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上記見通しは、見解に過ぎず、相場展開を保証するものではありません。最終的な投資決定は、投資家ご自身の判断で行われますようお願いします。

おはようございます。

 

 

先週金曜日にG7(先進7カ国財務相・中央銀行総裁会議)が行なわれました。主要議題は混乱する金融市場の安定ですが、為替市場についても注目の内容でした。4年ぶりに内容が変更されました。「前回の会議以来、主要通貨において時として急激な変動があり、われわれはこれらが経済および金融の安定に与える影響を懸念している。」との文言が入っています。懸念表明は20009月以来です。原文では「Since our last meeting, there have been at times sharp fluctuations in major currencies, and we are concerned about their possible implication for economic and financial stability.」となっています。額賀財務長官はG7での為替についての言及を示唆されていました。また欧州からはユンケル・ユーロ圏財務相会合議長が事前にワシントンに乗り込みブッシュ大統領と会見、そしてトリシェECB(欧州中央銀行)が為替の変動についての懸念を表明していました。そんな圧力が今回の声明文に新たな為替変動の懸念明記となったようです。ポールソン米財務長官が強いドル望むとのコメントが出ました。欧州からはユンケル氏が通貨の最近の動向を好まず。アルムニア欧州委員会委員は、ユーロは過大評価されていると。金利関係では、ウェーバー・ドイツ連銀総裁が、ECBは利下げの余地はない。ユーロ圏インフレは2008年通して上昇する。しかし年末には3%割れを予想すると。(IMF報告と整合性があります。)また為替関連では人民元の上昇について早いペースでの増価を促すとする文言がこれまで通り入っています。これは貿易黒字国への間接的なプレッシャーとなりますから、同じアジアの通貨円の円高要因緩和とは簡単にゆきません。

 

 

それではこれから為替相場はどのように動くのでしょうか。私はひとつの一連のドル売り要因が緩和してきているのではと思います。それは信用収縮問題です。今回のG7では各国の金融当局が協調して金融機関の監督を強化する方向に動いています。一つの要因緩和方向とポジティブに解釈しても良いのではと思うのですが。確かに金融機関とファンド筋の損失は全く確定していません。しかしそれに網を掛けようとの努力は評価すべきではないのでしょうか。そうすると残るのは米ファンダメンタルズとそれに対する国々のファンダメンタルズをどのように比較評価するということです。米国前半の2四半期はマイナス成長と予想されます。ただ、前回の議事録でインフレ懸念により急激な利下げに2人のメンバーが反対していました。利下げ幅をこれから急激に下げるスタンスは弱まるのではないのでしょうか。これまではファンダメンタルズの悪化というよりは信用収縮から発した資金繰り悪化を緩和するために大幅に利下げが行なわれました。ドル安によりインフレが助長されています。

 

 

米国については前述の通りですが、日本はどうでしょうか。やっと日銀総裁が決まりました。しかしガソリン税と道路特定財源の問題、福田内閣の決断力のなさ、小沢民主党の政権奪取目的の法案徹底拒否が続き政治不信が続きます。そして経済自体も日銀短観から分かるとおり落ち込んでいます。円売り状況ではありませんか。米国のファンダメンタルズ悪さに助けられています。2期連続のマイナス成長後の回復兆しが出てくるとドルの反転が本格的に始まります。しかしまだその時期は確認されません。米ファンダメンタルズの悪さからドルのセリングクライマックスがあってもドル/円で95円程度ではないのでしょうか。ファンド筋の最近の懐具合からして大きく仕掛ける余力があるかと言えばちょっと疑問です。それはシカゴのポジション具合を見れば分ります。分りやすい通貨に集中し、効率よく利益をあげようとしていることが伺えます。

 

欧州についてはどうでしょうか。ユーロ圏のインフレ率は高い。しかし年末にかけて落ちてきます。しかし当面は政策金利4%からは下がりません。金利差拡大からしてユーロに資金が流れるのが自然に思われます。しかし欧州金融当局はG7でユーロ高懸念を明確に声明に盛り込ませたことからして、今後も口先介入などでのユーロ高を牽制するはずです。もう少し我慢・我慢とユーロ圏金融当局は読んでいます。年後半になれば自然にユーロ高が解消されると当局は読んでいると思います。(IMF報告書からヒント)市場参加者が当局を試す局面が来るかもしれません。ユーロ/ドルでの1.6000近辺での実弾介入があるかどうかを見たいものです。ディレバレッジからして1.5700が重要な節目となります。ポンドについてはイングランド銀行のポンド下落リスクと利下げ示唆からして、ポンドは更なる下落が予想されます。1.9700は重要な節目です。1.9700が明確に壁となりレジスタンス(抵抗線)となれば1.9000方向へ向うと読みます。ポンド/ユーロでの下落は続きそうだ。

