忍者ブログ
[7]  [8]  [9]  [10]  [11]  [12]  [13]  [14]  [15]  [16]  [17
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

上記見通しは、見解に過ぎず、相場展開を保証するものではありません。最終的な投資決定は、投資家ご自身の判断で行われますようお願いします。

おはようございます。

 

ヘッジファンドは依然ドルを継続して売っているようだ。利食いもしているかと思われましたが、一旦利食いしつつドルを売っています。325日時点のドル/円はNY市場で高値100.68をつけましたが、しっかりとドルを売っていたようです。100.00以上では、日本の輸出業者の先物ドル売りが出ることも頭に入っているようで、安心してドル売りポジションを膨らませています。詳しくはシカゴ筋情報で検証しましょう。

 

 

信用不安もまだまだ金融市場のメインテーマです。欧米の中央銀行がそれぞれ4月以降の資金供給策を発表しました。まだ今日(31日)から明日(1日)までの資金のつなぎに窮している欧米の金融機関が出てくるかもしれない。1日だけの期越ですが、今晩の欧米の短期金融市場(金融機関の資金繰りのためのプロの市場です。)も注目しないといけません。悪い噂が出ると(例えばドイツ銀行が資金を取れなくて困っているらしい。これはあくまでの例ですから誤解のないように。)こんな噂が出るとドルが売られます。それはドル/円での大幅ドル売りを誘うと思われます。ECB(欧州中央銀行)が6ヶ月(通常の倍の期間)の長期で総額1500億ユーロ(約235000億円)の資金をユーロ圏の金融機関に供給できるようにしました。またFRB(米連邦準備理事会)もTAF(Term Auction Facility 入札方式による資金供給)にて44日入札で期間28日 47日と421日にそれぞれ500億ドル合計1000億ドル(約10兆円)を資金供給すると発表しました。欧米中央銀行総額約335000億円の資金供給となります。これは中央銀行が依然市場にある潜在的資金繰り難を未然に防ぎたいとの意向を強く示したものです。勘ぐれば、市場に隠れ資金難金融機関があるということです。ドルは売られることとなります。

 

 

金曜の晩を振り返ってみましょう。まずはポンドについて。住宅価格の指標が悪いとのことでポンド売りの理由付けとなりました。これは一連の(議事録→キング総裁発言→ビーン委員発言)流れ(ポンドの下落リスクあり)に沿った動きのようです。私はアンタッチャブルと金曜日にコメントしましたが、次第にポンド売りに反応しています。ドルの要因と比べると市場関係者はまずはポンドロング(買い持ち)ポジションを落とす方向に動いていることがだんだんと鮮明となってきました。市場関係者はポンド/ドルでは73位の割合でポンド売り要因に重きを置いているようです。とにかくポンドロングを切ろうと。ユーロについては、金利相場観に素直に反応です。ウェーバー・ドイツ連邦銀行総裁(ECBメンバー)が、「ユーロ圏の物価圧力がかかっており警戒が必要な高い水準にある。中期的に上向きリスクがある。現在の金利水準はインフレ期待の低位安定に貢献する。」と述べられた。現在のユーロ圏のインフレ率は3.3%(スペインは4.4%)と目標インフレ率の2%からは遥かに上です。どう考えても利下げなどありえません。ユーロ高(対ドル)は続く。

 

 

米国市場では、モノライン(金融保証会社)大手FGICの格下げの報道が大きかったようです。格付け会社のS&P(スタンダード・アンド・プアーズ)がFGICの格付けをシングルAから投機的とされるダブルBへ6段階引き下げました。地方債を含めた価格の値崩れが心配されます。これもドル売り要因となります。経済指標は概ね予想通りで市場はほとんど取り上げませんでした。

 

 

