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上記見通しは、見解に過ぎず、相場展開を保証するものではありません。最終的な投資決定は、投資家ご自身の判断で行われますようお願いします。
おはようございます。
いろいろとニュースが飛び交う金融市場です。
時系列的に材料を追ってゆきましょう。英国の1月の消費者物価指数が発表され、前年比2.2%と利下げを煽る数字ではなかったようです。問題は2月のドイツZEWの景況指数でした。予想がマイナス45であったところが、マイナス39.5との数字が出て、マイナス値が低くというか浅かったために、ECB(欧州中央銀行)の利下げを煽る数字とは反対の数字が出てしまいました。ドイツのシュタインブリュック財務相が、ECBが金融政策を中立の立場にシフトしたとは見ないとのコメントもユーロの買戻しにもつながったようです。ただ、別のメディアを見ると、シュタインブリュック財務相が欧州通貨は強いダウンサイドリスクがある、またユーロ圏はリセッションではなく、景気減速に直面しているとのコメントも出されているようです。どうも真意が分りません。そして米国時間帯になって、救世士現れるとの報道で金融市場が好感したようです。大富豪のウォーレン・バフェット(Warren Buffet)率いるバークシャー・ハザウエイ(Berkshire Hathaway)社が、モノライン(米金融保証会社)3社に対して、地方債8000億ドル(約86兆円)の再保険を引き受けるとの提案をしました。これで、モノライン各社の格下げ危機が緩和されたとの思惑から、株式市場の上昇となったようです。バフェット氏は以前にも米国危機を憂慮されており、米国の政策(policies)が変わらなければ、ドルの価値下落を指摘されていました。(2月7日当イーブニング・レポート参照)ベアスターンズの試算によると米金融機関のサブプライム損失は最大1750億ドル(約18兆7000億円)、ユンケル・ユーロ圏財務相議長は、全世界の金融機関が被る住宅ローン関連証券の評価損は4000億ドル(約42兆8000億円)との数字から比較しても、サブプライム本体での損失ではないにしても、モノライン格下げによる損失額、そして地方債という一般投資家が投資している領域での救済を申し出たことは大きいと評価されているようです。昨日私が指摘した「Project Lifeline」は霞んでしまったようです。
為替市場はどのように反応したのでしょうか。ドル/円では素直にドルブル(強気)に反応しましたが、107.50止まりで、108.00を上回り、私の注目する108.50までは至らず。まだ本当にモノライン問題が解決するのかどうかの判断を待っているようです。ということでシナリオ変わらずです。106.00~108.50のレンジで若干ドル買い戻しが強いかなという予想です。ユーロ/ドルは、利下げ期待を裏切るような数字と高官発言で、1.4500を上回ってきています。非常に重要な節目の1.4500に戻るのか、上の1.4800に行くのかを見極めないといけません。シカゴ筋は大体この近辺でのコストのように思います。ストカスティックはユーロ買いサインですから、短期の戻しは自然の流れかも知れません。3月のECBの利下げというよりは、4月以降での利下げ期待に市場は移ってきているようです。なだらかなユーロの下落と解釈すれば理解が出来ます。ユーロ/円、ポンド/円は、ドル/円でのドル戻しと、ユーロ/ドルとポンド/ドルでのユーロとポンドも戻りで買われていますが、いつ何時反転するかもしれませんので注意が必要です。
思い出:駆け出しディーラー:今週も電話での緊張感を伝えたいと思います。一番苦労するのが、同時にプライスが変わり、プライスを打ちに行った場合です。例えば、米系シンガポール支店を呼んだとします。例によって、金切り声の女性が電話に出ます。私:S Bank Tokyo calling. Can I have spot dollar/yen please? 相手:10/13+ 私:sell you ten dollar! と言ったと同時に相手:off+ この場合の処理を迅速にしないといけません。往々にしてプライスがどんどん動いています。駄目なら直ぐに諦めて、私:Nothing done on this telephone.とさっさと次に向かう。特にどんどんこの場合ドルを売らないといけない場合は。ちょっと粘る場合:同時であった場合に、紳士協定(Gentlemen Agreement)で、5 dollar done と相手が折れてくれれば、非常に良い対応です。これからもこの米系シンガポール支店と仲良く取引が出来そうです。最悪のパターンは、双方折れず、録音テープで確認です。銀行の電話は全て録音されていますから、off が早かったのか、sell you ten dollarが早かったのか確認します。これも紳士協定です。相手が、紳士協定を無視するような対応であれば、しばらくはこの銀行を呼ぶことはありません。また相手が呼んできても、ワイドスプレッドにして、例えば10/17+とでもして、取引したくない旨を暗に伝えます。為替の世界はお互いの暗黙の紳士協定によって成り立っているのです。お互い電話では、必死ですが、人間の行うことですから、何かと問題が生じ、銀行間のトラブルが発生します。そこから如何に、内部的にも、外部的にも立ち直るかが非常に重要です。内部的にとはそのポジションが入るか否かによって持ち値が変わってくるからです。瞬時の判断が要求されるキツ~イ仕事です。これも修行です。これで私は10年早く年を取ってしまった気がします。話を続けますが、相手がレートを言ったと同時にヒットする場合は、売る場合はyours 10 dollar とか、反対に買う場合は mine 10 dollarと言って、短く言ったほうが勝ちです。ただ相手も人間ですから、優しく言ったほうが良いようです。これは慣れの問題です。大声でyours とかmine と言っても、ただ大声を発しているだけで良く聞こえない場合があります。これも暗黙の紳士協定が活きています。よく考えると女性ディーラーも多いわけですから、紳士協定ではなく、gentleperson agreementでないといけないようですね。適切な日本語が浮かびません。紳士・淑女協定とでも言いましょうか。
それでは今日もがんばりましょう。
上記見通しは、見解に過ぎず、相場展開を保証するものではありません。最終的な投資決定は、投資家ご自身の判断で行われますようお願いします。
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国際金融市場をやさしく解説して、為替の世界のおもしろさを皆さんに広めたいと意気込んでいます。