 

 

大きな流れは上述のようではと思うのですが、今日はどうでしょうか。米国株が大幅下落で兜町もお付き合いで下げるでしょう。金は現在920ドル台(1オンス)と先週末のNY終値を下回って取引です。これはディレバレッジを想像させます。ドル/円はディレバレッジとファンダメンタルズの分水嶺となる101.00は重要ですから注意しましょう。どちらかに進むと動きは早いと読みます。ユーロ/ドルは1.5700、ポンド/ドルは1.9700が需要名節目です。オージー(豪ドル)/ドルはシカゴのポジションが一番週間では積みあがっています。更なるオージー高を読んでいるようです。

 

 

シカゴ筋(CME)情報:48日時点:

円 ネットロング 43,067枚(前週比-9,231枚)、ユーロ ネットロング 29,435枚(+363枚)、ポンド ネットショート 12,560枚(ショートが更に+9,800枚)、スイスフラン ネットロング 917枚(-7964枚)、オージー(豪ドル)ネットロング 51,689枚(+14,721枚)、キューウィー(NZドル)ネットロング 8,372枚(+918枚)

 

それぞれの通貨かなり上下に振れましたからポジション落としの動きのようです。円については100円以下でのポジションの損切りとディレバレッジが入っているようです。ポンドのショートが着実に増えています。更なるポンド下落を見越しているように思えます。そしてオージーの更なるポジションの増加です。一番見える通貨にヘッジファンドは資金を動かしています。皆さん参考にしましょう。

 

 

それでは今週も仲良く為替相場と対話しましょう。

 

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上記見通しは、見解に過ぎず、相場展開を保証するものではありません。最終的な投資決定は、投資家ご自身の判断で行われますようお願いします。

おはようございます。

 

 

予定通りのBOE(イングランド銀行)とECB(欧州中央銀行)の金融政策発表でした。BOEが政策金利を0.25%引き下げて5.00%、そしてECBは現行の4.00%に据え置きです。

 

 

BOEは声明の中で今年のインフレ率は一段と上昇すると判断している。ただし信用収縮の悪化と金融機関の与信に問題が出てきているとしています。(要は貸し渋りです。専門的な用語ではクレジットラインをカットするということです。)またポンド安は輸出を支えるとしています。私は引き続き利下げの可能性が次回以降あると読みます。そしてポンド安を。

 

 

ECBは政策金利据え置きですが、トリシェ総裁がこれまでの主張を繰り返されていますが、ひとつ景気減速の話をされたのは注意しないといけません。従来どおりインフレ率の高止まりのタカ派的政策の継続は変らず、そして為替変動の懸念です。「Excessive volatility of exchange rate.」と。金利高止まりということでユーロが1.59台へ進む。

 

 

米国市場に入ると債券市場・短期金融市場に為替動向を読むヒントがありました。例のMBS(資産担保証券)を担保に国債を28日間貸し出す制度 これをTSLF(Treasury Security Lending Facility)と言います。プライマリー・ディーラー(米政府証券公認ディーラー)が借りた国債を担保に資金を最終的に調達できる制度です。10日実施のTSLF500億ドル(約51000億円)の入札に対してわずか3395000千万ドル(約34600億円と応札倍率が0.68倍です。と言うことは、主要金融機関は資金繰りに不安感を感じていないと言うことを意味します。また、大手投資銀行ゴールドマン・サックスのCEOChief Executive Officer)が信用市場の混乱は始まりというよりは終わりに近いとコメント、モルガン・スタンレーのECOも同様のコメントを発表し、こちらも資金繰り不安を緩和したようです。資金が債券から株式市場に向かったようです。金も現在928ドル(1オンス)と売りに転じています。週間の失業保険申請件数が予想(19,000件減)よりも大幅減少の53,000件とこれもウォール街を含めて活況だったようです。特に短期債の売りが膨らんだところが注目です。イールドスプレッドは変らずとスプレッドディーラーには余り妙味なしです。2月の貿易収支は前月比5.7%増でしたが為替市場はその時点での水準以上にはドル売りには反応しませんでした。信用不安緩和がドル買い戻しの要因です。そして今日のG7(先進7カ国財務相・中央銀行総裁会議)待ちの動きでした。