金融・為替市場の話に移ります。ドルの買い戻し(ポジション落とし)も進んだようですが、新たなニュース(資金供給報道、モノライン格下げ)などで再びドル売りの嵐となったようです。金は936ドル(1オンス)と利食い先行のポジション落としのようです。米債券市場にも大きな動きはなく2年債は依然買い意欲が強く、安全志向の資金が流れ込んでいると思われます。ということで、シナリオは変わりません。為替市場では、ドル/円は100円以上では追加してドル売りに出るファンドが目立ちます。流れ変わらず96.00方向を読みます。ユーロ/ドルはECBの金融政策に変更なく、当面現在の政策金利が維持されることから、ユーロ高を期待する市場参加者がほとんどです。1.5700がサポート(支持線)となり、1.6000の方向のようだ。ポンド/ドルは、ポンドの下落リスクありとの流れから売られるトレンドのようです。下の1.9700方向か?ドル要因が注目されると逆に動くから本当に読みづらいですね。オージー(豪ドル)/ドルは0.9200を割ってきていますが、ドル要因、オーストラリア準備銀行(RBA)の金融スタンスからオージーブル(強気)が継続を予想します。0.9600方向を読みます。円クロスは予想通り、ドル/円でのドル下落リスクが早いために梯子を外されます。円ロングの外貨ショートがお勧めです。

 

 

シカゴ筋(CME)情報:325日時点

円 ネットロング 65,920枚(前週比+10,161枚)、ユーロ ネットロング 42,771枚(+16,250枚)、ポンド ネットロング19,728枚(-9,412枚)、スイスフラン ネットロング 10,781枚(-443枚)、オージー(豪ドル)ネットロング 35,620枚(+55枚)、キューウィ(ニュージーランドドル)ネットロング +9,451枚(-927枚)

 

 

円とユーロのロングポジション(買い持ち)が増えています。ドル/円では、ヘッジファンドの資金繰り難観測からドルの買い戻し(利食い)が進んでいましたが、利食いの後にしっかりとドル売りをしていました。100円台のコストのドル売りポジションのようです。平均コストは本当に良いもの思われます。私と同じくまずは96.00を狙っているようだ。ユーロのロングが急増しています。ECBの金利政策維持の確認から強くユーロ高を狙っています。やはり1.6000狙いですね。1.6000を超えてくると介入警戒感がでてくると思います。ポンドはポンド下落リスクの明言から、とにかくロングを落とそうと動きが出ているようです。その他通貨はトレンドに変更なしのようです。

 

注:シカゴ(CME)先物市場では全て対ドルでのポジションとなります。円ロングポジションとは 円が買い持ちで反対にドルが売り持ちという意味です。すなわち、ドル/円でドル売り(ショート)のポジションということです。

 

 

それでは今週も為替相場と仲良く対話しましょう。

PR

上記見通しは、見解に過ぎず、相場展開を保証するものではありません。最終的な投資決定は、投資家ご自身の判断で行われますようお願いします。

おはようございます。

 

耳慣れない見出しで何だろなと思われた方のほうが多かったのではと想像します。これが昨日のNY市場のメインテーマでした。先日FRB(米連邦準備理事会)が新たな資金供給策として発表したのがTSLFでフルに書きますと「Term Securities Lending Facility」の頭文字を取ったものです。これはプライマリーディーラー(米政府証券公認ディーラー)向けの証券貸出し制度で、リスクの高いモーゲージ債(RMBS (住宅ローン債券証券 Residential Mortgaged Backed Security)))を担保として米国債を28日間貸し出す制度です。米国債を借りた金融機関は、これを担保に資金が調達できる仕組みです。そして、その最初の入札が昨日行われました。貸出し予定750億ドル(75000億円)に対して861億ドル(約86100億円)と応札倍率が1.15倍と、意外少ない倍率で応札する投資銀行を中心とした金融機関の資金調達に不安感がないとの観測を呼んだようです。資金調達不安が金融機関にあれば応札倍率が2倍とか3倍に膨れ上がります。ということで金融市場に安心感がでました。ただ一時的と私は読みます。四半期ごとの期末越えは資金ディーラーにとっては頭を悩ますところです。特に信用不安の噂のあるような金融機関は。資金ディーラーはブローカー経由の取引でも必ず相手の名前をチェックできる権利を有します。それは危ない金融機関には金を貸してはいけないからです。どんなに高いレートでのオファー(貸出しレート)であっても、ディーラーとしては儲けられるのですが、資金が回収できなければ取引の意味は全くありません。今回の期越えは、土日を挟まない1日のみの期越えであるために資金ディーラーには安堵感があります。だからNY連邦準備銀行は目立った資金供給の枠拡大などを発表をしていません。今回のTSLFでまず市場環境に対してリトマス紙を流してみたのではと解釈します。これで応札倍率が高ければ何らかの策を打ち出す可能性はあったのではと思います。来週月曜日の資金繰りは何とかなりそうなNY短期金融市場です。

