働市場は雇用の伸びが緩やかになるとの兆候はない。CPI(消費者物価指数)は3月基準四半期では年率4%程度である。直近のCPIの数字から2010年までのインフレ見通しは以前の予想よりも幾分落ち込むとの見通しである。これは需要の伸びを著しく落とし、稼働能力に対する圧力を落す。需要とインフレの両面について委員のメンバーはかなりの不確実性が続くと認識した。金融政策について。金融市場の混乱はディレバレッジの進行の結果である。(the process of de-leverage)ディレバレッジの例として欧州域内でのドイツ国債と他の国々のイールドスプレッドが流動性の干上がりにより拡大した。(注:ドイツ国債は流動性があるが、他の国の流動性はないために、金融市場混乱でドイツ国債の買戻しに走り、他の国との利回り格差が大きくなったと想像されます。)オーストラリアドルについては、過去一ヶ月に貿易加重平均によると4%下落した。バスケット通貨のほとんどに対して、また特に円とスイスフランに対して。しかし年間を通してオーストラリアドルはTWI(Trade weighted Index)ベースで4%上昇している。国内短期金融市場では90日の手形レートが9%を付け、キャッシュレート(政策金利)とのスプレッドの広がりを見せたが、3月中旬には7.75%まで下がった。90180日の期間でRBAがバランス(資金供給)を増やした結果キャッシュレートとの偏差はなくなった。債券市場では旺盛な企業の資金調達からイールドカーブが上昇している。銀行の資金調達コストは高い金利として資金借り手に転嫁される。信用収縮があるものの、企業の資金調達意欲は強い。最後の締めくくりとして、2008年初期の段階で国内需要の減速感、企業と消費者の景況感に対する見方が弱まり、小売も弱まる。世界経済の減速感と金融引き締めにより経済拡大の推進力は弱まる。結果的に需要の伸びとインフレ圧力は弱まる。しかし短期的なインフレ圧力は比較的高く3月基準四半期ベースではインフレは年率では更に高まる予想である。印象としてまだまだ現状の政策金利は続けられますが、ある時点からは利下げ方向に向かいそうです。「recognize 」との表現であり「concern 」とは書いてありません。まだ楽観視しても良さそうです。とくに高め金利については。現状ではまだ投資対象国として妙味がありそうです。従って今日もオージー(豪ドル)/ドルで0.9300近辺まで上昇しており、買い優勢です。

 

 

これからの海外市場では重要な経済市場が出されます。まずは英国の3月のCPI(消費し物価指数)です。市場予想は+2.6%(前年比)そしてコア(除食品+エネルギー)で1.2%です。今後のBOE(イングランド銀行)の金融政策に影響を与えますから注意です。方向は利下げです。悪い数字が出ればポンドが売られることとなります。そしてドイツのZEW景況感調査です。予想は-30.5となっています。ユーロ圏最大の経済圏ですから、全体の景況感を占う意味でヒントとなります。ウェーバー独連銀総裁、トリシェECB(欧州中央銀行)総裁も注視しています。そして米国市場では3月のPPI(卸売物価指数)です。予想は+0.4%。また先月注目された数字として4月のNY州製造業業況指数が発表されます。予想は-17.5です。マイナスの数字ですから、もともと悪い。仮に良い数字が出た場合はその反応が見物です。

 

 

為替の見通しはモーニングレポートと変りありません。そこで客観的な数字で見てみましょう。ドル/円はストカスティクでみるとファースト・スローが60を挟んで下向きです。弱い売りサインと見えます。101.00の分水嶺で下がってどこまで行くかがポイントではと思います。上に跳ねた場合は103.50あたりを目安に。ポンド/ドルは20でファースト・スローが交錯して短期的な買いサインのように見えます。短期的と思われますから、上値は限定的かと思うのですが。ファンダメンタルズからすると1.9700を下回れば下落スピードが加速するとは思うのですが。ポンドはいつも五里霧中です。ユーロ/ドルは70位で両線ともドリフト状態です。方向感は読めません。上値でECBFRB(米連邦準備理事会)を試す動きになるかもしれません。オージー(豪ドル)/ドルは80以上で交錯していますから売りサインと言えます。ただし下値に拾う動きではと思います。前述の議事録を参照ください。こちらは私の意に反したテクニカル分析の数字です。クロス円はドル/円次第の動きで正直読みづらいですね。(ひょっとして今一番読みづらいのがドル/円かもしれませんね。本音!)

