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上記見通しは、見解に過ぎず、相場展開を保証するものではありません。最終的な投資決定は、投資家ご自身の判断で行われますようお願いします。

おはようございます。

 

為替相場は予想以上に大きく動いたようです。ポジション調整の動きのようです。

 

 

シティグループが第一四半期に純損失を51億ドル(約5,300億円)、税引き前評価損60億ドル(約5,200億円)を計上した。しかし、信用不安は相当織り込まれたようでした。株は上昇し、債券市場では2年債と10年債のスプレッドが急速に縮まりました。スプレッドは157と週初の173から随分と縮みました。これで分かることは、信用不安が解消して、リスク志向へ投資家に目の向いていると言えます。株式市場に資金が戻って来ています。金相場は915ドル(1オンス)と、大幅下落とやはり安全志向からリスク志向へむいています。

 

 

注目の経済指標はなかったのですが、各当局者が発言をされました。リーカネン・フィンランド中央銀行総裁が、「利下げの余地は全くない。利上げの可能性も排除できない。」との発言です。また、リープシャー・オーストラリア中央銀行総裁は、「利下げの余地はない。利上げの可能性は排除しにない。」と、同様の発言です。この発言によりユーロ/ドルが上昇したようです。米国市場に入ってからは、米国の金利についてフィッシャー・フィラデルフィア連銀総裁が、「金融政策は、金融安定化措置とは分離が必要である。金利水準は景気刺激に十分である。利下げは万能ではない。」と、持論を展開された。これでドルの下げ止まり感がでてきたようでした。

 

 

金融市場・為替市場に移ります。ドル/円は私が注目していました103.50の節目を簡単に破って104.65近辺までつけました。ディデリバレッジが効いているようです。ただ、やはりドルの上値ではやはり売りたい市場参加者の売りで頭が抑えられたようです。レンジ的には、103.50106.00の幅に入っており、103.50が節目のようです。もう一度ドルの上値トライではなかろうかと予想します。ユーロ/ドルは、ECB(欧州中央銀行)メンバーの発言の効果もなく、ディレバレッジ効果が働いたようです。でも1.5700のサポート( 支持線)は破られてはいません。問題はポンド/ドルです。シカゴ筋は確かポンドショートでした。ビーン委員の発言とBOE(イングランド銀行)の新たな金融政策により、ショートの損切りの加速させたよいです。水曜日の議事録を読まないと正直わかりません。2.04001.9700のレンジの動きのようです。オージー(豪ドル)/ドルは引き続き0.91000.9600のレンジで0.9600の方向を読みます。クロス円が引き続きロングでワークしそうです。

 

 

シカゴ筋(CME)情報:3月15日現在

円 ネットロング 47,972枚(前週比+4,905枚)、ユーロ ネットロング 20,093(9,332)、ポンド ネットショート 16,135枚(ネットショートが3,576枚増える。)、スイスフラン ネットロング 5,234枚(+4,317枚)、オージー(豪ドル)ネットロング 44,645枚(-7,044枚)、キューウィー(NZドル)ネットロング 6,594枚(-1,778枚)

 

ポジション調整の市場のように思えます。円は現時点では相当ポジションが減ってきているように思えます。ディデバレッジの効果ではないのでしょうか。ポンドは更に増えてきていますが、おそらく現時点では損切りが相当出できていると思われます。オージーのキューウィーはポジション落としのようですね。

 

 

ぞれでは、今日も今日も為替相場と仲良く対話しましょう。

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上記見通しは、見解に過ぎず、相場展開を保証するものではありません。最終的な投資決定は、投資家ご自身の判断で行われますようお願いします。

おはようございます。

 

 

非常に為替に市場はボラタイルな展開ですが、個人的には金利・債券市場を細かく追っかけてゆけば見えてくるなとの印象です。しかし細かいところまで追っかけないといけません。

 

 