 

 

TSLFの結果でドルは若干買い戻されたようでした。また第4四半期のGDP(国内総生産)確定値は前月の改定値と全く同じの+0.6%(前期比)と金融市場には反応なしです。昨日も申しましたが重要なのは来月下旬発表予定の今年の第1四半期のGDPの速報値です。マイナス成長を予想させるような数字が出れば、29/30日開催のFOMC(米連邦公開市場委員会)での大幅利下げを市場は促します。同時にドル売りのクライマックスを迎える可能性があります。

 

 

今朝方日本の経済指標が発表されました。2月の失業率3.9%と予想よりも若干悪いようです。また2月の全国CPI(消費者物価指数)は+1.0%(前年同月比)と落着いている。ECB(欧州中央銀行)、BOE(イングランド銀行)から見れば羨ましい限りの数字です。まだ感覚的にはデフレですね。3月の東京のCPIは+0.6%(前年同月比)とこれもデフレ感覚の数字です。一般には原油高と穀物高から物価上昇圧力が高まっているのですが。

 

 

為替市場に移ります。基本的に昨日と全く変わりません。ドル売りの潜在的要素(米国の信用不安とファンダメンタルズの悪化)が残っています。金は950ドル(1オンス)と新雪が積もり始めています。質への逃避、安全志向、ドル売りが金融市場環境です。ドル/円では東京時間帯では実需のドル売りが出そうですから100円手前では頭が重い。しかし流れはドルベア(弱気)と読みます。101.0096.00のレンジで96.00方向と読みます。ユーロ/ドルも昨日少しユーロが売られて気になっていましたが1.5800前後と一安心です。1.6000方向と読みます。ポンド/ドルは気迷い気味です。キング総裁に敬意を表した流れにはなっていません。オージー(豪ドル)/ドルが一番わかりやすいですね。0.9600方向を読みます。

 

 

思い出:花見:ディーリングルームにいると他の部署と交流がないかというとそうではありません。この時期になると決まってお花見です。一番の人気は千鳥カ淵公園、靖国神社が候補ですが、よく行ったのがやはり上野公園でした。円決済部門にそのあたりのプロがいらして、アメ横で買い物して、飲み物とつまみを調達、そして上野公園へと。なかなか外資系にしては日本的でした。適当に新聞紙を持ち寄り、場所探し。でもほとんど良いところは朝からの場所取りがあるようで難しい。横っちょで花より団子です。結局早々に切り上げて夜の世界に出掛けることになるのです。健全に過ごして早めに帰宅です。お花見については、来週は他の銀行との交流会について話しましょう。それでは。

 

 

今日は為替相場が動きそうにないと読みましたので、ちょっと硬い話をしました。しかし、中央銀行の金融調整は為替相場を読む上では貴重な材料を提供してくれますので、しっかりと押えておきましょう。たとえばモニターにTSLF応札倍率高いと流れたらすかさずドルを売るということです。見出しが理解できないと為替相場と対戦できません。また理解できない市場関係者よりも一歩手前で良いコストのポジションを作ることができます。

 

 

それでは今日は週末でもありますからちょっとリラックス!

 

 

上記見通しは、見解に過ぎず、相場展開を保証するものではありません。最終的な投資決定は、投資家ご自身の判断で行われますようお願いします。

おはようございます。

 

 

昨晩は欧州金融当局者からいろいろとメッセージが市場に投げかけられ、私は非常に解りやすい為替市場となってきたと理解しています。為替相場の視界が良好になってきました。

 

 

