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上記見通しは、見解に過ぎず、相場展開を保証するものではありません。最終的な投資決定は、投資家ご自身の判断で行われますようお願いします。
今日の為替市場は日本のGDPには反応せず(兜町は大反発ですが)、オージーデイとなったようです。1月のオーストラリアの失業率が4.1%と市場予想の4.3%より良い数字が出ました。少ない人口ながら前月比で26,800人の雇用を生みました。(現在人口約1,990万人です。)好景気を持続しているようです。対ドルでの週間でのチャートを見ると大きな振幅はあるものの、右肩上がりのきれいなチャートです。シカゴ筋がどんどんポジションを積み増ししている理由が分かります。対円でみると、どうしてもドル/円でのドル下落につられてしまって、撤退せざるをえない局面にぶつかってしまうのですが。
ドル/円は、108円台を見て、輸出のドル売り予約と3月末決算年度末を睨んだ所謂リパトリ(repatriation)と呼ばれる外債などの外貨での受け取り利息などの本国つまり日本への送金玉(円転玉)も出ていたようです。輸出玉は2ヶ月3ヶ月先の予約を入れるのですが、為替のディスカントが2ヶ月で-0.46, 3ヶ月で-0.65です。ということは108.50が直物で押さえられれば、2ヶ月先つまり4月108.04で先物予約ができます。ドル先安(対円)が多くのエコノミストが予測する中、サラリーマン輸出財務担当者としては、どうしてもドル売りを入れたいところです。108.50近辺でのドル売りはかなり出てきそうです。私は108.50を非常に重要視しています。108.50がレジスト(抵抗線)されれば、ドルベア(弱気)は続くと思います。今後の注意点は、12月の米貿易収支(予想615億ドルの赤字)と、バーナンキFRB(米連邦準備理事会)議長とポールソン財務長官の議会証言です。ポールソン財務長官は昨日の米金融専門局CNBCで、第二の景気刺激策は計画していない。そして米経済は引き続き成長するが、成長率は鈍化しており、下振れリスクがあるとコメントされています。ただ、金融政策はFRBの管轄下ですから、この分野はバーナンキ議長の今日の議会証言を注視したいと思います。過激な発言(利下げ示唆)が出れば、もう一段のドル/円での下落 ただ106.00を破るかが鍵です。これは108.50以上でのシカゴ筋の利食いがあるかも同様に注目です。つまり、シカゴ筋は108.50と106.00のレンジでは大きくポジションを動かさないということが明白なようです。どちらかを破ると相場の流れは速いと思います。シカゴ筋が更に攻めてくるか(106.00割れ)、それとも守りの利食いに入るか(108.50上)を監視しましょう。それによってドル/円の今後も占えそうです。
ユーロについては、これから発表される2007年の第4四半期ユーロ圏GDPを注視しましょう。同時に最大の経済圏であるドイツのGDPも発表されます。予想はユーロ圏、ドイツとも+0.3%(前期比)です。その後の米バーナンキ議長の議会証言内容からも影響されますが、ユーロ/ドルで、1.4500を破るのか、それとも1.4800方向か見極める材料です。トリシュ総裁がわざわざ東京で記者会見をご丁寧にされているところを読むと、ECB(欧州中央銀行)も目標インフレ率の2.0%を見ているだけに、単純にユーロ売りとは行かないようです。時間稼ぎをしたいというのがユーロ圏高官の本音だと思います。
BOE(イングランド銀行)のインフレ報告書の内容をHPに入って読んでみました。要約すると、ポンドは過去3ヶ月に6%の下落をしており、輸入物価を押し上げています。経済成長が鈍化の兆しを見せている中で、インフレが中期的な目標値である2.0%以下に戻す必要があるということです。1月現在のインフレ指標となるCPI(消費者物価指数)は2.2%ですが、エネルギー価格と輸入物価上昇により更に上昇する懸念があるとのことです。そのレベルについて、英語原文では、「to around the level at which I would be required to write an open letter to the Chancellor.」となっています。I とはキング総裁であり、Chancellorとはブラウン首相のことです。これは面白い表現ですね。キング総裁がブラウン首相に公開書簡を書く必要のある水準にとのことですから、かなり切迫したインフレ率の上昇を読んでいるようです。最後に金融政策の最重要課題は中期的なインフレ抑制に焦点を当てるとしています。昨日公表のインフレ報告書を読むかぎりにおいては、現状BOEの利下げは当面ないようで、次のCPI発表日は3月18日ですから、当然3月6日の金融政策委員会での利下げはなく、インフレを如何に押さえるかの議論に終始しそうです。その後の金融政策委員会のスケジュールは4月10日、5月8日、6月5日と続きます。4月も利下げがパスされ5月以降にまで期待できない可能性があると思います。非常に強いトーンでのインフレファイターぶりのキング総裁のコメントでした。ということで、私もポンド/ドルでの相場観をマイルドな利下げがまだ先になるとの認識に修正します。ということは、ポンド/ドルでいうと、再び1.9700を上回ってくる可能性は十分あるなと踏みます。シカゴ筋のポジション具合を注視しましょう。
それでは Have a nice evening!
上記見通しは、見解に過ぎず、相場展開を保証するものではありません。最終的な投資決定は、投資家ご自身の判断で行われますようお願いします。
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国際金融市場をやさしく解説して、為替の世界のおもしろさを皆さんに広めたいと意気込んでいます。