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上記見通しは、見解に過ぎず、相場展開を保証するものではありません。最終的な投資決定は、投資家ご自身の判断で行われますようお願いします。
おはようございます。
朝方東京市場が始まる前にドル/円で98.02までつけたようです。損切りと思われるドル売りのようでした。現在は98円ミドルの取引となっています。金は現在1010ドルでの取引となっています。
先週金曜日の晩もやはり何かがありました。信用不安が金融市場を覆っています。全米第五位の投資銀行ベアー・スターンズの資金繰りが悪化してNY連邦銀行からの資金援助を受けました。24時間以内に急激に資金繰りが悪化したそうだ。株価は47%下落です。私には日本長期信用銀行の崩壊とダブってしまいました。一度金融機関が破綻の糸口を開けてしまうと倒産へと向わざるを得ないと思います。おそらくどこかの金融機関が買収することになるのでしょう。この種の話はまだヘッジファンドを含めてまだまだ氷山の一角ではないのかと私は推測します。
一番困っているのはバーナンキFRB(米連邦準備理事会)議長ではないのでしょうか。2000億ドルの資金供給拡大、しかもRMBS(住宅ローン担保証券)を引き受けて国債を貸し出すという奇策まで打ち出したのに。これで明日(18日)のFOMC(米連邦公開市場委員会)で、利下げ幅がどれだけになるのか、そして同時に発表される委員会声明がポイントとなります。シカゴ先物市場では50%の確立で1%の利下げが見込まれています。信用不安の根深さから1%もあるのかなと私は傾いていますが、1%利下げですと政策金利(フェッドファンドレート(FF Rate))は2%となってしまいます。今の段階で2%に引き下げてしまうと、次は1%台を市場は要求することになります。そうなると現在の日本銀行の政策ジレンマの状態に近づきます。0.75%として、次に0.50%のカードを残すと最終的に1.75%に留めることができます。1%ですと、次は0.5%として1.5%のFF Rateとなります。それでも効果がないと更に0.5%のFF Rate 1.00%となります。FRBとしては1%台のFF Rateは短期に留めて、信用不安の払拭と景気回復路線に乗せたいと考えるはずであると思います。そうそうFRBは簡単にカードばかり切ることはできません。私は0.75%の利下げが妥当と思います。1月31日当イーブニングレポート「先読み」を参照ください。私が1月31日時点で予想した最悪シナリオよりも1ヶ月早く動いています。2003年7月~2004年6月までFF Rate 1%が続きましたがここまでバーナンキ議長考えられているのか市場は熟慮することとなります。
経済指標を見てみましょう。注目していた2月のユーロ圏CPI(消費者物価指数)は3.3%(前年比)と前月よりも0.1%高い数字です。ECB(欧州中央銀行)のインフレ目標の2%よりもさらに広がりました。これは潜在的な米欧の金利差拡大をかくにんすることとなり、ユーロへの資金流入を促します。そして米国2月のCPIは前月比フラット(変わらず)でしたから物価は落ち着いていると判断されました。3月ミシガン大学消費者信頼感指数速報値は70.5と予想よりも高い数字でした。米国の経済指標は、ベアー・スターンズ資金繰り悪化の報道でかき消された全く無視された形です。
金融市場は信用不安がメインテーマとなっていますから、安全志向、資金逃避、そしてドル安によるインフレ懸念からの商品へと向いました。金は1009ドルまで上昇しました。金は商品と言うよりも通貨としての特質も持っています。原油も110ドル台、株安の債券買いへと自然に向いました。為替市場はブッシュ大統領が繰り返し口先介入をされていますが、流れを止めることはできません。ECB理事のクラウス・リープシャー(Klaus Liebscher)氏が、ドル下落に対する強い懸念を表明されたことにちょっと注目です。
為替市場は、円とスイスフランに資金が向ったようでした。これは円キャリートレードの巻き戻しであると推測されます。スイスフランは政策金利2.75%ということで、低金利で資金調達ができます。またスイスフランは歴史的に安全志向の避難先通過として金融不安の時には買われます。昔スイス系に在籍していた者としては、ドル/スイスフランの1.0000割れは本当に感慨深いです。ユーロ圏のCPIが3.3%とインフレ懸念が残り、金利は高止まりです。必然的にユーロに資金が向います。大西洋を挟んで政治・金融当局が口先介入を繰り返しています。実弾介入を警戒しないといけないと思います。ユーロ/ドルの1.5700は重要な節目ですから注意しましょう。次の節目は1.6000となります。
ドル/円がNY終値で99円台前半となり、一時88円台を付けました。キャリートレードの巻き戻しでスイスフラン同様に、円を買わないといけない投資家がまだ存在するということです。テクニカル的には101.00がレジスタンス(抵抗線)となり、下は96.00となります。短期売買に徹した方が良いと思います。ドルのセル オン ラリー(Sell on rally)です。移動平均線日足9日101.61, 21日104.32は共に下向きとドル売りですが、参考になりません。時間足で見ますと9日99.00, 21日99.76となります。参考となる数字です。毎日チャンスであるとともにリスクも伴います。しっかりとした方針をもって相場と対話しましょう。ニュースもいろいろ出ますので注意を。NYからのニュースは意外と昼休みにでます。新たな信用不安とか噂が飛び交います。クロス円はドル/円での下落リスクが高いので、円ブル(強気)に振れやすい方向です。
シカゴ(CME)筋情報:3月11日時点
円 ネットロング 50,153枚(前週比-6,132枚)、ユーロ ネットロング 29,099枚(-2,911枚)、ポンド ネットロング 21,229枚(+5,515枚)、スイスフラン ネットショート 4,248枚(ロングからショートに転換 ネットで4,415枚減)、オージー(オーストラリアドル) ネットロング 31,692枚(-5,694枚)、キューウィー(ニュージーランドドル)ネットロング 12,396枚(-1,235枚)
円のロング(円買い持ち/ドル売り持ち)が一番目立ちます。但しシカゴ筋はしっかりと利食いも入れているようでネットロングの枚数が少なくなっています。ポンドだけネットロングが増えましたが、これは相場が若いからだと思います。週末にかけて利食いを入れたのか、それともポジション増やしたのか来週の数字が注目です。スイスフランは週末の動きを読むとおそらくロングに転換していると予想されます。逃避避難先通貨としてスイスフランは貴重です。
それでは相場の流れに乗ったトレーディングに試みましょう。相場は皆さんのお友達であることをお忘れなく。戦ってはいけません。それでは頑張りましょう。
お知らせ:今日夕方の駅売り「NSJ日本証券新聞」(正式には3月18日発刊)に為替のコラムを投稿しています。毎月第1第3月曜日の2回投稿です。要点だけを書いています。偶然にも為替相場が最も荒れている日に私の番に巡ってきます。週のキックオフで相場に影響与えてしまうのでは考えながら書いています。一部180円。宜しくお願いします。
上記見通しは、見解に過ぎず、相場展開を保証するものではありません。最終的な投資決定は、投資家ご自身の判断で行われますようお願いします。
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国際金融市場をやさしく解説して、為替の世界のおもしろさを皆さんに広めたいと意気込んでいます。