まずはトリシェECB(欧州中央銀行)総裁の欧州議会での議会証言です。内容を列記すると、「インフレ率は3%を上回る比較的高い水準で推移しており、目標の2%を大幅に上回る見通し。インフレは中期的に上向きのリスクが広がっている。要因としてはエネルーギーと食品価格の上昇。インフレ局面は予想以上に長期化する見通し。為替の過度の変動は経済成長に悪影響の恐れがある。為替レートの過度の変動と無秩序な動きは経済成長にとって望ましくない。」といったところです。非常に明解です。金利は下げる余地なし。為替レートの変動は好ましくない。ということはFRB(米連邦準備理事会)に協力してドルとユーロの金利差を縮小との措置(利下げ)は暗に行わないと私は解釈します。物価安定が第一優先順位のECBとしての立場を踏襲すると言うことです。それでは為替はどうかというと、過度の変動は好ましくないと証言されています。ということは、金利調整では協力できないが、為替の過度の変動は欧州の経済の阻害要因となるから、場合によっては、スムージングオペレーション(為替相場の流れを緩やかにする)目的の為替介入をすることも選択肢のひとつと解釈してよいのではと私は読みます。金利についてはフランスの月刊誌にも「現在の金利水準は正しい」と現住されています。為替については後ほど分析。

 

 

英国ではキングBOE(イングランド銀行)総裁がインフレ率は3%前後に加速する見通しと述べられた。ポンドが一旦買われたようですが、次のような発言がありました。「ポンドの下落は2006年の水準からの戻しであると。」(unwinding of appreciation in 2006)が原文なのですがちょっと理解不明です。2006年当時の水準をみるとポンド/ドルはポンドの底で1.701.75近辺でした。配信元のミスなの分かりません。in ではなく from であれば理解できますが。現在のポンド高からの水準訂正であれば理解できるのですが。いずれにしてもポンドは高すぎるとのニュアンスのようです。そしてビーンBOE委員からは英国の経常収支赤字からみてポンド価値が更に下落する圧力がかかる可能性を示唆されました。これは私が丹念に読んだ議事録の内容と一致します。ポンドはやはり売り方向の圧力が今後かかると読んで良さそうだ。解らない通貨と昨日申しましたが、だんだんこちらも視界が良好になってきました。

 

 

それでは経済指標に移ります。3月のIFO景況指数が予想より良い104.8と素直にユーロ買いに反応しました。米国市場では2月の耐久財受注がマイナス1.7%と予想外に悪い数字でドル売りに反応。2月の新築住宅販売件数は590,000件とこちらは予想より良い数字で市場は無視しました。

 

 

それでは金融市場と為替市場について話します。NYで私が注目したのは2年債の入札が好調であったことです。2年債と10年債のスプレッド(金利差)が2日前の174bps(basis point)から183pbsに拡大しました。スティープニング取引の再開です。(26日特別レポート イールドカーブのステープニングを参照ください。)ということは安全志向に資金が向かい、市場は利下げを促しているということです。金価格は現在953ドル(1オンス)と新雪が積もり始めました。セオリー通りですと、ドル売り、金買い、債券(短期 例えば1年2年)買いとなります。これまでが皆さん注意してほしい前提条件ですので。

 

 

為替市場が解りやすい。ユーロ/ドルは1.6000方向で、1.6000を越えればECBによるスムージングオペレーションによる為替介入の可能性が高まります。金利調整では米国に協力できないということです。ポンド/ドルも当局者からのヒントでポンド下落リスクありと、2.0400タッチは無理で、1.97002.000のレンジ内。ドルベアの要素をどのように織り込むかがポイントです。ポンド売り方向ながらドル要因にも注意です。ドル/円はドル要因に素直に反応と、101.0096.00のレンジながらドルベア(弱気)の96.00方向を読みます。セル オン ラリー(Sell on rally)! オージー(豪ドル)/ドルは最も解りやすい。オージーブル(強気)の0.9600方向と読みます。1月のコンファレンスボード景気先行指数が発表され-0.3と悪い数字で、若干売られていますが、底を拾う投資家は多そうだ。

 

 

思い出:外銀リーグ:外国系の銀行ですと個人が強くてまとまりがないと思われがちです。しかし、私が在籍していた当時、野球の外銀リーグがあり、よく多摩川の河川敷グランドに土曜日か日曜日に出掛けたものです。欧州系、米系、カナダ系と大体10チームくらいあったかと思います。銀行内の野球好きが部門関係なく集まり、立派にユニフォームまで揃えました。私の在籍した銀行は非常に弱く、負けの場合が多かったと思います。たまに勝つと盛り上がりました。多摩川沿いにある銭湯で一風呂浴びた後のビールが美味かったこと。ある時元巨人軍の練習場であったグランドが解放され、ここで王、長嶋も練習したのかと思いながら草野球をしてその後、土手の上にある有名なおでん屋さんで、おでんとビールで乾杯です。巨人軍の選手の写真とかサインが一杯掲げてあったような記憶があるのですが、現在も営業されているのでしょうか。どなたかご存知ですか? チームのメンバーが足りないと、ブローカーさんに電話します。野球好きな外国人助っ人が馳せ参じました。でも大きな体ですが意外とアメリカ人でも野球下手な人もいますね。アメリカ人と見れば野球が上手いとの概念は吹っ飛びました。意外とまとまりがあり、また部門を離れても交流があり、非常に楽しい週末を過ごせたものです。現在はメンバーばらばらですが、年に何回か会って昔の話題に花を咲かせます。

