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上記見通しは、見解に過ぎず、相場展開を保証するものではありません。最終的な投資決定は、投資家ご自身の判断で行われますようお願いします。
FRB(米連邦理事会)のホームページに進入して、今回のFOMC(米連邦公開市場委員会)の声明文をじっくりと読みました。considerable stress (かなりのストレス)が金融市場には存在するとか、credit has tighten further (与信(借り入れ)が更にきつくなっている)との文言が使われているのが印象的です。また住宅市場だけでなく労働市場も厳しくなってきていることも指摘されていました。インフレについては落ち着いているとの見解ですが、注意深く見守る必要があるとしています。後は報道通りで、will act in a timely manner as needed to address those risks として、必要に応じて対応するとのことです。どこまで政策金利を下げるかは予想が難しいです。というのは景気後退の深さの底をどの時点で認識するかが難しいからです。一般的には2期(4半期ベース)連続してマイナス成長すると不況に陥っていると判断されます。それでは、いつの時点かを簡単に分析し今後の利下げ展開を紐解いてみましょう。
今後のFOMCのスケジュールを見てみました。今後は次の通りです。3月18日、4月29/30日、5月がなくて、6月24/25日、7月がなくて、8月6日となります。毎月月初に雇用統計の発表はいつもの通りですが、GDP(国内総生産)の発表予定と照合してみましょう。速報値で第一四半期のGDPが4月の下旬です。そして第二四半期のGDPが7月の下旬です。と言うことは、4月30日と8月6日のFOMCでの政策金利発表と声明が重要となります。それでは、どこまで下がるのかですが。やはりFRBのホームページを更に奥に進入しました。1954年から現在までのフェッドファンドレート(FFレート)のデータが載っていました。それによりますと、1.00%が2003年7月から2004年6月まで続きました。同時多発テロ後の政治・経済の混乱を回避する狙いであったようです。その後景気回復と株価上昇で2006年7月まで随時小刻みに利上げが行われ5.25%となりました。これこそグリーンスパン流の舵取りの真骨頂です。最低FFレートはいつかと探しましたら、1954年7月の0.8%でした。(この年私は1歳でした。)反対に一番高いFFレートは、1981年6/7月の19%です。(この年私は駆け出しディーラー直前でした。)この統計を見ると最低1%台のFFレートもありかなと思います。但し、これには私も反対です。それはジョージ・ソロス氏の考えに影響されました。日銀の金利調整の失敗の教訓があるからです。余りにも下げすぎると金融調整の舵取り機能が働かなくなってしまうと言うことです。現在の日本銀行がその状況です。利下げして景気浮揚をしないといけないのに、いかんせん0.5%とゼロ金利同様状態です。FRBはこれだけは避けたほうが良さそうです。1%台のFFレートにしても短期間(半年位か)にして平時の4~5%台に戻さないといけません。今年の米第一四半期GDPはマイナス成長がほぼ確実です。その結果によって、4月30日に金融政策が発表されます。この時点で0.5%の利下げの2.5%かもしくは2.25%とする。そして8月6日に、第二四半期のGDPの数字(マイナス成長ですと大変です。)とその時点での景気判断からして、0.5%もしくは0.75%の利下げをして最低1.5%まで持ってゆく。そして景気の第三四半期、第四四半期での上昇を確実なものとする。1%台のFFレートを半年続け、来年からは利上げ方向に向かう。理想的には今年の冬場に利上げが出来ればよいのですが。こんなシナリオではなかろうかと私は描きました。但しこれは最悪の場合のシナリオですが、結構可能性はありそうですね。大統領選挙の年、秋口には景気に薄日が射していないとどうにもなりません。
金融市場の話に戻しましょう。モノライン(米金融保証会社)大手のMBIAへウォーバーグ・ピンカスから5億ドルの投資が完了したとの報道で、兜町が盛り返しているとの話です。根っ子の問題解決とはいかないと思うのですが。欧州、米国へと株価サイクルがうまく波及すると良いのですが。但し、その後のニュースでMBIAの第四四半期の損失計上額が23億ドル(約2400億円)との報道も出ています。為替市場では、若干のドルも戻し(利食いか?)もあるようですが、流れは対円、対ユーロともドル安方向です。今後もドル金利低下方向からみても明らかです。
テクニカル分析でストカスティック(stochastic)を先日紹介しましたが、ドル/円で、ファース・トストカスティックとスロー・ストカスティックが交錯しました。これは相場の転換点のサインです。ドルの戻しが約1週間続き、かなりショートの利食いとロングの損切りが消化されたようです。ドル/円でのドル売りのサインです。また、ポンド/ドルでもファースト・スローの交錯が見られます。これもポンド/ドルでのポンド売りサインです。こちらは来週2月7日のBOE(イングランド銀行)が政策決定会合を行いますが、米利下げの波及でBOEも利下げ(政策金利レポレートは現在5.5%)をせざるを得ない状況を期待するファンド筋・投資家が、ポンドの売りを仕掛けてくるかもしれません。ポンド/円のポジションをお持ちの方は注意してください。ショート(ポンド売り持ち)はかなり安心と思います。
今後の動きの為替予想はモーニングレポートと同様です。金利差縮小方向で、ドル安方向を読んでいます。特にユーロ/ドルが一番分りやすいと思います。今後の海外市場の要注意経済指標としては、欧州時間帯では、1月ユーロ圏消費者物価指数(予想3.1%)に注意です。ECB(欧州中央銀行)理事の金利に対する見方が分かれていますから、思わぬ数字が出ればユーロは反応します。高い数字がでれば、ユーロ高が加速します。米国時間帯では12月米個人支出(予想0.1%)、12月個人所得(予想0.4%)、そして1月のシカゴ購買部協会景気指数(予想52.0)に注意です。悪い数字に対してドル売りに素直に反応する市場です。但し、明日にもっと注目される1月の米雇用統計を控えていますので、大胆には動けません。
長くなりましたが、ご清聴ありがとうございました。長期のビューはどうして長くなります。失礼の程を。それでは Have a nice evening!
上記見通しは、見解に過ぎず、相場展開を保証するものではありません。最終的な投資決定は、投資家ご自身の判断で行われますようお願いします。
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国際金融市場をやさしく解説して、為替の世界のおもしろさを皆さんに広めたいと意気込んでいます。