米債券市場からヒントが見えてきます。私は毎日米10年債と2年債のスプレッド(金利差)を見ています。そして昨日のNY市場では162bps(basis point プロが使う用語です。)の差があります。私のメモによると327日時点では183bpsありました。随分とスティープニング(2月6日特別レポート参照ください。)が解消してきています。これを逆にフラットニング(Flattening)と言います。短期の金利が上昇してきて長期との金利差が縮まります。(債券ディーラーの金利読みの腕の見せ所です。債券ディーラーは為替ディーラーよりも金融機関では何倍も稼ぎます。その分給料も良い。)そして2年債の金利が昨日おかしな動きをしました。前日の1.99%から2.10%に急上昇です。もう少し理由を調べてみました。金利ディーラーの間では短期金利がこれ以上下がらないとの思惑が働いています。短期金利の3ヶ月物にそのヒント。16日には2.73%、そして昨日は2.81%と上昇しています。短期金利が上昇してきているので、金利上昇リスクをヘッジするために2年債を売っているのです。(債券では売ると価格が下がり、利回りは上昇します。)これが昨日のNY金利・債券市場の動きです。これから分るのは今月29/30日のFOMC(米連邦公開市場委員会)では大幅利下げはないと思われます。0.25%くらいかと言ったところが米金利・債券ディーラーのコンセンサスです。ひょっとして利下げはないと読んでいる金利・債券ディーラーもいるかもしれません。実質的にマイナス金利ですから。この金利・債券市場の動きはドル買い要因となります。為替ディーラーの見方とはちょっと違います。理由:多くのプロの為替ディーラーは金利のことが深く理解できない。ということで、皆さん金利を勉強しましょう。プロの為替ディーラーの上を行くことができます。

 

 

いろいろと金融当局者から発言がでました。まずは、ユーロ圏当局の話。例のユンケル・ユーロ圏財務相会合議長が、G7のメッセージを正しく理解していないと為替市場を牽制しました。ユーロ/ドルの最高値を更新する動きは望まない。過度の為替レートのボラティリティは世界的成長に好ましくないと。ユーロの頭が押さえられたようです。そしてウェーバー・ドイツ連邦銀行総裁が金利下げの一部観測を否定するコメント。ECB(欧州中央銀行)はインフレリスクに断固として予防的に対応する必要がある。またG7声明で当局の意向は自明としています。金利・為替両面で釘を刺しています。

 

 

米国市場に移っての発言。前回のFOMCで反対票を投じたフィッシャー・ダラス連銀総裁が利下げに否定的な発言をされたようです。もともとインフレ懸念派ですから、次回の投票でもひところ述べられ反対票に回られると思われます。(前述の債券市場との関連でヒントとなります。)

 

 

欧州に戻るのですが、BOE(イングランド銀行)が来週初めにモーゲージ市場のひっぱく感を解消する対策が出るとのことです。見るとモーゲージ担保証券(MBS)と国債を一時的に交換する対策とのことで、何のことはない米国のTSLFTreasury Security Lending Facility)と同じ策です。米国では28日間国債をMBSを担保にして貸し出すものです。従ってBOEの策も困った金融機関は国債をBOEから借りて、それを担保に資金を借りる方法です。これは、為替市場ではポンド高に反応しているのですが、明らかに逆の方向の反応ではないかと思います。ポンド売り要因と私は個人的に思います。ポンドは利下げとポンド下落リスクが基本です。

 

 

今日はいろいろと金利のことばかり話しているのですが、金融市場では、米国株式市場は債券市場が分れば下げる理由はありません。メリルリンチの話は織り込み済みのグーグル決算を重視とだんだん雰囲気が変ってきています。金も943ドル(1オンス)と小動きです。

 

 

為替市場はドル/円はディレバレッジの領域で103.50方向と読みます。これは米債券市場の要因も考えています。ユーロ/ドルは一旦1.6000をトライしましたが、当局の口先介入で押し戻された形です。ECBは金利据え置きですから、当局と為替市場参加者のにらみ合いです。1.57001.6300のレンジの動きです。まだドリフト状態です。ポンド/ドルは1.99台となっていますが、私には理由なき上昇です。1.9700方向に戻るのではと読みます。オージー(豪ドル)は引き続き左団扇状態ですのでコメントなしです。

 

 

それでは今日も為替相場と仲良く対話しましょう。

上記見通しは、見解に過ぎず、相場展開を保証するものではありません。最終的な投資決定は、投資家ご自身の判断で行われますようお願いします。

おはようございます。

 

 

各通貨ばらばらな動きをしています。それぞれの国のファンダメンタルズと各国金融当局の金利調整スタンスの違いが如実に為替レートに反映されています。解りやすいと言えば解りやすいのですが、各通貨ペアで組み合わせると本当に複雑です。かなりの深いところまで研究しないといけない為替市場です。

 

 

まずは私が個人的に思った注目記事。トヨタ自動車の今期営業利益が2割減になるとの報道です。円高と米景気減速の影響が出てきているようです。そしてその横で日野自動車の米工場閉鎖の報道とこれまで日本経済を引っ張ってきた基幹産業に陰りが出ています。裾野の広い産業ですから、これからじわりじわりと景気の足を引っ張ってきそうな予感がします。円売り材料か。

