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上記見通しは、見解に過ぎず、相場展開を保証するものではありません。最終的な投資決定は、投資家ご自身の判断で行われますようお願いします。

おはようございます。

 

 

今日一番目についたニュースはゴールドマンサックスの調査レポートです。負債比率の高い米金融機関は今後4,600億ドル(約46兆円)の信用損失を受けることになるとの見通しです。そして劣化した証券に絡む損失が現時点でまだ半分以下しか損失計上されていないということのようです。これが本当であれば、まだまだ欧米主要金融機関、保険会社、ヘッジファンドからの損失計上の噂に市場は事欠かないようだ。信用不安はまだまだ収まらない気配です。どこまでゴールドマンを信ずるかですが。ジム・オニール氏の分析は鋭いことで定評があります。(彼のレポートとは確認できませんが。)

 

 

米国のファンダメンタルズの悪化のニュースも出ました。3月の消費者信頼感指数が市場予想の73を大きく下回り64.5と発表されました。これは仰天の数字です。というのは73でも2003年以来の悪い数字なのにそれを約10ポイント近く下回っています。そして、時々注目されるS&Pケース・シラー住宅価格指数(全米主要10都市部の住宅価格調査)の1月の数字が発表され前年同月比でマイナス11.4%と、下げ幅は1987年調査以来最大とのことです。ファンダメンタルズも悪い。ということで今週出てくる米国経済指標にますます注目が集まります。

 

 

金融市場はどのように反応したのでしょうか?昨日からの動きを振り返ってみましょう。米国の信用不安とファンダメンタルズ悪化が相乗効果となりドル売りとなりました。ウォール街は小反応で、債券相場が安全志向(ゴールドマンレポートの影響か?)で買いが先行(債券では買われると債券価格が上昇して、利回り(イールド(yield))が下がります。)、金価格も上昇で現在938ドル(1オンス)と昨日とくらべると大幅高の、ポジション調整消化後の新たな新雪の積み上げではとも思えてしまいます。

 

 

為替市場では一番素直に反応していたのがオージー(豪ドル)/ドルですね。読みどおり0.9100がテイクン(Taken)されたら素直に買われました。オーストラリアのファンダメンタルズは視界良好そして金融政策は引き締め基調継続と分りやすい。そして信用不安とファンダメンタルズ悪化の米国とは必然的に為替レートに反応します。ドル/円は、99円台ミドルまで下げましたが、現在100円を挟んだ展開のようです。シカゴ筋を中心にファンド筋の利食いと資金繰りに窮して買い戻さざるを得ない投資家が出ているような気がします。しかし100円台では日本の輸出担当者が目を光らせています。3ヶ月のファーワード(スワップ)がディスカウントの45銭、6ヶ月で80銭ですから、単純にスポット100.456月物、100.809月物を押さえれば100円で出来上がりレートとなります。この水準(100.40100.80)を注意しましょう。ドル売りが出るはずです。でもそこまで戻るのかなという気持ちも強いですね。ということでドル/円はファンダメンタルズ及び信用不安を抱える米国の状態を考えるとドルのセル オン ラリー(Sell on rally 上に跳ねれば売りを入れる)スタンス継続と読みます。米国の今週の数字次第で99.00割れも想定しておいたほうが良さそうだ。ユーロ/ドルは1.5400がサポート(支持線)となり1.5700を目指す方向と読みます。今日のトリシェECB(欧州中央銀行)総裁の欧州議会での議会証言が注目です。インフレ最優先を強調されるのか、米国まかせのドル安/ユーロ高に言及されるかが。インフレ抑制が市場で強調されてしまうと1.6000が見えてきます。ポンドはどうももやもやしながら上昇しています。ユーロ/ドルとユーロ/円が桁は違いますが同じような数字で動いています。非常に分りやすい。ユーロ/ドルが強ければ157.00方向ですが、ある時ドル/円で大幅ドルが下落して梯子を外されるとユーロ/円は大幅下落となります。ロングのクロス円はお気をつけください。むしろショート方が面白そうです。

 

 

余談:フォレックス・クラブ:現在でもフォレックス・クラブの例会が年2回か3回あると聞きます。私が銀行に在籍していた時はほぼ毎回参加していました。通常東京丸の内にある東京會舘の大きなホールを使って行われます。最初に来賓の挨拶があり、日本銀行、大蔵省 現在は財務省の国際局長の挨拶、そして懇談と入ります。私が印象に残っているのはやはり榊原さんの挨拶でした。ミスター円と呼ばれそしてまた当時は日本にも有力なザ・セイホと呼ばれるグローバル・プレーヤーがいました。榊原さんの発言で皆さん外に走ってディーリングルームに電話した会員も多くいました。まだその当時は携帯なるものは存在していませんでした。会場の入り口には会員になれないブルーンバーグやロイターの記者が待機しており、知った記者からは、「榊原さん何か言った?」との質問です。本当にその当時東京外国為替市場は活気がありました。

会場では真ん中のテーブルに東京會舘名物ローストビーフが切り分けてあり、まずはこちらから賞味します。そしてその他美味しいつまみを食べているとだれかから声がかかります。グラス片手によもやま話が続きます。飲み終わるとすかさずきれいなコンパニオンのお姉さんがお代わりを持ってきてくれました。壁に耳ありですから、重要な話はしません。そして邦銀さんディーラーとの名刺交換です。外資系に勤めているとどうしても邦銀さんとの情報網がほしい。それほど、実需筋の玉が邦銀さんに集中してあり、相場は大きく変動しました。最後にそばを食して会場を後にすることとなりました。

 

 

それでは今日も仲良く為替相場と対話しましょう。

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上記見通しは、見解に過ぎず、相場展開を保証するものではありません。最終的な投資決定は、投資家ご自身の判断で行われますようお願いします。

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有り難うございます。
五十嵐と申します。初めまして、毎日拝読しております。解り易い文章がいつも心を癒され穏やかになります。感謝いたしております尚且つ心温まる余談話は、一人で爆笑しております。こんなひとときが私の唯一の楽しみです。今後も宜しくお願いします。
五十嵐 2008/03/26(Wed)10:55:17 編集
Re:有り難うございます。
五十嵐様

はじめまして。
楽しく、やさしく、正確に をモットーに書いています。為替市場の奥の深さと面白さを引き続き解説しますので、拝読お願いします。
それでは。
水谷

>五十嵐と申します。初めまして、毎日拝読しております。解り易い文章がいつも心を癒され穏やかになります。感謝いたしております尚且つ心温まる余談話は、一人で爆笑しております。こんなひとときが私の唯一の楽しみです。今後も宜しくお願いします。
【2008/03/26 11:19】
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プロフィール
HN:
水谷 文雄
年齢:
71
性別:
男性
誕生日:
1953/03/09
職業:
スペイン研究家
趣味:
旅行、陶芸、料理
自己紹介:
スイス銀行(現UBS)などで、為替、金利ディーラーとして20年以上のキャリアを歩む。
国際金融市場をやさしく解説して、為替の世界のおもしろさを皆さんに広めたいと意気込んでいます。
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