 

 

G7では世界経済がサブプライム問題で混乱し、信用収縮の進行と流動性リスクからくる金融機関の資金繰り状態の当局の監視による金融市場の安定がメインの討議材料となりそうだ。すでに、新聞紙上には共同声明の原案がでており為替についての内容は含まれていません。ただユンケル・ユーロ圏財務相会合議長がユーロ高について議題にすると明言されていましたから、注意しないといけません。また個別の記者会見も要注意です。2月のトリシェ総裁の記者会見は本当に為替相場動向を読むヒントとなりました。

 

 

為替市場は上下に大きく変動しました。ドルが昨日夕方売られましたが、最終的にはG7を控えてポジション調整のドル買い戻しとなったようです。ドル/円は101.00がやはり重要な節目でした。101.00を割ればファンダメンタルズ重視のドル売り。101.00から買われればディレバレッジのドル買い戻しという動きが鮮明です。こうした場面を経験することが重要です。例えば101.00がギブン(given 買いのプライスがヒットされ売られることです。)されたら次のビッド例えば100.99をたたいてドル売りポジションを作り、100.50あたりで利食う。反対に101.00がテイクン(taken 売りのレートを買いたたくこと。)されたら次のオファー(offer)をたたいて、例えば101.01を買う。そして101.50で利食う、といったスタンスです。これは積極的なトレーディング方法です。現状101.00103.50のレンジ取引です。ユーロ/ドルも最高値を目指しましたが、最終的には戻ってきて私が重視する1.5700近くまで戻しています。1.5700が監視レベルでこれもG7次第の動きかと思います。ポンド/ドルも最終的にこれも私が注目する1.9700近くまできて、昨日の私のレポート近くに来ており、安心しました。オージー(豪ドル)/ドルは安心レンジの0.91000.9600です。0.9600方向を読みます。


解説:ディレバレッジ:レバレッジの反対です。リスク許容度を資金調達の多様化で高めることをレバレッジと言います。その反対の動きつまりリスクをもう取らなくそして、ポジションを解消することとなります。

 

 

それでは今日も仲良く為替相場と対話しましょう。

上記見通しは、見解に過ぎず、相場展開を保証するものではありません。最終的な投資決定は、投資家ご自身の判断で行われますようお願いします。

おはようございます。

 

 

ドルが相対的に売られているようです。IMF(国際通貨基金)が発表した2008年の世界経済見通しで米国は0.5%成長との報告が出されました。今年前半はマイナス成長予測が固まってきているので、まずは予想通りかとは思うのですが、金融市場・為替市場は理由付けをほしがっています。分りきったことですが、何か数字が出るとそれで動くのが金融市場です。往々にしてポジション調整の場面が多いとこれは私の経験です。IMF報告書で私がぎょっとした数字はドイツの2009年の成長率です。ミスプリントかと思いましたが、確かに1.0%ですね。今年予想の1.4%から大幅下落です。フランスも1.2%とこちらも若干減速気味。日本の2009年は1.5%と2008年の1.4%から上昇です。低金利政策が効果を発揮するということでしょうか。経済と政治は分離して考えたほうがよいのでしょうか。ということで、ユーロ圏最大の経済国であるドイツの景気後退の可能性があるということです。これはIMFの分析内容を調べてみる価値はあると思います。今年後半にECB(欧州中央銀行)が金融スタンスをタカ派からハト派に変ってくるかもしれませんので注意しましょう。現状ではユーロ圏のインフレ率3.5%に対して、目標インフレ率が2.0%ですから、到底利下げなどはありえません。

 

 