 

 

さて、昨晩は経済指標発表のクライマックスということで金融市場が大きく変動しました。まずは3月のユーロ圏CPI(消費者物価指数)の発表です。予想を少し上回る前年比3.6%と前月よりも0.1%の上昇です。コア(除く食品+エネルギー)では2.0%(前年比)です。ユーロが大きく買われ最高値をつけました。米国市場では米国の3月のCPIの発表です。前年比4.0%、前月比0.3%です。コアでは前年比2.4%、前月比0.2%とこちらはほぼ予想通りです。そしてその他指標では、3月の住宅着工件数が予想を下回り94.7万件と引き続き悪い数字、反対に3月の鉱工業生産は+0.3%(前月比)とこちらは良い数字です。そしてベージュ・ブック(Beige Book:FOMC(米連邦公開市場委員会)のたたき台資料)の発表と米金融機関の決算発表と続きました。

 

 

ベージュ・ブックは予想通り悪い内容の地区連銀報告となりました。米経済は2月以降悪化が進む。住宅市場の落ち込み、雇用の横ばいもしくは悪化、ただ賃金上昇圧力あり。またドル安が貢献しているのか輸出は堅調です。インフレ圧力との兼ね合いのようで、429/30日開催のFOMCでの利下げは確実視されますが、利下げ幅が焦点となります。イエレン・サンフランシスコ連銀総裁が、「政策金利を必要以上に長期に過剰に低い水準に維持しないように注意が必要。」とのコメントには注意。投票権はないものの、そうした考えの委員がいるということです。ますます利下げ幅に注目です。企業決算ではJPモルガンがサプブライム関連での投資を2007年から控えていたせいか減益ながら予想よりも良い数字、そして西海岸の大手金融機関ウェルズファーゴーがまずまずの決算発表となりました。結果的に金融市場では株式市場が大幅上昇の、長期債の売りが進みました。ドルでの反応はまちまちでした。

 

 

それでは為替市場に移ります。ユーロ圏CPIの数字を受けてECB(欧州中央銀行)は現状の政策金利(4%)を当面維持することとなります。米国が月末に利下げをする方向ですから金利差拡大に素直に反応です。ユーロ/ドルで最高値1.5977をつけました。上の重要な節目1.6000が見えてきました。口先介入はあるものの、実弾介入があるかどうかのレンジに入ってきます。1.6000の上の重要な節目は1.6300です。これはガンスクエアでは1.6000以上に重要な節目です。一度市場は当局の動きを試す動きになるかもしれません。

 

ポンドもトリッキーな動きです。通貨全体のドル売りに最初はついてゆくのですが、やはりBOE(イングランド銀行)のポンド下落リスクと金利引き下げ継続の動きを察してかポンド売へと最終的には向ったようです。ポンド/ドルでの重要な節目1.9700前後にもどってきました。(私の読みどおり。)ここからまた綱引きです。シカゴ筋はポンドショート(売り持ち)で進めるように思うのですが。1.9700を注視です。

 

ドル/円は101.00を海外でタッチしましたが、ドル買い戻しに動きました。何度も101.00を割っていますが、戻ってくるところをみるとヘッジファンドもドル/円でのドル売り余力がないのではと思ってしまいます。ユーロとオージー(豪ドル)に集中しているのでしょうか。ディレバレッジの利食いのポジション落としのドル買い戻しが若干強いのかと思います。101.00103.50のレンジの動きを予想します。

 

オージー(豪ドル)/ドルは一番安心している通貨で0.9300を大きく上回ってきています。そのままポジション維持か少し利食いたいかたは利食いでよいでしょう。

 

 