 

 

解説:ストカスティック(stochastic)は90以上であれば買われすぎ(オーバーボウト(overbought))、10以下であれば売られすぎ(オーバーソールド(oversold))のサインと言われています。二つのラインが交差すると転換点と読めます。数字自体はパーセンと表示です。簡単な説明ですが、相場を読む上で参考になります。

 

 

それでは Have a nice afternoon!

 

PS: 為替ケ・セラ・セラ」更新しましたので、お楽しみください。写真は良く撮れたと思います。ベストシャッターチャンスでした!
http://fx-blog.jp/mizutani/

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上記見通しは、見解に過ぎず、相場展開を保証するものではありません。最終的な投資決定は、投資家ご自身の判断で行われますようお願いします。

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相場の世界
いつも楽しく、わくわくしながら拝読しております。長い年月の間金融の世界に携わってきた水谷先生に御無礼な質問をお許し下さい


人生で成功する人は必ず目標を持って行動する人であり明確な目標プロセスに沿った行動パターンが確立されている、しかしこの行動パターンを相場の世界に当てはめるとどうだろうか 誰しもが儲かるまで勉強しよう等の不屈の精神に支えられて出口のない相場トンネルに迷い込む、人生の成功者程、相場の世界では儲からない傾向にあり相場は予想で勝てる程簡単なものではないと・・・あるコラムにて目を通しました。

水谷氏が経験した中にやはり相場で勝てる共通点の人気質・性格ってあるのでしょうか? 
例えば、余り細かい性格の人は向いてないとか・・・

長文にて失礼しました。








五十嵐 2008/04/15(Tue)17:26:16 編集
Re:相場の世界
五十嵐様

はじめまして。

いろいろと過去に接した人物を振り返って見ました。コンスタントに儲けていたなという人は、そこそこで利食い、損切りを繰り返している人でしょうか。またある日午前中に儲かったら午後はなにもしない。(これは昔一緒しました伝説のディーラーといわれる人のスタイルです。)また月初に大きく儲けたら残りの月は絶対にディーリングをしない。等などです。そして大きく張る人物でも危ないと思ったら一目散に損切りする人物。著名なディーラーはたびたび窮地に陥った経験があります。私も死ぬ思いの経験をし、損切りを何度となくしました。日本人は相場には私は向いていないと思います。それは外国人を見ていると分かりました。スイス人などは大損しても翌日から前日の後遺症を引きずることなく平然と取引をしています。月平均で上がって何ぼの世界という割り切りはわれわれ日本人には難しいです。でも私が昔シンガポールで会いましたニック・リーソンは結構神経質な人間であった気がしました。陽気なようで影がありました。上手く稼いでいるときは良いのですが、ある種の思い込みが入ると人間どん底に落ちるようです。自分は出来る人間だという自尊心だけは相場の世界では禁物です。あと相場に謙虚に向かう人間は良いと思います。相場は人のせいに出来ません。また相場はいつも正しいと思い、おかしいなと思ったら自分の相場観とは違っていてもすぐに逃げることです。過去失敗した人物を見ると少ない損失が大きくなって最終的に身動きできないほどの損失となっています。
返答になっていませんが、参考までに。
それでは。
水谷


>いつも楽しく、わくわくしながら拝読しております。長い年月の間金融の世界に携わってきた水谷先生に御無礼な質問をお許し下さい
>
>
>人生で成功する人は必ず目標を持って行動する人であり明確な目標プロセスに沿った行動パターンが確立されている、しかしこの行動パターンを相場の世界に当てはめるとどうだろうか 誰しもが儲かるまで勉強しよう等の不屈の精神に支えられて出口のない相場トンネルに迷い込む、人生の成功者程、相場の世界では儲からない傾向にあり相場は予想で勝てる程簡単なものではないと・・・あるコラムにて目を通しました。
>
>水谷氏が経験した中にやはり相場で勝てる共通点の人気質・性格ってあるのでしょうか? 
>例えば、余り細かい性格の人は向いてないとか・・・
>
>長文にて失礼しました。
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【2008/04/15 18:42】
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プロフィール
HN:
水谷 文雄
年齢:
71
性別:
男性
誕生日:
1953/03/09
職業:
スペイン研究家
趣味:
旅行、陶芸、料理
自己紹介:
スイス銀行(現UBS)などで、為替、金利ディーラーとして20年以上のキャリアを歩む。
国際金融市場をやさしく解説して、為替の世界のおもしろさを皆さんに広めたいと意気込んでいます。
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