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上記見通しは、見解に過ぎず、相場展開を保証するものではありません。最終的な投資決定は、投資家ご自身の判断で行われますようお願いします。
おはようございます。
これから始まるブッシュ大統領の一般教書演説を見ながらの金融市場です。米国東部時間午後9時からの予定ですから、日本時間の午前11時くらいから始まります。銀行のディーリングルームでは、CNNを見ながらの仕事となります。1500億ドルの景気刺激策、戻し税の話、法人税軽減の話をブッシュ大統領自らの口から再び説明があると思います。強いアメリカ経済の復活、政治的にもテロとの戦い、世界の警察官でありつづけるとの決意を表明し、強いアメリカの復活を高々と述べられることでしょう。このような演説をされると一時的に為替市場はドル買いにセンチメント的に走りやすいと思います。
昨晩の海外市場では、改めて米国経済がサブプライム問題で傷んでいる数字が出ました。12月の新築住宅販売件数が604,000戸と予想を下回り、またこの数字は12年ぶりの低水準とのことです。ダウ(米株)は一度下がりましたが、水曜日発表のFOMC(米連邦公開市場委員会)で0.50%利下げが市場で支配的になると買い戻され、最後はプラスに転じました。シカゴの先物市場では、0.50%の利下げを90%織り込んでいます。金利水準の再低下を見込み、ドルより高い金利通貨、即ち、ユーロとかポンドに資金が流れているようです。また、ドル安を見込んだ形で、逃避商品の金へも再びファンド筋の資金が流れているようで、1オンス927ドルと前日比16.4ドル高です。
為替市場では、FOMCでの0.50%の利下げを織り込む方向でのポジショニングが既に出来ているのではと想像されます。それは今週に入ってから、ドル/円についても、またユーロ/ドルでも悪い米国経済指標に大きく反応しなくなってきているからです。ドル/円では106.00を何度もトライしますが、跳ね返されます。利食いのドル買いが結構入っているようです。つまりしっかりとしたポジショニングをファンド筋、投機筋がすでに構築しているからです。それはシカゴCMEの円のポジションがネットロングで41,842枚も22日現在あることから分ります。大きな流れはドル安ですが、水曜日には一旦利食いが大量に入り、ドル/円での戻りがあるのではと予想します。ドル安第一ラウンドの終了も考えておきましょう。戻って108.50近辺をまず考えましょう。ユーロ/ドルはまだポジションが軽いようすから、もう少しユーロ高方向に動いても良さそうなものです。1.4800、1.5100を念頭におきましょう。不意の反落で注意をしないといけない節目は1.4500です。
教訓:金融の世界に長く携わりますと、多くの相場物での損失のニュースを目にします。古くはDKBシンガポール支店為替ディーラーの損失、住友商事の貴金属相場での損失、富士銀行NY支店の債券投機失敗、ベアリング証券シンガポール支店株式先物ディーラー巨額損失ときて、今回はソシエテ・ジェネラル株式ディーラー巨額投機失敗ときました。どれも、小額の投下資金から損失を膨らませています。小さな損失は直ぐに挽回できるとディーラーは考えがちです。しかしそこが落とし穴です。私自身も、そのような状況に陥りそうになったことがありました。そこを救ってくれたのは、良き上司であり、ディーラー仲間です。銀行内でもお互いにポジションどうだと意見交換します。そうすると誰がどちらの方向でどれくらいのリスクを抱えているかは大体分るものです。私の場合は夜の10時位までスイスフランのしこってしまったポジションを抱えて、いやなムードになりました。そこを救ってくれたのは、当時のシンガポール人の仲間ディーラーでした。もう悪い方向にきているから、ポジションクローズ(閉じて)して帰りましょうとアドバイスしてくれました。そこそこの損失で押さえることができ、その月はトータルで若干の損失で済ますことができました。ディーラーもしくは投資をされている方は、自己のポジションも明かすことのできる良き友人、仲間、相談相手を持たないといけません。いざという場合に本当に救われます。それが、Once a dealer, always a dealer の精神です。良き相談相手がそれぞれの損失事故を起した担当者にいなかったから、このような巨額損失がでることとなるのです。皆さんも正直に相談できる仲間を作りましょう。
それでは今日も一日がんばりましょう。
上記見通しは、見解に過ぎず、相場展開を保証するものではありません。最終的な投資決定は、投資家ご自身の判断で行われますようお願いします。
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国際金融市場をやさしく解説して、為替の世界のおもしろさを皆さんに広めたいと意気込んでいます。