 

 

今日はちょっと長いのですが、重要なヒントを提供していただいた昨晩でしたのでお許しください。

 

それでは今日も為替相場と仲良く対話しましょう。

上記見通しは、見解に過ぎず、相場展開を保証するものではありません。最終的な投資決定は、投資家ご自身の判断で行われますようお願いします。

おはようございます。

 

 

今日一番目についたニュースはゴールドマンサックスの調査レポートです。負債比率の高い米金融機関は今後4,600億ドル(約46兆円)の信用損失を受けることになるとの見通しです。そして劣化した証券に絡む損失が現時点でまだ半分以下しか損失計上されていないということのようです。これが本当であれば、まだまだ欧米主要金融機関、保険会社、ヘッジファンドからの損失計上の噂に市場は事欠かないようだ。信用不安はまだまだ収まらない気配です。どこまでゴールドマンを信ずるかですが。ジム・オニール氏の分析は鋭いことで定評があります。(彼のレポートとは確認できませんが。)

 

 

米国のファンダメンタルズの悪化のニュースも出ました。3月の消費者信頼感指数が市場予想の73を大きく下回り64.5と発表されました。これは仰天の数字です。というのは73でも2003年以来の悪い数字なのにそれを約10ポイント近く下回っています。そして、時々注目されるS&Pケース・シラー住宅価格指数(全米主要10都市部の住宅価格調査)の1月の数字が発表され前年同月比でマイナス11.4%と、下げ幅は1987年調査以来最大とのことです。ファンダメンタルズも悪い。ということで今週出てくる米国経済指標にますます注目が集まります。

 

 

金融市場はどのように反応したのでしょうか?昨日からの動きを振り返ってみましょう。米国の信用不安とファンダメンタルズ悪化が相乗効果となりドル売りとなりました。ウォール街は小反応で、債券相場が安全志向(ゴールドマンレポートの影響か?)で買いが先行(債券では買われると債券価格が上昇して、利回り(イールド(yield))が下がります。)、金価格も上昇で現在938ドル(1オンス)と昨日とくらべると大幅高の、ポジション調整消化後の新たな新雪の積み上げではとも思えてしまいます。

 

 

為替市場では一番素直に反応していたのがオージー(豪ドル)/ドルですね。読みどおり0.9100がテイクン(Taken)されたら素直に買われました。オーストラリアのファンダメンタルズは視界良好そして金融政策は引き締め基調継続と分りやすい。そして信用不安とファンダメンタルズ悪化の米国とは必然的に為替レートに反応します。ドル/円は、99円台ミドルまで下げましたが、現在100円を挟んだ展開のようです。シカゴ筋を中心にファンド筋の利食いと資金繰りに窮して買い戻さざるを得ない投資家が出ているような気がします。しかし100円台では日本の輸出担当者が目を光らせています。3ヶ月のファーワード(スワップ)がディスカウントの45銭、6ヶ月で80銭ですから、単純にスポット100.456月物、100.809月物を押さえれば100円で出来上がりレートとなります。この水準(100.40100.80)を注意しましょう。ドル売りが出るはずです。でもそこまで戻るのかなという気持ちも強いですね。ということでドル/円はファンダメンタルズ及び信用不安を抱える米国の状態を考えるとドルのセル オン ラリー(Sell on rally 上に跳ねれば売りを入れる)スタンス継続と読みます。米国の今週の数字次第で99.00割れも想定しておいたほうが良さそうだ。ユーロ/ドルは1.5400がサポート(支持線)となり1.5700を目指す方向と読みます。今日のトリシェECB(欧州中央銀行)総裁の欧州議会での議会証言が注目です。インフレ最優先を強調されるのか、米国まかせのドル安/ユーロ高に言及されるかが。インフレ抑制が市場で強調されてしまうと1.6000が見えてきます。ポンドはどうももやもやしながら上昇しています。ユーロ/ドルとユーロ/円が桁は違いますが同じような数字で動いています。非常に分りやすい。ユーロ/ドルが強ければ157.00方向ですが、ある時ドル/円で大幅ドルが下落して梯子を外されるとユーロ/円は大幅下落となります。ロングのクロス円はお気をつけください。むしろショート方が面白そうです。

