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上記見通しは、見解に過ぎず、相場展開を保証するものではありません。最終的な投資決定は、投資家ご自身の判断で行われますようお願いします。
おはようございます。
完璧なFOMC(米連邦公開市場委員会)の発表待ちです。米国東部時間2時15分に発表とのことですから、日本時間では明日朝午前4時15分です。それまでは、思惑とポジション調整、そして、東京市場では実需の輸出・輸入玉、レパトリ玉(日系企業・機関投資家の3月年度末決算用にドルもしくはユーロを円に償還する動き。)で市場が支配されそうです。昨日から兜町との連動性は薄れているようです。
さて、昨晩の海外市場で私が一番注目したのは、米債券市場でした。10年債の利回りが3.68%と前日よりも0.10%の上昇です。債券が売られて利回り(イールド)が上昇したと言うことです。通常、株が買われると資金が債券から流れ、債券が売られて金利が上昇するということになるのですが、昨晩の動きはダウ平均が96.41ドル上昇した割には、ちょっと債券が売られすぎではと感じました。いろいとと要因があったようです。12月米耐久財受注が+5.2%と予想の1.6%より遥かに高い数字でした。また1月の消費者信頼感指数は87.9とこちらは予想より少しばかり高いだけでした。また11月のS&P/Case-Shiller Indexの米住宅価格指数が前年比-7.7%とこちらはサブプライムの余波をもろに受けているようです。ということで、米経済にとって強い数字が二つ出たということで、債券売りが加速したようでした。また、確認はできませんでしたが、例のメドレー・グローバル・アドバイザーズ(緊急利下げを見事に当てました。)が今回のFOMCでは金利を据え置くのではとの見通しを顧客向けにレポート配信しているとのことです。債券市場が混乱をしたということです。でも、私は米国一丸となっての景気浮揚を狙っているということを考えれば0.50%の利下げが行われると素直に考えたほうが良いと思いますし、そのように為替市場とも対話した方が良いと思います。
ウォールストリートジャーナル(WSJ)の報道によりますと、米FBIがサブプライム問題で14の金融機関をその犯罪性についての捜査を開始するとの記事を目にしました。捜査の過程で、偽造、市場操作などが明らかになると、「モノライン」(金融保証会社)の格付けに端を発するサブプライム問題の拡大とともの金融界を揺るがすことになります。これも心理的にはドル売り、ウォール街の混乱となります。注視しましょう。
為替市場は本当に静かなようでした。ユーロ/ドルはほとんど動かず、ドル/円はドルショート(売り持ち)の市場参加者がポジション調整の利食い、つまり買い戻しに少し走っているようでした。但しシカゴ筋の投資家、投機家の根っ子のポジションはドルショートでFOMC発表を待ち構えています。
さて、少しFOMC後の為替市場を展望してみましょう。金曜日に雇用統計発表を控えていることも考慮しないといけません。一番分りやすいのはユーロ/ドルではないのでしょうか。仮に0.50%引き下げられると、米政策金利3.0%、そしてECB(欧州中央銀行)政策金利4.0%となりますから、金利差がぐっと拡大します。必然的にユーロに資金が流れます。ECB内は利上げ派と利下げ派に分かれていますから、微妙ですが、トルシェ総裁はどちらかと言えばインフレ抑制派の利上げ派です。1.4800, 1.5100方向ではないかと思います。ドル/円は、まずは利食いのドル買いが入るのではないのでしょうか。0.25%であれば、失望感から素直に米株式下落のドル/円でのドル売りとなってゆくのではと思います。
それでは東京の実需市場を眺めながら、バーナンキFRB議長の顔色でも想像しましょう。
思い出:駆け出しディーラー:25年以上前の話:駆け出しが最初に担当するのがテレックス担当ディーラーです。これは本当に肉体労働です。チーフのスイス人からレートチェックの叫び声が掛かります。例えば Dollar/yen please! と。そうするとアジア時間帯であれば、シンガポール、香港、そしてシドニーの米系、欧州系、日系の銀行をテレックスで呼びます。一人平均3台担当です。レートが出ると叫びます。例えば10/15 チーフに興味がなければ ntg tks bi (nothing thanks bye の略です。) もしも10本(1千万ドル)買いたければ buy 10 とか take 10 と指を指されて大声で叫ばれます。そうなると必死です。At 15 buy ten dlr pls+ 又は mine ten dlr pls+ と打ちます。相手から ok done+ と返答があれば問題がありませんが、忙しいときは往々にして off となります。その瞬間勝負ですから、もし同時であれば、即座にどちらが先か判断しなければなりません。チーフからは deal done なのか nothing なのか苛立ちの罵声が飛んできます。Done されていないと判断したら即座に伝えないといけません。また10本ではなく5本に切られる場合もあります。5 doneと答えます。ドイツ語での4 letter wordは本当にグサッときます。だれもが通る昔の為替ディーラーの第一関門です。チーフのポジションの方向、海外銀行のポジション具合を予想して、どちらの銀行を攻めれば一番良いレートが取れるのかを常に頭に入れておかなければなりません。暇な時でもいつ何時レートチェックの叫び声が飛ぶかヒヤヒヤです。ロイターモニターの画面を見ながら、ポジション具合を見て、相場観を養うのです。テレックスの番号も全て暗記して、即座に3台で銀行を攻めますので緊張感いっぱいでした。一般的には海外ではテレックスボーイを経験して、電話でのディーリング経験に入ってゆきます。現在ではもうとっくの昔にテレックスはなくなり、また電話での銀行間取引も少なくなったと聞くにつけ、昔を懐かしく思い、また私も若かったと月日の経つのが早いものだと実感します。でも今から思い出すと楽しい思い出でもあります。
注:mine:買いの意味です。反対に売りは yours と言います。
Done とは取引成立を意味します。また 用語は全て簡略化されます。Dollar は dlr とplease は pls と。
長くなりましたが、今日もがんばりましょう。
上記見通しは、見解に過ぎず、相場展開を保証するものではありません。最終的な投資決定は、投資家ご自身の判断で行われますようお願いします。
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国際金融市場をやさしく解説して、為替の世界のおもしろさを皆さんに広めたいと意気込んでいます。