思い出:チューリッヒの昼飯:外国為替セミナーが2週間チューリッヒの銀行内の会議室で行われました。世界中から50名ほど集められました。中にはドイツ連邦銀行からのスタッフも。そして昼飯です。銀行の建物から歩いて5分ほどの距離のところに銀行専用の社員食堂の大きな建物があります。毎日こちらに出向いて昼食を頂きます。カフェテリア形式なのですが、びっくりです。チューリッヒはドイツ語圏ということでドイツ式の昼食です。即ち、一日3食の中で一番しっかりと食べるのが昼食です。(夜はあっさりサンドイッチくらいのところがドイツ語圏では多い。)メニューがあるのですが、どれもボリューム満点です。大きなお皿にお肉がどっさりです。魚にしても一匹どっさりと皿からはみ出しそうです。イタ飯のパスタも私には超大盛りです。そして付け合せのポテトと。サラダまで付きます。しかし正直これは食べたいなというメニューは私にはありません。これでは2週間で相当体重が増えることは間違いありません。周りを見渡すとどなたもすごいボリュームの昼食を食べています。これではパワーが違うと遠く極東の地から来た私には実感です。食事もゆったりとしたもので、ゆうに1時間はしっかりと取ります。(スペインではもっと長い。)アルコールは流石にありませんでしたが、役員クラスの食堂では絶対に置いてあるはずです。日本人はとかく昼食は仕事の合間に早く食べる習慣が身についていますが、欧州では、生活の重要な一部です。ましてや、最も3食の中で一番大切な食事です。郷に入れば郷に従えとは言いますが、私にはついて行けませんでした。そばが食べたい!

 

 

それでは今日も為替相場と仲良く対話しましょう。

上記見通しは、見解に過ぎず、相場展開を保証するものではありません。最終的な投資決定は、投資家ご自身の判断で行われますようお願いします。

おはようございます。

 

 

金融市場は発表される経済指標に素直に反応しています。そこには現在のポジションと思惑が反映されています。金融市場とか為替市場は血の通った生き物です。どんどん変化してゆきますので、皆さん注意しましょう。

 

 

昨晩を振り返ってみると、まずは英国の指標。3月のCPI(消費者物価指数)が発表され2.5%(前年比)とこれは予想の範囲内でしたが、アジア時間帯に出されていたRICS(英王立不動産鑑定士協会)発表の3月の住宅価格がマイナス78.5と非常に悪い数字であったことから、英経済の悲観論を後押ししました。ファンド筋は既にポンドショート(売り持ち)を作り始めています。そしてドイツのZEW景況感調査指数の発表。こちらはマイナス40.7と市場予想よりもかなり悪い数字です。ユーロ売りの理由付けとなりました。

 

 

そして米国市場に移ってからは米経済にポジティブな数字が出てドルが買い戻されています。3月のPPI(卸売物価指数)が+1.1%(前月比)と市場予想の+0.4%のほぼ3倍の高い数字が出ました。コアは+0.2%です。また注意しないとと昨日述べました4月のNY州製造業景況指数が+0.63と市場予想のマイナス17.5とは正反対の数字が出ました。短期でドルをショート(売り持ち)にしていた市場参加者の買戻しが出たようです。興味深い数字として米財務省発表の2月の米長期証券への投資額がネット(買いと売りを相殺した数字)で725億ドル(約73,000億円)と意外と米国への投資が進んでいます。底と見ている海外投資家がいるようです。中東、アジア筋かもしれませんね。

 

 

金融市場を見てみましょう。ウォール街は若干の上げと債券市場はインフレ懸念からか売り先行で10年債は3.60%まで上昇です。イールドスプレッドは大して変りません。原油価格が上昇もインフレ懸念に油を文字通り注いでいます。史上最高値の113.93ドル(WTI 1バーレル当たり)で取引、そして金も若干の上昇で現在929ドル(1オンス)と堅調です。ただ一時の1000ドルからは相当下げたままですが。ドルの下落を逆に押しとどめているようです。

 

 

今晩が今週のメインイベントとなります。まずは欧州ではユーロ圏も3月のCPI(消費者物価指数)が発表となります。市場予想が+3.5(前年比)ECB(欧州中央銀行)のインフレ目標の2%からは遥かに高い数字です。そして米国の3CPIの発表と続きます。予想が年率4.1%そしてコア(除く食品+エネルギー)で2.4%です。現在のFRB(米連邦準備理事会)の政策金利2.25%ですから、コアで比較すると既に実質マイナス金利です。シカゴの先物市場ではFRB0.50%の利下げ確率が42%から24%に下がってきています。

 

 

