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上記見通しは、見解に過ぎず、相場展開を保証するものではありません。最終的な投資決定は、投資家ご自身の判断で行われますようお願いします。
お疲れ様です。
兜町が500円以上の上昇と久しぶりに活況です。また金は885ドル(1オンス)の取引と依然売り基調です。為替市場ではドルの買い戻しが進んでいるようです。特にドル/円で。本邦輸出企業は102円前半では、出来上がり(先物期日)で101円台後半で3ヶ月先では確保されますから、ドル売りが出てくるようです。しかしドルの買戻しも強そうです。101.00はサポート(支持線)となったようです。
今日はテクニカル分析をしてみました。
ドル/円:移動平均線でドル買いのサインが出そうです。9日線100.20 21日線100.64とゴールデンクロスとなりそうです。ストカスティックでは60%でファースト・スローと並走していますから、どちらのサインとも読めません。これだけから判断するともう少しドルは買われる気がします。ガンチャートでは101.00~106.00ですから、中間の103.50近辺まではドルが買われる可能性があると読みます。
ユーロ/ドル:移動平均線からは読めません。平行して上昇を続けています。ストカスティックでは80%で交錯と売りサインと言えます。ガンチャートの1.5400~1.5700のレンジの動きと読みます。
ポンド/ドル:移動平均線ではポンド売りのサインです。9日1.9910 21日2.0000とデッドクロスしています。ストカスティックがファースト・スロー交錯後下向き方向継続です。まだポンド売り余地がありそうに見えます。ガンチャートでは1.9700が重要な節目です。このあたりまで下落してくるかが焦点です。
オージー(豪ドル)/ドル:ストカスティックが50%で下向きのようです。ガンチャートの0.9100が回復しないようですと、もう少しオージー売りが続くかといったところです。
米国のファンダメンタルズが回復しているわけではありません。ドル/円では101.00を分岐点として、ドルの下向き方向では「円キャリートレード」の巻き戻し(損切り)が出て、101.00より上に振れるとヘッジファンドの資金繰りに窮したドルの買戻し(一部損切り)という理由付けになってしまいます。とにかく損切り相場のスピードは速い。シカゴのポジションを見るとまだまだドルショートが溜まっているので、上に振れるほどシカゴのドル買い戻しが激しくなります。その意味で103.50が目途かと思います。今年初めからの動きを見れば大したドルの戻しとも言えませんね。もともと101.00で若干達成感を感じていた私としては。また、まだまだ今年のドル最安値を確定したとは言い切れないと思います。信用不安と米ファンダメンタルズの悪化は変わりません。そして日本の景気後退確認も。
ユーロとポンドはまだまだ高水準と言えば高水準です。ただユーロとポンドでは状況が違いますから要注意です。ユーロは金利現状維持。ポンドは為替での下落リスクの明示と利下げの観測ありです。
今晩の注意点ですが、私は昨日と思っていたバーナンキFRB(米連邦準備理事会)議長の議会証言が今日行われます。現在の金融市場をどのように説明されるのかで、ひょっとしてまたドル売りの材料を提供してしまうことになるかもしれません。学者肌の議長ですから思わず本音が出るかも。市場は注視しています。そして何と言っても金曜日の米雇用統計です。それまでは慎重を期したほうが良さそうです。
昨日のUBSの1~3月期の損失計上の話ですが、新聞報道だけの数字で計算してみました。サブプライム関連証券で150億ドル、少し上の格付けの「オルトA」関連証券で160億ドルの合計310億ドルの証券保有です。そして損失計上が190億ドルですから、私の計算で正しいかどうか不明ですが単純に計算すると60%の資産の目減りです。ということはUBSに限らず、他の米系、英系、仏系、独系投資銀行、金融機関は、現在も保有していたら資産の60%が目減りしており損失計上することになると思われるのですが。そんなに評価レートが各金融機関で異なるとは思えません。まだ隠れ損失計上金融機関が多く存在すると思うもですが。簡単に増資、増資とばかり言っておられないと思います。決算発表は要注意です。政府系ファンドばかりに頼っておれなくなり、やはり公的資金投入との方向ではないのでしょうか。
ひとつ英語の格言を!
When in doubt, get out. (疑問に思ったら、ポジションから脱出すること、つまりポジションを解消することです。) 良い格言ですら是非憶えておきましょう。
余談:UBS マルセル・オスペル(Marcel Ospel)会長:オスペル氏のゆがんだ顔が日本経済新聞に出ていました。本来は牧歌的な典型的なスイス人の顔をされた方です。今回のサブプライム関連での損失計上の責任をとられ辞任されました。残念です。私が在籍していた当時からの注目されていた若い有能な経営者でした。もともとオスペル氏はスイス銀行コーポレーション(Swiss Bank Corporation)に入行され、若い時にNYのメリルリンチにトレーニーで派遣されました。そこで米国流のクオンツがこれからの投資業務には不可欠と認識されました。いわゆる投資銀行業務への転換です。スイス銀行の保守的な銀行風土に米国人の血が輸血されました。その典型例がオコーナーというシカゴに本拠を置いたオプションハウスの買収です。そして多くの米系投資銀行の買収をと。これを機に若いアメリカ人クオンツが大量にスイス銀行中枢部に入り込み、次第に実権を握り始めました。買収を機にボードミーティングが英語となりました。そして最終段階としてスイスユニオン銀行(Union Bank of Switzerland)との合併を進めます。合併後の名前はUBSですが、正式名称はUnited Bank of Switzerlandであって前のUBSとはちょっと異なります。またUBSという名前ですが、ほとんどの重要な部門の実権はオスペル氏を筆頭に旧スイス銀行コーポレーション在籍者が握っています。東京での何かのパーティーでお顔を拝見したときは典型的なスイス人の若い経営者としてはつらつとされていましたが、今日の新聞の写真を見ると相当苦労されたのではと察しました。ということで私は旧スイス銀行コーポレーションの出身です。家族的な雰囲気があった良い銀行でした。今でもスイス銀行卒業生との交流が続き、私の財産となっています。
それでは Have a nice afternoon!
上記見通しは、見解に過ぎず、相場展開を保証するものではありません。最終的な投資決定は、投資家ご自身の判断で行われますようお願いします。
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国際金融市場をやさしく解説して、為替の世界のおもしろさを皆さんに広めたいと意気込んでいます。