[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
上記見通しは、見解に過ぎず、相場展開を保証するものではありません。最終的な投資決定は、投資家ご自身の判断で行われますようお願いします。
午前中なぜかドル/円が買われる。なぜだろうなと思っていたら、北朝鮮が黄海で3発の短距離艦対艦ミサイルを発射したとのニュースを目にしました。昔よく言われた有事のドル買いとか、地政学的リスクのドル買いであったようです。ときどきこのような物騒なニュースで動きます。このような場合はセオリー的にはドル買い、スイスフラン買い、金買いと動きます。その後輸出のドル売りでも出ているのか直ぐに下落基調ですね。
兜町が200円以上の上昇です。上海株式市場が上昇したということと、機関投資家の化粧買いとの話のようです。本邦企業の多くが3月末に決算期を迎えます。むりやり株価を一時的に吊り上げておいてバランスシートのアセットサイド(資産)を良く見せる手です。4月になると今度はお化粧落としが始まるのでしょうか。
昨日からのニュースでちょっと補足しておきたいと思います。何気なくウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)を読んでいましたら、BOE(イングランド銀行)が利下げに踏み切るらしいとの見出しが躍っていました。内容を読むと観測記事に過ぎませんが、WSJという有力紙が書いているから信憑性が高いと市場関係者は読みます。私は前回の政策決定委員会の議事録の内容で、かなりeasing とか deteriorate といった文字が躍っていましたから、可能性はあるな、インフレ対策と同時に同じアングロサクソンの国、経済が似通っていますから景気の流れも似ており、これはと思いました。議事録→キング総裁→ビーン委員と流れは利下げの可能性とポンド高の是正が出てくると読みます。
そしてこれも面白い記事です。韓国年金基金(運用資産規模約22兆円)が米国債購入を打ち止めとしたと発表しました。代わりに利回りのより高い欧州政府発行の国債に振り向けるとのことです。確かに米国の2年債の利回りは昨日約1.70%ですから、ドイツの2年債が現在3.42%と比べると魅力がなさそうです。去年の6月近辺の米国の2年債は約5%ありました。FOMC(米連邦公開準備委員会)のデータを調べてみましたら、1976年以降で一番高い利回りは1981年9月の16.46%で、一番低い利回りは2003年6月の1.23%でした。(monthly data base)ドル資産の他通貨への資産への移動が着実にいろいろな所で始まっています。ドル安要因です。本邦財務省はどうしますか?
エリック・ローゼングレン(Eric Rosengren)ボストン連銀総裁が韓国のソウルで講演されました。その中で、銀行のバランスシートの圧迫は実体経済に金融ショックを伝えかねないと述べられました。米経済が減速傾向を強める中、金融機関の信用不安が深刻化する可能性があるということです。ドル売りの2大要因の一つの解決の目途はたっていないということです。これもドル安要因です。
今晩の予定を見てみましょう。要注意の経済指標が出ます。まずは、英国の第4四半期のGDP(国内総生産)の確定値です。これは改定値が+0.6%(前期比)ですから、あまりぶれないと思いますから、余程の数字が出ない限りポンド相場には影響なしと読みます。次にスイスの3月のKOF先行指数です。元スイス系の者としてはちょっと気になります。予想は+Ⅰ.60%(前月比)です。そして米国市場では何といっても3月のミシガン大学消費者信頼感指数です。予想は70.0です。(速報値は70.5) 3月の景気動向のヒントが出ますので、為替相場に敏感に反応します。このところは、悪い数字に対してドル売りに反応し、良い数字に対して市場は無視する傾向にあります。あと2月の個人所得(予想+0.3%)、個人支出(予想+0.1%)です。これも上記同様の傾向があります。ドルベアのリスクに振れる可能性が高いと言えます。
それでは為替市場について話しましょう。金は現在944ドル(1オンス)での取引と動いていません。ストカスティック分析が参考になります。ドル/円は60%くらいでファースト・スローとも上昇気味ということでドルの戻しがあってもよい雰囲気です。上の100.00辺りをつける可能性があると思いますが、実需のドル売りで壁となると思います。101.00と96.00のレンジ内で大きな流れはドルベア(弱気)の96.00方向と読みます。ユーロ/ドルはファースト・スローが交錯して上昇とこれはユーロブル(強気)のサインです。1.5700がサポート(支持線)となり、1.6000方向と読みます。ポンド/ドルもファースト・スローとも上昇とポンドブル(強気)のサインですが、BOE分析の結果、ポンド下落リスクを考えるとこの通貨は現在アンタッチャブルです。そして一番解りやすいオージー(豪ドル)/ドルはファースト・スローとも交錯後の上昇波動と完璧なオージーブル(強気)です。0.9600方向を読みます。いつものことながら、クロス円はドル/円での下落スピードの速さから梯子外しにあいそうで、円ロングの外貨ショートの方がよいと考えています。
解説:KOFスイス先行指数:Konjunkturforschungsstelleの略です。スイス経済の6ヶ月から9ヶ月でのスパンの景況感を示します。
それでは今週も疲れた週間になりましたが、ゆっくりと休みましょう。TGIF(Thanks God It’s Friday!)の略です。週末にディーラーの間で交わす言葉です。
上記見通しは、見解に過ぎず、相場展開を保証するものではありません。最終的な投資決定は、投資家ご自身の判断で行われますようお願いします。
03 | 2025/04 | 05 |
S | M | T | W | T | F | S |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | ||
6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
13 | 14 | 15 | 16 | 17 | 18 | 19 |
20 | 21 | 22 | 23 | 24 | 25 | 26 |
27 | 28 | 29 | 30 |
国際金融市場をやさしく解説して、為替の世界のおもしろさを皆さんに広めたいと意気込んでいます。