為替市場は昨日の経済指標に素直に反応しています。ユーロ売り、ポンド売り そしてドル買い戻しです。ドル/円は私が注目していた101.00を上回ってきました。こちらサイドはディレバレッジの領域です。シカゴなどのファンド筋の利食いの買戻しが進みます。東京時間帯は様子見ですが、海外では米CPIの数字とベージュブック(FOMC(米連邦公開市場委員会)開催の2週間前に公表されFOMCのたたき台となります。)の内容で動きそうです。ドル買い戻しの動きのほうが強いかなという読みです。ユーロ/ドルも今日もCPIの数字次第です。ユーロ/ドルの1.5700を注視です。ポンド/ドルは例の1.9700がレジスタンス(抵抗線)になるかどうかがポイントです。ユーロはドリフト状態ですが、ポンドは下落方向と読みます。クロス円はユーロ/円とポンド/円で一見上昇しているように見えるのですが、これはドル/円での上昇の影響ですから、だまされないようにしてください。ドル/円が上昇する限りはクロス円が上昇していますが、特にポンドについては下落リスクがありますから、絶えず注意が必要です。私はむしろポンド/円はポンドショート(売り持ち)の方が正統派だと思います。クロス円でロング(買い持ち)でワークしそうなのがオージー(豪ドル)/円です。

 

 

解説:カスタマーディーラーとインターバンクディーラー:昨日の続きの話です。1980年代にはカスタマーディーラーとインターバンクディーラーの区別は大きな邦銀さんを除いて外資系銀行では大きな区別はありませんでした。しかし1990年代に入るとだんだんと明確になりました。最初はインターバンクディーラーの経験者がほとんどカスタマーディーラーに移ってゆきましたが、90年代に入るとインターバンクディーラーの経験が全くないカスタマーディーラーが出現し始めました。短期でインターバンクの研修を受けるのですが、あまり役にたちません。ディーリングの経験がなくて、顧客と相場観を交わす訳ですから、いささか説得力に欠けるのではと今でも思うのですが。しかし銀行の顔として前面に出ることとなります。メディアで銀行の名前でコメントされている方の多くがカスタマーディーラーであり、まったくディーリング経験のない方もいると思います。本当のディーリングの怖さを知らない人たちがコメントしてよいものかといつも疑問に思っています。そしていささかインターバンクディーラーよりも俺たちの方が偉いと思う者まで出てくる始末で私は「とほほ」と思っていましたが。また銀行によってはカスタマーデスク(カスタマーディーラーの部門を総称していいます。)で為替のオプション取引を行うところが多いようです。為替オプションはほとんどが顧客向けのサービスです。銀行によっては為替の変動の確率を取引するボラティリティー・トレーディング(Volatility Trading)をするところもあるようですが。

 

 

それでは今日も仲良く為替相場と対話しましょう。

 

 

上記見通しは、見解に過ぎず、相場展開を保証するものではありません。最終的な投資決定は、投資家ご自身の判断で行われますようお願いします。

おはようございます。

 

昨晩の為替相場をみていると対ドルでのすべての通貨で上下100ポイントくらいの動きでそして最終的にその変動幅の中間の位置に戻ってきてしまいます。旗振り役とか先導役がいない状態です。ヘッジファンドも監視の目が今後強くなるのか動きづらくなりそうな分陰気もあります。

 

 

中国株が下落しています。最高値から50%弱の下落とのことです。そこで用語としてディカップリング(decoupling 非連動)なのかリカップリング(recoupling 再連動)かが論議の的となります。ドルの方向性にも材料を提供することとなりそうだ。私はリカップリングに反応するのではと思うにですが。株式が下落すると言うことはバランスシート上の負債サイド(資金調達サイドと思えばよい。)の資本の部門が株式下落によって圧縮されると言うことです。ということはその資本を利用して設備投資とか、営業活動拡大といったそもそもの計画を圧縮せざるをえないということです。これは100%自由主義資本経済ではない中国と言えど、中期的には影響が出てくるのではと思います。リカップリング派の私としては、世界株式への相対的な低迷要因の提供と、世界の工場としての地位は保つものの対米貿易に影響がでてくるのではと思います。

 

 

それと今日から日本経済新聞の金融面が刷新されましたが、外国為替部門が随分圧縮され、低迷する株式市場が張り出してきている印象です。金利と商品先物が並んでわかりやすくなりました。これは好印象です。商品の中に金相場が入っていないのは残念です。金、原油、為替、金利は常に為替にタッチするものとしては見ないといけない部門です。それと、Jパワー株に対する日本政府の規制論議は面白かったですね。海外では国防関連では規制があるが、電力分野では網はかからない、ましてや20%くらいのシェアーでは。羽田空港会社の問題といい、日本政府には柔軟性が欠けているような気がします。構造改革を進めることが全世界で求められていることを認識してほしい。日本買いとはならないですね。

 

 