昨晩何があったか振り返りましょう。まずは英国。2月の鉱工業生産(+0.3%前月比)、2月の製造業生産(+0.4%前月比)と市場予想よりも高かったことからポンドも買戻しが進んだようです。しかしこれは交通事故みたいなもので、大きな流れのポンド安方向は変っていません。今日のBOE(イングランド銀行)の政策決定委員会に注目です。0.25%の利上げが予想されます。(現行5.25%) ユーロ圏の第4四半期GDP(域内総生産)確定値は+0.4%(前期比)と前回の改定値と同じで反応なしの過去の数字ですから市場は無視。米国では2月の卸売在庫が発表されましたが、+1.1%(前月比)とこれはIMF報告書や昨日発表のFOMC(米連邦公開市場委員会)の内容をしっかり読んだ市場参加者からのドル売りで、無視された形です。バーナンキFRB(米連邦準備理事会)議長の講演があるはずですが、まだ内容が出ていませんので気になるところですが。

 

 

金融市場をみると金が現在933ドル(1オンス)で取引と一見ドル安の安全志向・逃避先とのイメージが出るところですが、これは米国内の原油在庫が大幅減少というとこで原油価格が史上最高値(WTI:112.21ドル(1バーレル))をつけたことによります。債券市場をみると短期債が買われています。これも一時的な資金の逃避とも見えます。したがって10年債と2年債のスプレッドが私の計算では171bps(basis points)と拡大しつつあります。これはイールドカーブのステーブニングの兆候と言えます。米ファンダメンタルズを嫌気した資金の安全志向が出ていると思われます。(26日付け特別レポート:イールドカーブのスティプニング参照ください。)

 

 

ユーロ/ドルでは両通貨の金利差拡大をむりやり理由付けしたような為替相場でした。重要な節目の1.5700を上回ってきていますので敬意をひょうしないといけないようです。今日のECB(欧州中央銀行)の定例理事会ではタカ派が強く、インフレ懸念抑制が最重要課題として金利据え置き(現行4.0%)の予想です。いつものことながら理事会後の記者会見の内容は注視しましょう。1.57001.6000のレンジの動きではと思います。ドル/円はユーロ/ドルのユーロ買いトレンドからの影響からか若干ドル売りが進んでいるようですが、私の重視する101.00までは至っていません。101.00103.50のレンジでポジション調整の範囲内で大きな仕掛けはないと思います。ポンド/ドルは一見昨日の良い経済指標でポンド買いが進んで重要な節目1.9700を上回ってきていますが、大きく突き進む勢いはありません。今日のBOEの政策金利発表そしてポンド下落リスクの話からして1.9700を再び割ってきて1.9350方向と読みます。オージー(豪ドル)の見方は全く変っていません。

 

 

BOEECBの各重要会合についてはイーブニングレポートでも取り上げます。

 

 

余談:本当に美味しい食べ物がないロンドン(英国)のエビソード:ロンドンに2週間程出張しました。セミナー参加が目的ですが、最初の日のランチはロンドンの知り合いのディーラーのご馳走です。どこに連れてゆかれるのかなと思ったらセント・ポール大聖堂近くのインドレストランです。流石大英帝国の旧植民地でインドレストランが多くありました。美味しく頂きました。夜誘われました。パブにです。つまみがありません。延々とワンバインのジョッキでどんどんと飲みます。私も日本では強いほうだと思っていましたが、こちらでは土俵が違いました。私は3杯でもうふらふら。先に帰ると言ってロンドン名物の箱型タクシーを捕まえて帰りました。翌日からは別のディーラーがお誘い。どこに昨日行ったのかと聞かれてパブでビール飲んだと答えました。そこで美味しい店に連れてゆくといわれて行った所が今度は中華料理店です。こちらは日本で慣れ親しんだ味でちょっとほっとしました。その翌日は誘いを断って寿司屋で美味しくもない寿司で日本の味を賞味する。ある日ロンドン駐在で以前親しかった債券ディーラーの日本人女性に誘われて老舗デパートのハロッズ近くのイタリアレストランにご招待です。ここのイタリア料理が2週間の滞在で一番上手い夕食でした。パスタと魚料理そして美味しいワインに最後はデザートとやはり日本人女性の味覚は素晴らしいと感激して帰りました。2週間目に入りそろそろセミナーも終了モードとなりました。全員(世界中から30名程集められました。)で夕食会です。美味しい英国料理が食べられかなと思ったらタイ料理と中国料理が交じったわけの分らない料理です。美味いと思って食べるしかない。その後は例によってパブで飲み直しです。残すところ2日。最も親しい地元ディーラーに私は告げました。「2週間ロンドンにいますが、美味しい英国料理を全く食べていません。」と告白する。すると彼は分ったと言って私をタクシーに乗せ、とあるレストランに連れてゆかれました。ロンドンブリッジを渡ったテムズ川のほとりの眺めが最高のレストランです。何が名物かと尋ねたら「キドニーパイ(kidney pie)」え~!私臓物料理好きではありません。断ってステーキにしました。でもそのステーキはまずまずでした。このディーラーが日本に出張した際に「木曽路」のしゃぶしゃぶに連れてゆきましたら、これほど上手い牛肉は俺の人生で食べたことがないと言われ5皿も追加注文してしまいました。日本の牛肉は世界最高です。結論としてロンドンには美味しい食べ物がありません。だれかこれはお薦めがありましたら教えてください!ローストビーフは東京會舘が最高です。ポンドが注目ですのでつい愚痴が出ました。