 

 

余談:フォレックス・クラブ:現在でもフォレックス・クラブの例会が年2回か3回あると聞きます。私が銀行に在籍していた時はほぼ毎回参加していました。通常東京丸の内にある東京會舘の大きなホールを使って行われます。最初に来賓の挨拶があり、日本銀行、大蔵省 現在は財務省の国際局長の挨拶、そして懇談と入ります。私が印象に残っているのはやはり榊原さんの挨拶でした。ミスター円と呼ばれそしてまた当時は日本にも有力なザ・セイホと呼ばれるグローバル・プレーヤーがいました。榊原さんの発言で皆さん外に走ってディーリングルームに電話した会員も多くいました。まだその当時は携帯なるものは存在していませんでした。会場の入り口には会員になれないブルーンバーグやロイターの記者が待機しており、知った記者からは、「榊原さん何か言った?」との質問です。本当にその当時東京外国為替市場は活気がありました。

会場では真ん中のテーブルに東京會舘名物ローストビーフが切り分けてあり、まずはこちらから賞味します。そしてその他美味しいつまみを食べているとだれかから声がかかります。グラス片手によもやま話が続きます。飲み終わるとすかさずきれいなコンパニオンのお姉さんがお代わりを持ってきてくれました。壁に耳ありですから、重要な話はしません。そして邦銀さんディーラーとの名刺交換です。外資系に勤めているとどうしても邦銀さんとの情報網がほしい。それほど、実需筋の玉が邦銀さんに集中してあり、相場は大きく変動しました。最後にそばを食して会場を後にすることとなりました。

 

 

それでは今日も仲良く為替相場と対話しましょう。

上記見通しは、見解に過ぎず、相場展開を保証するものではありません。最終的な投資決定は、投資家ご自身の判断で行われますようお願いします。

おはようございます。

 

欧州市場が休場でNY市場が開いていたという状況で薄商いの中、値が飛ぶ状況(ボラタイル(volatile market))であったようです。

 

NY株式市場が活況であったようです。ベアー・スターンズ買収額に関してJPモルガンが1株あたり2ドルから10ドルに引き上げたことと、2月の米中古住宅販売件数が503万戸と予想の485万戸よりも良いということで株買いの理由付けとなったようです。しかし、前年比ベースではマイナス8.2%と評価できる数字ではないようでした。

 

 

昨日触れるのを忘れてしまったのですが、昨日日本の法人企業景気予測調査が発表され13月期の景況判断指数がマイナス9.3, そして46月期がマイナス2.3の見通しとのことです。20071012月期がプラス0.5%でしたから、全く景況感が悪い方向に向かっているようです。為替はドル/円については、米国の要因で動いていますが、ドルが反転して買われる状況が出てくると日本の景況感の悪さで円売りになる局面もあろうかと思いますので、この点脳裏に焼きつけておきましょう。

 

 

それでは金融市場・為替市場について読みましょう。まず金相場。昨日夕方908ドル(1オンス)と売り基調でしたが、NY市場では一転買い基調となり925ドル近辺までつけ、その後反落の現在918ドルの取引です。これをどのように解釈するかですが、基本は薄商いの中での取引を念頭に、利食い後の新たなポジションかとも解釈できます。そして為替市場ですが、夕方は私のシナリオ通りドルの買戻しで、対ドル円、ユーロ、ポンドは売られていました。しかしNY市場に入ると、「円キャリートレード」、「スイスキャリートレード」を好む投資家が入ってきて、私のシナリオを崩してしまいました。円キャリートレードでドル/円は予定通り101円手前まで来ましたが、ユーロ/ドルとポンド/ドルは誤算でした。本来ウォール街の活況は前面ドル買いとなり、資金繰りに窮しているヘッジファンド、レバレージを効かした投資家にとってはドルの買い戻し局面と読んでいたのですが。ただドルには常に金融不安とファンダメンタルズの悪化(マイナス成長観測)の悪材料があります。あるとき下駄を外されてドルベア(弱気方向)に行く可能性が高いと思います。円キャリーでのポジションをお持ちの方はこの恐怖と戦いつつ、取引を進めなければなりません。ご注意を。ここ半年ドル/円での下落が早く下駄を何度か外されています。考えは当たっているのですが、技術的にやられるわけです。