昨晩は欧州の経済指標は概ね予想通り。米国ではワコビアの資本増強の話と予想より良かった2月の小売売上高(+0.2%前月比)で上下しましたが変動幅の中間点に軟着陸です。相場観がないということです。米債券市場では2年債と10年債とのスプレッドが175bpsと広がりつつあります。長い債券が売られてリスク志向商品に向かうステープニング方向ですが、株式市場はワコビアと前週のGEショックからは立ち直っていません。為替市場だけ騒いでも動きません。

 

 

為替市場を見てみましょう。ECB(欧州中央銀行)メンバーのメルシュ(Yves Mersch)ルクセンブルグ中央銀行総裁が、今年中の利下げの余地はないとの見解を示されました。そしてその後のニュアンスがメディアによって違います。あるメディアはインフレ率が上方修正される可能性があるとの報道があるのですが本当かなと疑問符。「with inflation likely breach the bank’s 2 percent preferred limit in 2009.」との表現がありましたから、IMF報告書から総合するとインフレ率は落ち着いてくると解釈したほうが良さそうだ。誤った報道をするメディアは退場ですね。メルケル独首相がドルに対するユーロ相場上昇はやや頭痛の種だとの発言がありました。ユーロの上昇に対しては、警戒を強めたほうが良さそうだ。ユーロ/ドルの最高値が1.5910だから、やはり1.6000以上での実弾介入があるかどうかといったところです。私はG7での声明内容は尊重すべきだと思います。ヘッジファンドもディレバレッジを進めざるを得ない状況で、一度市場がユーロ高を試して、そしてドルの買い戻し理由をつける方向を読めばシナリオが出来上がるのですが。現状は誰もついて来ません。

 

 

ドル/円はまたしてもファンダメンタルズとディレバレッジの分水嶺101.00に落着いています。土俵で両者睨み合っている状況です。どちらに振れてもおかしくありません。短期売買目的であれば30~50銭狙いの短期トレーディングに徹するべきであると思います。ユーロ/ドルは1.57001.6000のレンジに入っています。米欧の金利差拡大観測で上値トライ方向のようです。ポンド/ドルは1.9700を注視で、割ればポンド下落スピードが増すものと予想するのですが、動きが鈍すぎます。現在は一番解りやすいオージー(豪ドル)/ドルでのロングポジション(買い持ち)が一番安心できるようです。昨日も悪い経済指標が出ても結果的に0.92台前半ではオージー買いが入っています。見える通貨で頑張りましょう。そして休むも相場です。

 

 

解説:カスタマーディーラーとインターバンクディーラー

相対的に両者は仲が悪い。カスタマーディーラーはそれぞれ受け持ちの顧客に対して情報提供することで取引を行い顧客から手数料を受け取るのが業務です。どうしても顧客側に立って物事を考えます。反対にインターバンクディーラーは日中それぞれの判断でポジションを取り収益をあげるように努力します。そんな最中に突然カスタマーディーラーからの対顧客向けのプライス要求があります。その場合は市場のベストプライスを出すのが原則です。ただし顧客が自動車さんであった場合にはドル売りと分ります。もしも自己ポジションがありドルショートであれば少し右にプライスをずらして顧客に市場レートよりも良い数字が出せます。でもそんなにインターバンクディーラーはお人好しではありません。とんでもない大きな玉を当てられた沈没してしまうこともあります。でもほとんども場合顧客は玉の大きさをあらかじめ言う場合がほとんどです。インターバンクディーラーは顧客玉で必ずしも儲けられるとはかぎりませんから、カスタマーディーラーとは仲が悪いのです。何か事が起こるとディーリングルームの総責任者から呼び出しを受けるのですが、だいたいインターバンクの方に責任を押し付けられる場合が多い。またポジションを専門に取る部隊がおり、これをポジションテイカー(position taker)とはプロプライエタリートレーダー(proprietary trader)と呼ばれています。独自の相場観でポジションを取って収益をあげる部隊です。ディーリングルームの人間関係は皆さん想像するよりも本当に複雑です。

 

 

それでは今日も為替相場と仲良く対話しましょう。

上記見通しは、見解に過ぎず、相場展開を保証するものではありません。最終的な投資決定は、投資家ご自身の判断で行われますようお願いします。

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プロフィール
HN:
水谷 文雄
年齢:
71
性別:
男性
誕生日:
1953/03/09
職業:
スペイン研究家
趣味:
旅行、陶芸、料理
自己紹介:
スイス銀行(現UBS)などで、為替、金利ディーラーとして20年以上のキャリアを歩む。
国際金融市場をやさしく解説して、為替の世界のおもしろさを皆さんに広めたいと意気込んでいます。
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