 

 

それでは今日も為替相場と仲良く対話しましょう。

上記見通しは、見解に過ぎず、相場展開を保証するものではありません。最終的な投資決定は、投資家ご自身の判断で行われますようお願いします。

おはようございます。

 

ドルが買い戻された昨晩の海外市場のようでした。ポンドの予想通りの下落と、ドル/円はちょっとひやりとしましたがデイレバレッジ効果で予定通り102円台ミドルと、そして予想外に早くオージー(豪ドル)/ドルの0.93台といったところです。(こちらはドル売りのオージー買い)

 

 

昨晩を振り返ってみましょう。夕方英国の3月の住宅価格指数が発表され-2.5%(前月比)と予想よりもかなり悪い数字が出ました。木曜日のBOE(イングランド銀行)での利下げ観測が強まっています。私は0.25%の利下げかなとおもっていますが、市場では0.50%まで見込まれているようだ。(現行5.25%)私が注目していたポンド/ドルの1.9700を割ってきました。シカゴもポンドショートに転換していますから、もう少しポンド売りの仕掛けがあってもよさそうです。次の節目は1.9000ですが、そこまではもう少し時間がかかりそうです。中間の1.9350あたりが当面の目標となりそうだ。

 

 

FOMC(米連邦公開市場委員会)の議事録の話をする前にIMFの数字とヘッジファンドの話をしましょう。

 

 

IMF(国際通貨基金)が8日発表した報告によるとサブプライム関連での世界の金融機関が損失は9450億ドル(約97兆円)となるとのことです。これは昨年11月の報告の約4倍です。サブプライムローン関連だけではなく、商業不動産担保融資に拡大したためとのことです。サブプライムだけでなくオルトAやプライムローンそして商業不動産担保ローン証券(CMBS Commercial Mortgage Backed Security)そしてRMBS 住宅ローン担保証券Residential Mortgage Backed Security)を束ねたMBS(資産担保証券Mortgage Backed Security)までに損失が及んでいるということです。取引所があってポジションをカバーできる金融商品ではないので、理論上の価格で日々値荒いをすることとなり、住宅価格、不動産価格下落とともに損失計上することとなるのです。そして金融機関の中身をみると、保険会社、年金基金、そしてヘッジファンドの損失も指摘されています。ヘッジファンドは1,1002,000億ドル(112200億円~204000億円)の損失が出るとの報告です。ディレバレッジが効いてきそうですね。

 

 

FRB(米連邦準備理事会)ECB(欧州中央銀行)が昨日と一昨日の資金供給の内容を明らかにしました。FRBFRBNYNY連邦銀行)で7日実施のTAFTreasury Auction Facility)で期間28日の500億ドル資金供給です。応札倍率が1.83%で最低応札倍率が2.82%と意外と資金の逼迫観はないようですね。またECBも昨日期間28日で150億ドルの資金を供給しています。中央銀行が綿密に資金供給していることが、金融市場に安心感を与えているようです。このあたりを理解できる為替ディーラーは少ない。皆さん資金供給の動きは重要ですから注意しましょう。

 

 

それではFOMC議事録(先月18日分)について話しましょう。ざっとメディアの話を総合すると、今年前半のマイナス成長の予想と景気減速を深刻に受け取っているとの内容です。二人の理事が大幅利下げには反対したとのことで、サブプライム問題とファンダメンタルズの悪化について認識が一致ということです。9ページに渡っていますので、これからじっくり読んで何か今後のヒントがないか探してみます。