 

 

ドル/円の101.00は極めて重要です。私が一度達成感を感じていたレベルです。更にファンド筋のドル買戻しが入るか、円キャリープレーヤーが強力にキャリートレードを進めるかによります。おそらく付けに行く展開と思います。そこで次のシナリオが出来上がります。101106のレンジ入りか、ファンダメンタルを考えてやはり96101のレンジに戻るのかを考えることとなります。再度ドル売り仕掛けをするには、シカゴのファンド筋の円ロング(ドル売りポジション)を消化する必要があります。101106のレンジ入りの方が、ビッグピクチャーシナリオにはやりやすい。ユーロ/ドルは円キャリープレーヤーによって1.5400を回復させられてしまった。しかしユーロについてはECB(欧州中央銀行)がインフレ抑制最優先の姿勢を崩していないために私はまだユーロ高方向の見方をします。その意味では重要な節目1.5400維持できるかを見たいものです。またポンド/ドルについてはBOE(イングランド銀行)への私の見方がタカ派(インフレ抑制重視)から中立へと変更しましたので、もう少し様子をみます。オージー(豪ドル)/ドルはキャリートレードのポジション作りからか再度0.9100を狙っています。オーストラリア準備銀行の引き締め政策基調に変化はありませんから、0.9100がテイクン(Taken 買われる)されれば、オージー買いを継続してよいと読みます。その場合0.91000.9600のレンジです。

 

 

思い出:フランス人の英語:外資系金融機関に勤めていたときに一時期上司がフランス系スイス人になったことがありました。初老の素敵な典型的なフランス人です。ピンクのシャツが肌と合って、また素敵なファッションセンスの持ち主でした。ファッションはフランスに負けるなと私は実感しました。しかし、最初彼が上司になって言葉が時々分りません。フランス語なまりの英語です。まるでフランス語を聞いているような状態ですが、確かに英語です。彼が昼に出掛けるというので、日比谷公園近くのレストランに行くらしいのですが、Hibuya Park ではなく、Ibiya Park らしい。わざわざ恵比寿に行くわけでもないのですが。そしてはたと気がつきました。フランス語では H を発音しないことを。このことが分ければフランス人の英語にはほとんど対応できます。スペイン語でもHは発音しません。相手を分ろうとする努力をすると、その内に人間的な付き合いをすることができます。現在はレマン湖のほとりでのんびりと悠々自適の生活をされていると息子さんから聞きました。

 

 

それでは今日から通常のマーケットに戻りますから、気を抜かないで市場を見守りたいと思います。

上記見通しは、見解に過ぎず、相場展開を保証するものではありません。最終的な投資決定は、投資家ご自身の判断で行われますようお願いします。

カレンダー
04 2024/05 06
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31
フリーエリア
最新CM
[06/15 ヨーロッパカラー]
[05/16 FXランキングサイト]
[10/11 辻 秀雄]
[09/01 koko]
[08/28 tani]
最新TB
プロフィール
HN:
水谷 文雄
年齢:
71
性別:
男性
誕生日:
1953/03/09
職業:
スペイン研究家
趣味:
旅行、陶芸、料理
自己紹介:
スイス銀行(現UBS)などで、為替、金利ディーラーとして20年以上のキャリアを歩む。
国際金融市場をやさしく解説して、為替の世界のおもしろさを皆さんに広めたいと意気込んでいます。
バーコード
ブログ内検索
アクセス解析
忍者ブログ [PR]

本サイトに記載・掲載されている内容の著作権は、原則として株式会社FXBB、およびその他情報提供者に帰属します。
著作権法により、株式会社FXBBおよびその他情報提供者等に無断で転用、複製等することを禁じます。