 

 

それでは金融市場について話しましょう。金は現在917ドル(1オンス)の取引と若干下げ、米債券は小動きですが、10年と2年のスプレッドが168ポイントに広がり、リスク回避志向か手前の短い債券が買われ(利回り低下)、その他金融商品から戻っていているようです。それがドル買いを若干促した要素もあったと思います。

 

 

為替市場は昨日と変わりません。ドル/円はディレバレッジ効果でドルが買い戻され102円台ミドルで103.50方向と読みます。ポンドは私が以前から指摘していたように、前回の議事録内容、キング総裁、ビーン委員の発言を読んでいたところで、実際に住宅価格の悪い数字にやっぱりかと市場参加者の乗ってしまった形です。ポンド/ドルで1.9700を割ってきています。ポンド/円ではドル/円での戻して一見ブルトレンド(強気)に見えますが、ポンド要因を重視すると逆にポンド下落リスクが高いのでポンド売りがベッターと思います。ユーロ/ドルは依然1.5700を挟んでこう着状態です。オージー(豪ドル)/ドルは最初に指摘しました通り、意外と早く0.93台に乗ってしまったなという印象です。利食いも一考と昨日述べましたが、それも良いでしょう。またポジション残して0.9600までを目指しても良さそうです。一番安心できる通貨です。オージー/円もロング継続です。

 

 

余談:ブローカーさんからの贈り物:昔はお中元とお歳暮を頂きました。銀行のディーラーとの良好な関係を続けるためにとのことでした。紀州の梅干を年二回もらって重宝しました。薄味の美味しい梅干を樽一杯も。ブローカーさんとディーラーの癒着が当時問題となりました。そしてダイレクトディール(銀行間での直接取引)が進むとブローカーさんの収益の悪化が急速に進みました。そんな時に盆と暮れの贈り物は時代にそぐわないし、業界の浄化のためにもとある年からは廃止されました。そのほうが、後腐れなく、いつも中立の立場でブローカーさんと取引ができます。ディーラーも人間、同じレートであれば、ボタンがひとつ違う、T社に行くかU社に行くかは、ディーラーの判断です。どうしても情が入ってしまうと、ついU社のボタンを押したりして。人間というのは弱いものですね。でも、ある時から月次の収益と各ブローカーさんのブローカレッジが表になって出されると、何と収益に対してブローカレッジの占める割合が高いのかを実感しました。(例えばある月の収益1000万円、ブローカレッジ500万円 ネット収益500万円)それからは、とにかく中立、なるべくブローカーさんは使わないで DD(Direct Deal)ということになりました。これでブローカーさんは干上がってしまったとも聞いています。

そういえば、Mブローカーさんから何かの記念日に配られたドイツ製の鼻毛切り、まだ使っています。本当に重宝しています。

 

 

それでは今日も仲良く為替市場と対話しましょう。

上記見通しは、見解に過ぎず、相場展開を保証するものではありません。最終的な投資決定は、投資家ご自身の判断で行われますようお願いします。

おはようございます。

 

 

外はひどい天候ですが、外為市場は凪の状態です。重要イベントを控えて様子見のようですね。ただし、ディレバレッジ効果だけは効いているようです。

 

 

日本銀行の総裁に白川副総裁が昇格する方向で、何とか11日開催のG7(先進7カ国財務相・中央銀行総裁会議)出席に間に合わせたようです。民主党の頑なな財務省出身者の拒否によって大きく混乱してしまいました。副総裁候補の渡辺氏は元財務官だから拒否の姿勢です。福田総理のリーダーシップが問われ始めています。どこのメディアも内閣支持率が30%以下と死体同然のようです。ねじれ国会で予算も決められない状況では潜在的な円売り材料に今後なっていくような気がします。予算も決められないから最終的には解散総選挙の方向とどうも世界から見れば政局混迷、景気が低迷、株価低迷と悲観的材料ばかりです。(ユーロとかポンドはこのあたりの材料に忠実に反応するのですが。)今日の日銀政策決定会合は9日に正式に国会で白川総裁が承認される方向ですから、総裁代行として会議を進められることになりそうです。明日までですが、現在の政策金利の0.5%の変更はなさそうです。

 

 

日本のファンダメンタルズが悪いとの数字が出ています。2月の景気動向指数で、景気の現状を閉める一致指数が44.4%と2ヶ月連続の50%割れです。現在為替市場では特にドル/円では米国のファンダメンタルズの悪さに市場が目を向けていますが、ある時から日本のファンダメンタルズに焦点が当てられるかもしれませんので、日本のファンダメンタルズもしっかりと把握しておきましょう。ある時きっと役に立ちます。

 

 

昨晩の記事のなかでは、中国の銀行が適格国内機関投資家制度の下で、顧客資金を米国の株式や投資信託ファンドに投資できる方向で認可するとの見通しであるとの記事を目にしました。中国マネーの投資先として米国に向かう可能性があります。

 

 

昨晩の金融市場を振り返ると金曜日の雇用統計発表で悪い数字が出たものの、どの金融商品も落着いた動きをしています。米国経済凋落との話が出てきません。リスク志向へと徐々に向かっているとも見えます。長期金利が上昇し、株価が堅調、しかし金とか原油は依然高水準です。ただ根底に流れるディレバレッジには注意を。

 

 

為替市場は本当に静かですが、ドル/円は堅調と言えます。シカゴ筋の円ロング(ドル売り持ち/円買い持ち)ポジションが依然積みあがっています。また新年度入りでの日本の年金基金が海外資産への投資を始めたとの報道が流れており、ドル堅調を支えているようです。東京の日中はこうした新年度入りによる海外投資マネーと本邦輸出企業による先物ドル売りが交錯する展開ではなかろうかと思います。102.00103.00の範囲で終始するでしょう。

 

例のユンケル・ユーロ圏財務相会合議長が、ブッシュ大統領と9日に為替レートについて協議するとの派手は記事を見ました。G7での前宣伝を狙った発言ではなかろうかと思います。木曜日の定例理事会での政策金利(4%)の据え置き予想と、G7でのユーロ高懸念の討議とユーロの頭は今週は押さえられそうだ。ユーロ/ドルの注目の節目1.5700を注視です。オージー(豪ドル)/ドルはやはりというか強いですね。0.9600方向と読みます。オージー/円での日足がゴールデンクロスとなりました。ドル/円でのディレバレッジからしてブルトレンドが続きそうだ。

 

 

余談:ブローカーさんとディーラー:テレビで丸い机を囲んで外国為替市場の様子がテレビで映されることがあります。銀行間取引の仲介をする場です。登場しているのはディーラーではなくて、ブローカーさんです。よくブローカーさんとディーラーとが混同されることがあります。ディーラーは銀行のディーリングルームにへばりついています。昨今情報漏れなど、うるさくなってきているようで、なかなか銀行のディーリングルームの様子がテレビでは映し出されません。立場的には、どうしてもディーラーが注文を出す立場ですから強いように思われます。ローターディーリングと呼ばれる電子取引が普及したことから、ブローカーさん経由での取引が減ったとも聞いているのですが、最近やはり生の情報が聞き取れるとのことで再び脚光を浴び始めてきているとも聞きます。スクリーン上での取引はなんとも機械的です。確かに確実にレートを思う存分ヒットできるのですが、所詮コンピューターゲームのようです。でも実際に膨大な資金が取引によって動くので実際には大変なことがおこなわれているのですが。ボイスボックス(専用線でブローカーさんと銀行のディーラーとの間で結ばれています。)から流れてくる昔ながらの取引形態には人間が行っているとの市場を実感させ、また隠語が飛び交うことで、なんとなくどこが買ったり売ったりしているのかが伝わり、体で外国為替取引をしていることを実感させます。個人的にブローカーさん経由の取引増大を願いたいものです。

 

 

それでは今日も為替相場と仲良く対話しましょう。

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プロフィール
HN:
水谷 文雄
年齢:
71
性別:
男性
誕生日:
1953/03/09
職業:
スペイン研究家
趣味:
旅行、陶芸、料理
自己紹介:
スイス銀行(現UBS)などで、為替、金利ディーラーとして20年以上のキャリアを歩む。
国際金融市場をやさしく解説して、為替の世界のおもしろさを皆さんに広めたいと意気込んでいます。
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